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JTCOメルマガ『風物使』

2011年01月11日 配信
「凍る道にもセリ芽吹く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』小寒号

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  「凍る道にもセリ芽吹く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』小寒号
    vol.14 2011年01月11日発行(旧暦 12月8日・師走)

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拝啓
各地で松の内も明けてきて世の中が日常に戻りつつある今日この頃、皆さま
いかがお過ごしでしょうか。今年は寒さが厳しく雪の多い冬になりそうです
が、暖かくして健康に一年のスタートを切りましょう。


+‥‥+ 2011年小寒号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・季節の祭り…………… 一年の健康を願って:『鏡開き』
 ・旬の味………………… 地域で旬が変わります:『サワラ(鰆)』
 ・季節の花……………… 春の七草の筆頭:『セリ(芹)』
 ・JTCOからのお知らせ… 伝統の逸品をお届けする『和遊苑』オープン!
 ・編集後記


○o 季 節 の 祭 り ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

一年の健康を願って:『鏡開き』

歳神さまが家にいらっしゃる期間を「松の内(松飾りを立てておく期間)」
といいますが、この期間を関東では7日、関西では15日あたりまでとするこ
とが多いようです。この期間が終わったら、「鏡開き」をしてお供えをいた
だきます。

鏡開きは元来、武家において鎧兜などの具足に供えた「具足餅」を下げて具
足櫃を開き、餅を割って雑煮などにして食べ、仕事始めとした習慣が一般に
広まったものです。これを「刃柄(はつか)」と呼びます。女性たちは鏡台
に供えた鏡餅を開き、「初顔(はつがお)」を祝います。鏡開きもそれらに
掛けて20日に行われていましたが、3代将軍家光が4月20日に亡くなったため、
関東では20日を忌日として11日に行われるようになったといわれます。

武家由来の行事らしく、腹切りに通じるとして刃物で餅を切ることはせず、
木槌でたたいて砕くか、手で割り砕きます。「鏡開き」という語も「切る」
「割る」の代わりに「開く」という言葉を充てたものです。

鏡開きには、お正月の間に歳神さまにお供えして霊力の宿ったお餅をいただ
くことで、家族の一年間の無病息災を願うという意味があります。今年一年
の健康と無事を願いつつ、お雑煮やお汁粉などで温かくいただきましょう。


○o 旬 の 味  ━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

地域で旬が変わります:『サワラ(鰆)』

サワラは一年中回遊して暮らす魚で、水揚げされる地域によって旬が異なり
ます。関東地方などで今の時期に獲れるサワラは「寒鰆」といわれ、脂が乗
って美味しくなります。

魚に春と書いて「サワラ」と読ませるとおり、サワラは春の魚とされていま
すが、これは産卵のために瀬戸内海に入る3月~5月頃に多く獲れるため、瀬
戸内海沿岸などの西日本でつけられたものと思われます。

サワラの歴史的仮名遣いは「サハラ(=狭腹)」で、細長いその姿からつけ
られたと考えられています。小さいころのサワラは「サゴシ(=狭腰)」と
呼ばれますが、この名からもスリムな姿が伺えますね。

サワラは良質のたんぱく質やビタミンA、B2、B3(ナイアシン)、D、などの
ビタミン類を含み、ナトリウムの排出を促して血圧の上昇を抑えるカリウム
が豊富です。また、脳の働きを高めるDHA、血液をサラサラにして中性脂肪
を抑えるEPAなどの不飽和脂肪酸、肝機能をアップするタウリンなども摂る
ことができます。

岡山県ではサワラが珍重され、刺身、酢の物、お寿司のネタなどによく利用
されます。これがサワラの値段は岡山で決まると言われる所以です。

身は水分が多く繊細な味ですが、タップリと脂が乗った今の時期ならこっく
りとした味が楽しめます。刺身でもよし、焼き物・揚げ物にしてもよし。料
理法は選びませんから、お好きな方法で味わってみてください。

▼祭り寿司(岡山県)
岡山では、はれの行事の席に、季節の海鮮や山菜をふんだんに使ったばら寿
し(ちらし寿し)を振舞います。
http://www.piconet.co.jp/magazine/recipe/2.html


○o 季 節 の 花 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

春の七草の筆頭:『セリ(芹)』

「あかねさす昼は田賜びてぬばたまの 夜の暇に摘める芹子これ」
「大夫と思へるものを太刀はきて かにはの田居に芹子ぞ摘みける」
(『万葉集』巻20-4455、4456)

(訳:
「昼間は田んぼの割り当ての仕事をして、夜にやっと時間ができたので摘ん
だセリなんですよ。これは。」
「立派なお役人のあなたが、太刀を差したまま田んぼでセリを摘んでいらっ
しゃったんですか。」)

「セリナズナ・・・」と詠われる春の七草の筆頭にくるセリ。セリは万葉の
時代から「セリ」と呼ばれ、やわらかく芳香のある早春のセリは、古代から
好んで食されていたものと思われます。若菜摘みは乙女の役目という常識が
あったのか、冒頭の歌では大の男が女性に歌を贈るために、一生懸命田んぼ
でセリ摘みをしている情景がほほ笑ましく表現されています。

セリは別名シロネグサと呼ばれ、田んぼのあぜ道や川辺などの湿地に生育し
ます。7-8月に細かで清涼感のある白い花をつけるため、夏の季語になって
います。摘んでも摘んでも競うように新芽を出すことから、「競り合う」か
ら「セリ」と呼ばれるようになったとも言われます。葉や茎は煎じて飲むと
解熱に、また煮て食べると神経痛やリウマチに効果があると言われています。

現在は新暦の1月7日に合わせて、栽培されたパック入りの「七草粥セット」
が売られていますが、本来の七草粥は1ヶ月ほどあとになりますので、その
頃川岸などで春を待つ本当のセリを見つけていただいてみるのもよいですね。


○o JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

伝統の逸品を皆さまにお届けするオンラインショップ『和遊苑』オープン!

JTCOでは、「日本のいいもの、日々の暮らしに。」をテーマに、伝統の技を
活かした品々をお届けするオンラインショップをオープンいたしました。

オープン第一弾のお取り扱いは、土佐和紙に江戸の団扇絵をモダンにアレン
ジした「EDOSA」レターセットです。抽選で10名の方にプレゼントさせてい
ただくキャンペーンも実施しておりますので、ぜひお店にお越しください。

和遊苑
http://www.piconet.co.jp/jtco/

プレゼントキャンペーンご案内ページ(1/15締め切り)
http://www.piconet.co.jp/cgi-bin/shop_present_page.cgi?shop_present_id=93


○o 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第14号(2010年小寒号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

新年もはや2週目に入りました。今年の抱負を語れた方も語れなかった方も、
健康で楽しい一年を過ごしましょう。

JTCOの今年の抱負は、より多くの方々にコンタクトを持たせていただき、日
本の伝統の新しさ、素晴らしさを一人でも多くの皆さまに知っていただくこ
とです。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/

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