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JTCO日本伝統文化振興機構
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JTCOメルマガ『風物使』

2014年11月20日 配信
「幼子の 命尊ぶ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』小雪号

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 「幼子の 命尊ぶ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』小雪号
    vol.72 2014年11月20日発行(旧暦閏 9月28日・長月)

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 ジンにお申し込みくださった方、もしくは当機構活動にご協力いただ
 いている個人/団体/法人様にお送りしています。
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拝啓

すっかり寒くなり、マフラーが手放せない今日この頃、皆さまいかがお過ごし
でしょうか。乾燥注意報が発表されているので、保湿対策などを万全にして、
冬の寒さを乗り越えて行きましょう。


+‥‥+ 2014年小雪号  目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ………   【行事】子の成長を皆で祝う:『七五三』
 ・季節の行事…………   防府天満宮御神幸祭(裸坊祭)[山口県防府市]
 ・和遊苑 おすすめの一品 【箱根寄木細工】パスケース
 ・JTCOからのお知らせ   取材記事をアップしました~建具の小清水~
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…

【行事】子の成長を皆で祝う:『七五三』

「袴着や子の草履とる親ごゝろ」(小西 来山)

(訳:袴着で子供の草履をとって渡す。我が子の成長をお祝いできる事が本当
に幸せだ。)

七五三は、子供が三歳、五歳、七歳になった年に子供と親が揃って神社にお参
りし、子供が健やかに成長した事を感謝し、将来の幸せを願う行事です。人生
の通過儀礼の一つでもあり、「七五三の祝い」や「子供の歳祝い」などとも呼
ばれています。一般的には、男の子は三歳と五歳、女の子は三歳と七歳の時に
お祝いします。(*1)

七五三の行事の原形は、平安時代に遡ります。宮中や公家社会において、縁起
の良い奇数の三歳、五歳、七歳の年に子供の成長を祝う儀式が行われるように
なりました。室町時代になると、男女三歳の「髪置き(かみおき)の儀」、男
子五歳の「袴着(はかまぎ)の儀」、女子七歳の「帯解き(おびとき)の儀」
というようにそれぞれの儀式としてお祝いされるようになりました。

「髪置きの儀」とは、生後剃っていた髪を三歳の11月吉日から伸ばす、赤子か
ら幼児へと成長した事を祝う御祝いです。「袴着の儀」とは、親以外の袴親が
子供を恵方にむかって立たせ袴を初めて履かせる男の子のお祝いです。「帯解
きの儀」とは、幼児用の付け紐の着物から、大人と同じ帯をしめた着物の着付
けに変える儀式で、女児から子供への成長のお祝いです。(*1)(*2)

これらの儀式は、11月中の吉日中にそれぞれ別々に取り仕切られるのが一般的
でした。後に、江戸時代に3代将軍徳川家光が虚弱な体質であった徳川綱吉
(幼名:徳松)への無事の成長を願い、袴着の儀を11月15日行った事から、一
般的にこの日に定着したと言われています。また、七五三とよばれるようにな
ったのは江戸時代中期以降であり、儀式も一体化され、同じ日に取り仕切られ
るようになったとのことです。現在では、15日に限らず、10月~11月中の吉日
に行う家庭が多いとのことです。

このように昔から七、五、三という区切りで子供の成長をお祝いしていたのは、
子供が成長するまでの死亡率が高かった事が背景とされています。特に、七歳
が大きな節目とされており、七歳のお祝いは「氏子入り」といって氏神様から
氏子として認めてもらう大切な意味を持っていました。

子供の成長に関する人生儀礼は、誕生から3日目のミツメ、7日目のお七夜、そ
れから七五三へと続きます。これらの儀式に共通している事は、子供のいのち
を尊く思い、成長に喜び、感謝してきた歴史です。特に、これらの儀式は親だ
けではなく、祖父祖母、親戚、近所の人々などをお招きし、共にお祝いをして
きたと言われています。

幼子が成長出来るのが希少だった時代だからこそ、お祝いは家族やその周りの
社会をも巻き込む一大行事でもあり、喜びも一塩だったのではないでしょうか。
私たちも、誰もが多くの人々によっていのちの成長を見守って頂き、大切にさ
れてきた事でしょう。神社では今まさに七五三のお祝いが至る所で行われてい
ます。今度は私たちが小さないのちの成長を見守っていきたいですね。

<参考文献>
*1竹中敬明. 四季の年中行事と習わし.近代消防社,2010.
*2 暮らし歳時記, 七五三,
http://www.i-nekko.jp/gyoji/2012-111509.html


,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

防府天満宮御神幸祭(裸坊祭)
[山口県防府市] (11月22日・土曜日)

日本三天神の一つ、防府天満宮の大祭です。寛弘元年(1004)10月15日、一条
天皇が初めて北野社に行啓された時、同時に勅使が防府天満宮に遣わされたこ
とに由来する神事です。西日本屈指の荒祭りとしも有名で、白装束姿の男たち
がかけ声をあげながら勝間の浦の御旅所まで練り歩く様は壮観です。

山口県防府市「防府天満宮御神幸祭(裸坊祭)」
http://www.city.hofu.yamaguchi.jp/site/kankou-site/hadaka.html


,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥

【箱根寄木細工】パスケース
http://wayouen.jp/?mode=cate&cbid=1488752&csid=2

暦の上では小雪となり、しんしんと寒さの募る季節になりました。そんな今の
時期にお勧めなのが、今回ご紹介する【箱根寄木細工】パスケースです。天然
木の色調豊かな柄で、手にすると温かみを感じます。牛革でしっかりとライニ
ングしてあるのにも関わらず、リーズナブルな価格でご提供させて頂いており
ます。毎日の通勤・通学、大切な方への贈り物 に、是非ご検討ください!少
し早いですが、クリスマスの贈り物にもお勧めです。


,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

取材記事が追加されています!

皆さまは、『建具』という言葉をご存知ですか?呼び方は『たてぐ』と言い空
間を仕切る障子、襖、戸などの総称を指します。大正初期から建具業を生業と
してきた『建具の小清水様』への取材記事を追加しました。日本の風土に寄り
添う形で進化してきた建具のお話しを、是非皆さまにも知っていただきたいと
思います!

快適な生活空間を造る~建具の小清水
http://www.jtco.or.jp/tradition_report/?id=15


,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第72号(2014年小雪号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

先日、テレビで日本の伝統建築について特集している番組を視聴しました。番
組内で釘を使わず木同士を組み合わせる『木組み』を取り上げていました。木
組みの特徴として、例えば土が地面に直接触れる柱であっても、腐食した部分
だけを取り外し、新しい木材に取り換える事が出来る事を紹介していました。
全て取り壊すのではなく最小限の腐食箇所だけを取り換えられるので、木製の
伝統建築は半永久的に長持ちするのだそうです。上記で取り上げた建具も然り、
日本の伝統建築を見習って、私たちも限りある資源を大切にしていきたいです
ね。

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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/
編集責任者: 小坂 典子

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