「金唐紙研究所」様取材記事掲載
2017/06/07日本全国に点在する、明治・大正期の名士の邸宅。その室内を華やかに飾る、まるで浮彫のような質感の壁紙が、「金唐革紙(きんから・かわかみ)」です。17世紀、欧州の宮廷や教会の壁掛けや椅子の背張りとして使われていた「金唐革(きんからかわ)」が輸入され、武具や馬具、煙草入れなどの奢侈品に加工されて大名や裕福な商人に愛好されました。ここから着想を得て、試行錯誤の末、革の代わりにえのき油を引いた強化和紙(擬革紙)を用いて作られたのが金唐革紙です。
開国後、欧州の万博に出品されて好評を博した金唐革紙は、その後輸出による外貨獲得を目指す大蔵省印刷局により改良が重ねられます。西洋だけでなくオリエントの意匠を採り入れた豪華なモチーフも人気を呼び、20世紀初頭まで欧米に盛んに輸出されました。
今回は、その製造技術を復元し、各地の重要文化財の内装を手掛ける「金唐紙研究所」の代表・上田尚(うえだ・たかし)さんと、技術者の高橋シヅ代さんにお話をお伺いしました。
続きを読む:
往年の邸宅を彩る創意工夫の結晶~金唐革紙