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2017/02/17●今号のテーマ
【思想】追い出すことはできるのか?:「鬼」
「大夫(ますらを)や 片戀(かたこひ)為(せ)むと 嘆(なげ)けども
鬼(しこ)のますらを 尚(なほ)戀(こ)ひにけり」
(舎人皇子『万葉集』117番)
(訳: この強く勇ましい男子たるものが、片想いなどするものかと嘆くけれ
ども、見苦しいことにやはり恋をしてしまったのだよ。)
立春が過ぎ、関東地方では梅や河内桜が咲き誇る頃になりました。立春の行事
と言えば「節分」ですね。皆さんのお宅でも豆まきをしたり、ヒイラギの葉を
玄関に挿したりして鬼を追い払ったことでしょう。鬼と言えば、頭に角、口に
は牙、肌は赤や青で虎皮のパンツを穿いた大男が日本人の思い描く姿ですが、
いったい鬼とは何なのでしょうか?
中国語の「鬼(キ)」とは、死者の魂で日本語で言う「幽霊」に近い意味です。
日本語で、人が亡くなると「鬼籍に入る」と言うのはここから来ています。
「鬼」という文字が、日本語で「オニ」という訓読みに定着したのは平安末期
ごろと言われており、それまでは冒頭の歌にもあるように、「シコ」、もしく
は「モノ」「カミ」とも読んでいました。「鬼(シコ)」とは、「醜」の略字
で、醜悪である、汚らわしい、厭わしいなどの意、「モノ」は「物の怪」の意、
「カミ」は言わずと知れた「神様」のことです。「オニ」とは、「かくれる」
という意の「隠(オヌ)」(もしくは陰)から転じたものというのが定説です。
続きはこちらでどうぞ:
「片恋を鬼と秘む」~ 季節の使い・JTCO『風物使』立春号
+‥‥+ 2017年立春号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
・今号のテーマ……… 【思想】追い出すことはできるのか?:「鬼」
・季節の行事………… 浦佐毘沙門堂裸押合大祭 [新潟県南魚沼市]
・和遊苑 おすすめの一品 【印伝】二つ折り財布
・JTCOからのお知らせ 3月歌舞伎座は、関西・中部の職人展!
・編集後記
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