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JTCOメルマガ『風物使』

2014年12月18日 配信
「結ぶ熨斗に心見る」~ 季節の使い・JTCO『風物使』大雪号

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 「結ぶ熨斗に心見る」~ 季節の使い・JTCO『風物使』大雪号
    vol.73 2014年12月18日発行(旧暦 10月27日・神無月)

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 いている個人/団体/法人様にお送りしています。
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拝啓

今年も残すところあと少しとなり、年の暮れも近づいてまいりました。今年は
みなさまにおかれましてはどのような年になりましたか?2015年を迎えた時に
2014年は良い年だったと思えるように、一日一日を大切に生きていきたいです
ね。

+‥‥+ 2014年大雪号  目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ………   【風習】一年の感謝を込めて贈る:お歳暮
 ・季節の行事…………   早池峰神楽(大償神楽)舞納め
[岩手県花巻市]
 ・和遊苑 おすすめの一品 伝統工芸品で伝える、感謝の心。
 ・JTCOからのお知らせ   文化コラムを追加しました
~生活の中の伝統 ― 冬至 ―~
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…


【風習】一年の感謝を込めて贈る:お歳暮

年の暮れも近づくこの時期に、お歳暮を頂く家も多いのではないでしょうか。
お歳暮は、お世話になった方々への一年間の感謝の気持ちを年の暮れにする贈
り物で、正式には「歳暮の礼」といいます。(*1)

歳暮の礼とは、中国の風習が起源だと言われています。中国では1月15日を上
元、7月15日を中元、10月15日を下元といい、天の神を祭る日とされていまし
た。この風習が伝播されると、日本では日本古来の先祖の霊をお迎えするため
に必要な供物を、嫁いだり分家した親せきが本家に贈ったりまたは近所やゆか
りのある方々に贈り合う行事として発展していきました。

江戸時代の元禄期には、武士の組織でもある組合の頭に日頃のお礼と感謝を込
めてお歳暮が贈られるようになりました。その後、この風習が商人にも広まり、
得意先やお世話になった人々に贈られるようになりました。今日の商店が年末
に配る、店の名前入りの手ぬぐいやカレンダーなどは当時の名残などとも言わ
れています。

1688年に刊行された日本歳時記には下記の記載が見受けられます。

「下旬の内、親戚に贈物して歳暮を賀す。また知れるところの鰐寡孤独貧窮困
苦の者にも、我が力に随って財物を賑わうべし。あるいは我にかつて恩恵ある
人、師伝となれる人、我が身および家人の病よ療せし医師などのも分に随いて
厚く物を贈るべし」
(訳:年末には親戚に贈り物として歳暮を贈りましょう。孤独で貧困に苦しん
でいる人、昔お世話になった人、師匠や先生や組頭、自分や身内の病を治して
くれた医師にも日ごろの感謝を最大限に込めて、厚く贈り物を贈りましょ
う。)
このように、歳暮は日頃お世話になった多くの人々に贈られるようになりまし
た。

現在では、日頃お世話になった人々や会社の上司、部下、友人、仲間にも日ご
ろの感謝を込めて贈る年中行事として歳暮の礼の風習が引き継がれています。
お歳暮には、のしや水引が使われていますが、これらには「魂を贈り物に結び
とめる」という大切な意味合いが込められています。日本古来の結ぶ事によっ
て魂を宿らせる「結びの信仰」と深く関わり合いがあります。ですので、のし
や水引をつけて贈ったお歳暮は単なる物品ではなく、贈り主の感謝の気持ちが
込められた神聖なものとなるのです。

のしは、「のしあわび」と言われあわびを薄くむいて乾かし、竹筒など円筒形
のもので伸ばしたものが元祖なのだそうです。古くから、不老不死や、長寿、
商売繁盛を願って贈られるそれは、贈る者を贈られる者も贈り物の中で最高級
品のものでした。現在ではセルロイドや樹脂などで出来たものに代用されてい
ますが、本物のあわびが使われていた事を考えると、いかに気持ちが込められ
て大切に贈られていたのかと思います。(*2)

お歳暮を贈るときには、贈る品物の内容や金額に目を向けがちではありますが、
心を込めて日頃の感謝を贈ると言う気持ちを大切にしたいですね。また、お歳
暮を頂いたときにも贈り主からの思いを大切に受け取りたいですね。

<参考文献>
*1 お肉良い肉ドットコム, お歳暮の基本,
http://www.oniku1129.com/hpgen/HPB/entries/213.html
*2 兵吉屋, 熨斗って何?, http://hyoukichiya.com/noshi.html


,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

早池峰神楽(大償神楽)舞納め
[岩手県花巻市] (12月21日・日曜日)

1年の締めに神様に感謝をあらわすため、優雅な舞の大償神楽が奉納されます。
場所は、早池峰神社参集殿、神楽の館で執り行われます。早池峰神楽は大償
(おおつぐない)と岳(たけ)の2つの神楽座の総称で、昭和51年(1976年)5月
4日、国の重要無形民俗文化財に指定されました。また、平成21年(2009年)9月
30日には、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「無形文化遺産代表一覧表」
に記載され、人類共通の遺産として世界に認められました。

花巻市「早池峰神楽(大償神楽)舞納め」
http://www.city.hanamaki.iwate.jp/kanko/704/p004037.html


,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥

クリスマスプレゼント、お歳暮、お年賀に。伝統工芸品の良さをあの方へ。
伝統工芸品オンラインショップ・和遊苑
http://wayouen.jp/

当機構のオンラインショップ和遊苑では、兵庫県の姫革(白なめし革)、神奈
川県の寄木細工、東京都の印伝、高知県の和紙製品であるレターセットをお取
扱いしております。クリスマスのプレゼントや、年末年始のお歳暮やお
年賀に心を込めてみなさまの大切な方への贈り物としていかがでしょうか?
贈答用のラッピングも承ります。ご要望の際は、注文時の備考欄にてご連絡く
ださいませ。


,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

文化コラムを追加しました!

12月の伝統行事の1つに冬至があります。2014年の節目の冬至の意味や行事の
楽しみ方などが盛りだくさんです。是非、皆様もご参考にしていただきこの時
期ならではの日本の文化を味わって頂けたら幸いです。

生活の中の伝統 ― 冬至 ―
http://www.jtco.or.jp/column/readings/?act=detail&id=67


,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第73号(2014年大雪号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

発行までにお待たせをしてしまい申し訳ありませんでした。大雪という節季の
名の通り、北海道や北日本から西日本の広範囲にかけて暴風や大雪に見舞われ
たと、ニュースで耳にしました。これからもますます寒くなり、天気の変化に
注意をしなくてならない時期に入りましたが、どうか皆様も、気をつけてお過
ごしになってください。


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/
編集責任者: 小坂 典子

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