甲州印伝訪問レポートを掲載
2014/02/19鹿革と漆が織り成す細密画~甲州印伝
戦国大名・武田氏のお膝元、甲府市。甲府という地名は、16世紀に活躍した武田信玄の父、信虎が「甲斐国の府中(現代で言う県庁所在地)」という意味で命名したことに始まります。甲府は戦国時代に武田氏の本拠地として城下町が形成され発展したのに引き続き、近世には甲斐国の経営と江戸の西方守備の要として、また甲州街道の宿場町として栄えました。
鹿革の工芸品は、『日本書紀』に5世紀の終わりごろに高麗の革工によって日本にもたらされたとあり、日本ではもっとも古い革工芸です。印伝が現在よく知られている鹿革に漆で文様を描き出すという技法で作られるようになったのは江戸中期を待たねばなりませんでしたが、しなやかで軽く丈夫な鹿革の性質は武具や馬具の素材として重宝されたため、武家社会の進展と戦乱の世の中で鹿革工芸は大いに発展することになります。現代でも「信玄袋」と呼ばれる袋物がありますが、これは戦国武将が甲冑を入れておくために鹿革の袋を使用したことに由来するという説があります。
今回の取材では、日本で唯一甲州印伝の伝統工芸士の資格を持つ山本誠さんの技を受け継ぐ、長男の山本裕輔(ゆうすけ)さんにお話を伺いました。
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