NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。

JTCO日本伝統文化振興機構
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JTCO: Japanese Traditional Culture Promotion & Development Organaization
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JTCOメルマガ『風物使』

2014年11月07日 配信
「金色の葉に 愛贈る」~ 季節の使い・JTCO『風物使』立冬号

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 「金色の葉に 愛贈る」~ 季節の使い・JTCO『風物使』立冬号
    vol.71 2014年11月07日発行(旧暦閏 9月15日・長月)

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 ジンにお申し込みくださった方、もしくは当機構活動にご協力いただ
 いている個人/団体/法人様にお送りしています。
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拝啓

朝昼は暖かくも、夕方からは秋寒を感じる今日この頃、皆さまいかがお過ごし
でしょうか。 北日本から東日本にかけて紅葉が見頃になってきました。是非、
みなさまもこの休日は木々の葉の彩を見にいかれてはいかがでしょうか。

+‥‥+ 2014年立冬号  目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ………   【植物】愛と生命のシンボル:イチョウ
 ・季節の行事…………   三嶋神社夜祭り[群馬県藤岡市]
 ・和遊苑 おすすめの一品 【姫革・白なめし革】ブックカバー
 ・JTCOからのお知らせ   工芸品館・文化館に記事を続々アップ!
 ・編集後記

,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…

【植物】愛と生命のシンボル:イチョウ

「金色(こんじき)の小さき鳥の形して銀杏(いちょう)散るなり夕日の丘
に」(与謝野晶子)

(訳:銀杏の葉が、まるで金色色に輝く小鳥のような形をして、夕日に照らさ
れながらひららひらと舞い落ちていくよ。)

秋も深まり、日本各地で葉が美しく色づく紅葉の時期になってきました。赤く
染まるモミジやカエデ、褐色に染まるケヤキやブナ、黄色く染まるイチョウや
ポプラなど、様々な色や種類の木々の紅葉を楽しめます。特にイチョウは2007
年の国土交通省の調査によると、街路樹として57万本も植えられており、樹種
別では日本最多本数です。水分を多く含み耐火性に非常に強い性質があること
から、古くから防災としての役割も担っていました。(*1)

イチョウは、古生代末期、ベルム紀(約2億9,900万年前から約2億5,100万年
前)に起源を持ち、『生きた化石』ともよばれている裸子植物のひとつです。
中生代には、イチョウの果実を食す草食恐竜によって、種子が種蒔され、世界
各地に広まりました。しかし、新生代には被子植物の出現や種蒔を担っていた
恐竜の絶滅により、衰退していきます。その中でも唯一生き残ったのが中国南
部の浙江省天目山のイチョウだと言われています。(*2)

日本には中国または朝鮮半島から鎌倉時代に仏教の伝来とともに渡来されてき
ました、樹齢700年とも言われている国指定天然記念物の熊本県熊本市の下田
のイチョウなどはこの時代に植樹されました。因みに、中国ではイチョウの葉
の事を中国語で“鴨脚” (ヤアチャオ)と呼ぶのですが、その発音が日本人
にはイチョウと聞こえたことから、イチョウと呼ぶようになったという説があ
ります(*1)

日本に伝来されたイチョウは、その後江戸時代に長崎でイチョウを見たドイツ
人のエンゲルベルト ケンプファーによって種が運ばれ、オランダのユトレヒ
トの植物園に植えられました。18世紀半ば、ドイツに移植されたイチョウの木
をみて、かの有名なゲーテは1815年に66歳の時に25歳も若い恋人ヴィレマーレ
婦人に恋文を庭先のイチョウの葉と共に贈ったのだそうです。(*3)彼は、
イチョウの葉が二筋に割れて1枚に繋がっている形態を、2人が一心同体であ
るという男女の愛の証と考えていたのです。その後二人は出会う事はありませ
んでしたが、このエピソードからドイツではイチョウは愛と友情のシンボルと
して親しまれているのだそうです。

日本では、イチョウは前述の通り耐火性に優れているので、数々の火災や戦火
を逃れ古くから防災の役目を担ってきました。その性質から、多くの地域では
復興の象徴として信仰されてきました。例えば茶道の裏千家では、シンボル
マークや家紋としてイチョウの紋が使われています。(*4)利休の孫の宗旦
が今日庵に植栽したイチョウが、京都の度重なる大火を防災したことが由来と
されているのだそうです。

その他にも、イチョウは一度焼けてしまったり、幹が折れてしまったりしても
新たな幹を伸ばし始めるなど強い生命力があります。樹齢800年以上とも言わ
れ、2010年に強風で倒壊してしまった神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮の大イチョ
ウも若木が伸び始め、今ではすくすくと成長しているのだそうです。イチョウ
は生命や平和の象徴としても、都道府県、市町村、大学など多くの団体の指定
木として制定されており、古くから馴染みの木として親しまれているのです。

ドイツでは、愛と友情のシンボル、日本では生命力や平和の象徴。同じ木でも、
ドイツ人と日本人の着眼点が異なるのは感性の違いなのでしょうか。与謝野晶
子は舞い散るイチョウの葉を金色の小鳥と表現しましたが、今秋あなたの心に、
イチョウはどのように映るのでしょうか。

<参考文献>
*1 協同組合全日本通訳案内士連盟, イチョウ,
http://jfg.jp/green/news/icho.html
*2 多摩川の汽水域識, ref-38 「生きた化石」 イチョウの歴史,
http://www.tamagawa-kisui.jp/ref/ref38/ref-38.html
*3 ☆Yoko’s Kaffeepausen ☆, ギンコ探訪,
https://kaffeepausen.wordpress.com/tag/イチョウ
*4 つれづれ, お菓子, http://higashinum.exblog.jp/14421866/

,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

三嶋神社夜祭り
[群馬県藤岡市](11月14日・金曜日)

関東管領 上杉顯定が伊豆三嶋大社から分祀し、平井城の氏神として祀ったと
伝えられている三嶋神社の秋季大祭の前夜祭です。本社(下ノ宮)と別殿(上
ノ宮)間の神輿渡御の様子は、菊川英山筆「富士浅間神社祭礼絵巻」(市指定
重要文化財)に描かれた祭りの形態と酷似しており、祭りの原形を残していま
す。

群馬県藤岡市「三嶋様の夜祭り」
http://www.city.fujioka.gunma.jp/kakuka/f_bunkazai/misimasamanoyomaturi.html

,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

【姫革・白なめし革】ブックカバー(文庫フリーサイズ)
http://wayouen.jp/?mode=cate&cbid=1488738&csid=2

読書の秋という事で、秋の夜長にまたは通勤通学に本を読まれる方も多いので
はないでしょうか。そんな読書のお供に、姫革・白なめし革のブックカバーを
お勧めします。姫革ならではのしなやかでやわらかな手触りが読書のひと時を
より楽しいものにしてくれるでしょう。自分へのご褒美や大切な方への贈り物
に、是非ご検討ください!!少し早いですが、クリスマスの贈り物にもお勧め
です。

*今回から、当機構のショッピングサイト『和遊苑』のおすすめの品を紹介さ
せていただきます。今回は、お陰さまで当サイト一番人気となっております、
姫革・白なめし革の中からブックカバーを紹介させて頂きました。

,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

伝統工芸品館・伝統文化館に記事が続々アップされています!
ぜひご覧ください。

伝統工芸品館
http://www.jtco.or.jp/japanese-crafts/index.html

伝統文化館
http://www.jtco.or.jp/japanese-culture/index.html

,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第71号(2014年立冬号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

文化庁より、日本の『和紙 日本の手漉(てすき)技術』がユネスコ無形文化
遺産への登録勧告を受けたとの発表がありました。正式な登録発表は11月とい
うことで、これを機に日本の素晴らしい伝統技術を世界に発信していきたいで
すね。当機構のスタッフが、今回登録を受けた和紙以外にも、国内の和紙につ
いて記事をまとめたので、ぜひご覧ください。

和紙 - 日本の手漉和紙技術 -
http://www.jtco.or.jp/column/readings/?act=detail&id=65

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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/
編集責任者: 小坂 典子

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