NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。

JTCO日本伝統文化振興機構
日本語 | English
JTCO: Japanese Traditional Culture Promotion & Development Organaization
メルマガ一覧
 2017年
 2016年
 2015年
 2014年
 2013年
 2012年
 2011年
 2010年

JTCOメルマガ『風物使』

2017年04月28日 配信
「初夏に牡丹の華咲く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』穀雨号

:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,

  「初夏に牡丹の華咲く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』穀雨号
    vol.109 2017年4月28日発行(旧暦 4月3日・卯月)

,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,_,:*~*:,


┏‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥┓
 このメルマガは、NPO法人日本伝統文化振興機構(JTCO)のメールマガ
 ジンにお申し込みくださった方、もしくは当機構活動にご協力いただ
 いている個人/団体/法人様にお送りしています。         
┗‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥┛


拝啓
本年の桜前線も最北端に達しようとする今日この頃、皆さまいかがお過ごしで
しょうか。連休の始まる今週末は全国的にお天気のようですので、ぜひ初夏の
風を感じにお出かけしてみてください。


+‥‥+ 2017年穀雨号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ………   【植物】獅子も鎮める魔力: 牡丹(ボタン)
 ・季節の行事…………   熊祭り[山形県小国町]
 ・和遊苑 おすすめの一品 【姫革・白なめし革】扇子ケース
 ・JTCOからのお知らせ   5月歌舞伎座催事:墨染・なにわべっ甲
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…

【植物】獅子も鎮める魔力: 牡丹(ボタン)

「折る人の心なしとや名取草 花みる時は咎(とが)もすくなし」
(顕仲『蔵玉集』)

(訳: 牡丹を手折る人の心無いことよと思っていたが、花を見ると無理もな
いと思うのだよ。)

桜の季節が過ぎると、木々の緑も青々として街や野山の風景も力強さを増して
きます。そんな中、ひときわ艶やかに咲き誇る花が「百花の王」と呼ばれる牡
丹です。

中国では5世紀頃の魏晋南北朝時代より止血・鎮痛などの薬用として栽培され
ており、その艶やかな花姿から古くから富貴吉祥と繁栄隆盛の象徴として愛さ
れてきました。牡丹には多くの別名がありますが、「二十日草」という呼び名
は、唐の詩人白楽天の漢詩「牡丹芳(ぼたんほう)」に由来します。

「花開花落二十日、一城之人皆若狂」

(花開き花落つ二十日、一城の人皆狂ふが若し: 花が咲いてから散るまでの
20日間、城内の人が皆この花に取り憑かれたように耽溺する)

古来日本人が桜の花に一喜一憂していたのと同じように、長安の人々も毎春牡
丹の花に心乱されていたのでしょうね。

日本に牡丹をもたらしたのは、遣唐使として長安に渡った弘法大師・空海と言
われています。栽培はそれ以降、8世紀ごろから行われていたようですが、文
学での初出は11世紀の『枕草子』を待たねばなりませんでした。

冒頭の歌は室町時代の歌集『蔵玉(ぞうぎょく)和歌集』に収められているも
のです。この歌集は別名を『草木異名抄』と言い、草木や鳥などの別名を読み
込んだ和歌に註が添えられています。牡丹の別名である「名取草」の由来とし
て、こんな註が添えられています。

むかし男と棲んでいた女が、明け暮れ牡丹の花を眺め暮らしていたために、男
は女が心変わりをしたと思い込んで別れてしまった。男は女に咎のないことが
分かるとまた一緒に暮らし始めた。それでこの花を「名取草=汝(なんじ)の
心を奪い取る草」と呼ぶようになった。

この「名取草」の他にも、牡丹の別名には「深見草(ふかみぐさ)」「夜白色
草(よしろいろぐさ)」「すめらぎの花」などの呼び名があります。前の二つ
は、その深い紅色、もしくは夜の暗闇でも引き立つ白さから、最後は「花の王
(=天皇、やまとことばで「すべらき」)」から転じたものです。いずれも匂
い立つような美しさや気品を醸し出す名前ですね。

人の心を惑わせるほどの牡丹の美しさは、霊的な存在としても捉えられたよう
です。「獅子に牡丹」のモチーフは、「百獣の王」と「百花の王」の組み合わ
せとして縁起がよいとされていますが、理由はそれだけではありません。仏教
では、牡丹から落ちる夜露には獅子に寄生してその肉を食らう「獅子身中の
虫」を殺す力があるとされています。それで獅子は、夜間は安心して牡丹の下
で眠りにつくことができるのです。ここから、江戸後期の長編読本『南総里見
八犬伝』では、牡丹が獅子の力を抑え込む霊力があるとし、牡丹紋を八犬士の
象徴としています。

牡丹の花期は、地域にもよりますが5月上旬はまだ見ごろのところも多いよう
です。連休中はお近くの牡丹園に出かけて、心惑わせる美しさにしばし耽って
みてはいかがでしょうか。

【参考サイト・文献】(参照日: 2017年4月28日)

牡丹, 和歌歳時記
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/saijiki/botan.html
Wikipedia, 牡丹
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%82%BF%E3%83%B3_(%E6%A4%8D%E7%89%A9)
<中国旅游>中国人の愛する花・牡丹の都―洛陽牡丹文化祭り
http://www.recordchina.co.jp/b71014-s0-c40.html
『群書類従 : 新校. 第十三巻』 「名取艸」
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1879769/151?viewMode=
宇都宮玄秀, 牡丹に唐獅子 竹に虎, 『南禅』平成11年1月号
http://www.rinnou.net/cont_04/rengo/2003-10.html



,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

熊祭り
[山形県小国町](5月4日)

飯豊連峰の麓、小玉川地区では、射止めた熊の冥福を祈りながら、猟の収穫を
山の神に感謝する熊まつりの儀式が、300年余にわたって受け継がれていま
す。

古式豊かな神事と地元マタギによる熊狩りの模擬実演が披露されます。

※ぴこねっと日本ねっ島より引用
http://www.piconet.co.jp/nippon-net/nippon.cgi/see/15051


,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥

【姫革・白なめし革】扇子ケース

初夏の陽ざしを感じるようになってくると、お出かけの際に汗ばむことも増え
てきます。そんな時には手軽に涼める扇子が欲しくなりますね。

今の時期から夏の終わりまで大活躍の扇子、持ち歩いて傷めないように扇子入
れは必需品です。布製のように扇子が滑り落ちることもなく、革でありながら
軽くてしっかりとした姫革細工の扇子ケースなら、お気に入りの扇子と一緒に
安心してお出かけできます。

詳しくはオンラインショップで↓↓
http://wayouen.jp/?mode=cate&cbid=1488756&csid=0&page=1



,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……


【歌舞伎座】5月は、墨染と大阪なにわべっ甲が出店!

5月の銀座・歌舞伎座催事は、昨年12月の出店でご好評をいただいた、洗練さ
れた墨染めファッションアイテムを販売する「ギルド工房」と、すっかりおな
じみになった大阪なにわべっ甲の「エスプリマ」が出店いたします。

刷毛目が美しい春夏にぴったりの爽やかなシルクのストールやブラウスに、薄
着になる季節にポイントとして使いたいナチュラルな質感のべっ甲細工。これ
からの季節の装いが楽しくなる、価値あるアイテムを取り揃えてお待ちしてお
ります。ぜひ銀座歌舞伎座にお越しくださいませ。

詳しくはJTCOホームページで↓↓
http://www.jtco.or.jp/news/?act=detail&id=146


,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第109号(2017年穀雨号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

先日、近所の芝離宮庭園にお散歩に行ったところ、植えられたもの、野生のも
のを問わず実にさまざまな花が咲いていて本当に驚きました。桜の花はピンク
だけでなく、葉の色と同じ緑色のものがあることも初めて知りましたし、何気
なく咲いている野草の楚々とした美しさにもつい魅せられてしまいました。

悲しいことに、ほとんどの花の名前がわからなかったのですが、昔の人は娯楽
が少なくても、こんな花たちの一つ一つに想いを込めて名前をつけ、物語を紡
いでいたのだと思います。溢れる情報や娯楽に受け身になりがちな現代の私た
ちも、時にはペンとメモ帳だけを持って、庭園や野の草花を見て感じたことを
書き留めていけば、昔の日本人の創造性を取り戻せるかもしれません。


+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

▼配信先の変更・メールマガジンの解除

JTCOサイトからお申し込みいただいた方:
https://www.ssl-im2.com/jtco/magazine/

メルマガ配信サービスからお申し込みいただいた方:
☆まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0001175473.html
☆メルマ!
http://www.melma.com/backnumber_187367/
☆メルモ(携帯用ダイジェスト版)
http://merumo.ne.jp/00581395.html

▼バックナンバーはこちら(PC用)
http://www.jtco.or.jp/pages/magazine.html

▼ご意見ご感想はこちらまで(PC用)
https://www.ssl-im2.com/jtco/inquiry/

+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/

※本メールは「MSゴシック」などの等幅フォントで最適に表示されます。

+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

Copyright(C) 特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
All rights reserved.



2017年母の日特集メルマガ会員募集郷土料理全国伝統工芸品フォトギャラリー掲載協力団体、企業一覧英語翻訳ボランティア募集歴史レポーターボランティア募集歌舞伎座木挽町広場催事出展者募集JTCO@Facebook