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JTCO日本伝統文化振興機構
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JTCOメルマガ『風物使』

2010年12月27日 配信
「柚子の香りに雪和む」~ 季節の使い・JTCO『風物使』冬至号

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  「柚子の香りに雪和む」~ 季節の使い・JTCO『風物使』冬至号
    vol.13 2010年12月27日発行(旧暦 11月22日・霜月)

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 いている個人/団体/法人様にお送りしています。         
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拝啓
冷え込みもグッと厳しくなり、多くの地域から風雪の便りが届く今日この
頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。大掃除に年賀状、正月飾りなど、
新年を迎える準備もクライマックス。よい年の瀬を迎えましょう。

※お詫び※
メール配信システムの不具合により、前回のメールに余分なタグが挿入さ
れておりました。読みにくい状態でありましたこと、心よりお詫び申し上
げます。


+‥‥+ 2010年冬至号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・季節の祭り…………… お供えを準備する神聖な行事:『餅つき』
 ・旬の味………………… 美容と健康に効果抜群:『ユズ(柚子)』
 ・季節の花……………… 春に先駆けて香る花:『ロウバイ(蝋梅)』
 ・JTCOからのお知らせ… 水墨画デモ&講座参加者募集中!1月29日(土)
 ・編集後記


○o 季 節 の 祭 り ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

お供えを準備する神聖な行事:『餅つき』

2010年もいよいよ押し迫ってきました。新年に歳神さまをお迎えするための
大掃除に注連縄(しめなわ)、門松などの正月飾り。そして忘れてはならな
いのがお餅ですね。

今では地域や会社などの行事でのみ行われる餅つきですが、かつては農家な
どではそれぞれの家庭で行われていました。餅つきは神様へのお供えを準備
する神聖な行事であると考えから、餅つきを行う場所を塩で清めたり、清浄
な区域であることを示すための注連縄を臼に張ったりして行われるものだっ
たそうです。

正月の雑煮や鏡餅に始まって、ひな祭りの菱餅、端午の節句の柏餅、春・秋
のお彼岸に出されるぼた餅やおはぎ、月見団子など、日本の行事には餅は欠
かせないものです。これは古来、米にはイネの霊力が宿っており、米から作
る餅は神聖で特別な力を与えてくれるものと考えられていたためです。

正月を迎えるための餅つきは、かつては日を選んで行われました。29日に行
うのは「苦餅」、31日に行うのは急ごしらえの「一夜餅」とされ、忌むもの
とされていました。多くは26日から28日の間に行われましたが、特に28日は
「八」が「末広がり」につながるということで好まれたのだそうです。

お供え用に円く形作る鏡餅の由来は、古来神が宿るとされていた銅鏡に似せ
たから、女性が鏡の前に飾ったから、など諸説あります。円い餅を重ねた姿
に、円満な一年を重ねるという意味も込められているようです。昔は床の間
や仏壇など家の中の大切な場所だけではなく、かまどや湯殿、厠や農具置き
場などにも備えられました。それぞれの場所に、神様が宿っていると考えた
からなのでしょうね。

今では習慣的にお正月にいただくお餅ですが、神さまとの間を取り持つお餅
のパワーを感じつつ、新しい年を迎えられたことに感謝していただきたいも
のです。


○o 旬 の 味  ━━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

美容と健康に効果抜群:『ユズ(柚子)』

12月21日の冬至には、お風呂にユズを浮かべた「柚子湯」に浸かった方もい
らっしゃることでしょう。夏から10月頃まで出回っていた「青ユズ」に代わ
って今の時期には完熟した「黄ユズ」の出番になります。

ユズは中国の揚子江上流が原産であるといわれており、日本では飛鳥・奈良
時代にはすでに栽培されていたという記録が残っています。平安時代には
中国語の「柚(ユウ)」に倣って「柚(ユ)」と呼ばれており、これは本来
ユズの木を指します。「柚の実」という意味の「柚子」も中国語の「柚子
(ユウヅィ)」から取られたもので、江戸時代以降はこう呼ばれるようにな
ったようです。

冬至にユズ湯に入る習慣は、江戸時代に菖蒲湯と並ぶ銭湯の薬湯サービスの
一つとして始まったのだそうです。「冬至」を「湯治(とうじ)」に、「柚
子」に「融通」をかけて「元気で融通よく行きましょう」という意味を込め
たそうですから、いかにも江戸っ子らしいですね。

最近では、欧米のスパでユズのコスメが人気という話を聞くこともあります
が、ユズの芳香は精神をリラックスさせる効果があり、ユズの皮に含まれる
成分は血行促進、疲労回復、保湿などの働きがあるとのことですから、バス
タイムにユズというのは理に叶ったことなのですね。

また、ユズに豊富に含まれる栄養素には、免疫力を高め肌を美しく保つビタ
ミンCや、その吸収を助けるビタミンP、整腸作用のあるペクチン、疲労回
復に役立つクエン酸などがあります。まさにユズは、外からも内からも冬の
身体を守ってくれる優れた果実なのです。

ユズ茶、お漬物や焼き物の風味付け、ユズ胡椒、そしてユズ湯。冬の味覚を
楽しませると同時に身体を温め美しく保つお手伝いをしてくれるユズ。毎日
の生活に採り入れない手はありませんね。


▼ゆべし(徳島県)
徳島県の特産品、ユズの皮を刻んで調味料とともに煮詰めた保存食です。
http://www.piconet.co.jp/magazine/recipe/133.html



○o 季 節 の 花 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

春に先駆けて香る花:『ロウバイ(蝋梅)』

「しらしらと 障子をとほす 冬の日や 室(へや)に人なく 臘梅の花」
(窪田空穂『青朽葉』)

(訳:ある冬の日、障子を通してやわらかな陽が差し込む部屋に、蝋梅の花
だけが静かに香っています)

1~2月頃、馥郁(ふくいく)とした香りを漂わせて咲く、明るい黄色のロウ
バイの花。「梅」という字が入っていますが、ウメのなかまではなく、ロウ
バイ科の落葉低木です。

原産地である中国では、古くからウメ・スイセン・ツバキ(中国では山茶
花)と並び、「雪中四友」として愛されてきましたが、日本には朝鮮経由で
江戸時代に入ってきたとされています。

ウメよりも少し早い真冬に咲き始め、その名の通り蝋細工のような光沢と質
感を持ちます。ウメのように芳香を放ちながら枝に直接咲くこと、また、
「臘月(臘=つなぎ合わせる、旧年と新年をつなげる月の意)」とも呼ばれ
る旧暦の12月に咲くことから、「蝋梅(もしくは臘梅)」と名づけられたよ
うです。

英語では、”Winter Sweet”と呼ばれ、学名はギリシャ語の”cheimon”
(=冬)と”anthos”(=花)に由来する”Chimonanthus”といいます。
「甘く香る早春の花」ということなのでしょう。

江戸時代には珍しかったロウバイも、今では日本全国で見られるようになり
ました。各地にロウバイの名所となっている公園や植物園、またはロウバイ
園がありますから、お散歩やドライブのついでに早春の香りを楽しんでみて
ください。


○o JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

ご参加お待ちしております!2011年1月29日(土)水墨画のデモ&体験講習

JTCOでは、国際墨画会さまのご協力を得て、新年の1月29日(土)の13:30よ
り、虎ノ門で気軽にご参加いただける水墨画のデモ&体験講座を開催いたし
ます。

来年こそは自筆の墨絵で素敵な年賀状を送りたい、ちょっと絵に挑戦してみ
たいと思っている方、ダイナミックで描くのに時間もかからない水墨画は、
忙しい方にもぴったりです。ふるってご参加ください。

詳細はWebでご確認ください:
http://www.jtco.or.jp/plan/?act=detail&id=15


○o 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……


『風物使』第13号(2010年冬至号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

先日、友人たちと鍋パーティをやるということになったので、恒例のユズ胡
椒作りをして持っていきました。作り方は簡単。ユズの皮と青唐辛子を細か
く刻んで食塩を加え、すり鉢ですって出来上がりです。手作りするユズ胡椒
は、ユズの香りがみずみずしく、買ってくるものとはまったく別物です。

その日はなぜか鍋が焼肉になってしまったのですが、それでもユズ胡椒は大
活躍。お肉の味を引き立てるさっぱりとした香味が好評でした。みなさんも
ぜひお試しくださいね。

本年はご愛読ありがとうございました。来年もリニューアルを加えながら、
皆さんに季節の便りをお届けしていきますので、引き続きご愛読のほどお願
い申し上げます。どうぞよいお年をお迎えください。


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

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〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/

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