JTCOメルマガ『風物使』
2014年10月07日 配信「虫の音愛でて 秋深まる」~ 季節の使い・JTCO『風物使』寒露号
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「虫の音愛でて 秋深まる」~ 季節の使い・JTCO『風物使』寒露号
vol.69 2014年10月07日発行(旧暦 9月14日・長月)
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いている個人/団体/法人様にお送りしています。
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日増しに秋の深まりを感じる季節となりましたが、皆さまいかがお過ごしでし
ょうか。
急に冷え込んで参りましたので、体を暖かくして風邪などひかれないように十
分にお気を付け下さい。
+‥‥+ 2014年寒露号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
・今号のテーマ……… 【生物】秋の夜長のお供に:虫の音
・季節の行事………… 伊万里トンテントン祭り[佐賀県伊万里市]
・JTCOからのお知らせ 伝統工芸品館/文化館に新規記事が続々追加!
・編集後記
,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…
【生物】秋の夜長のお供に:虫の音
「行水(ぎょうずい)の 捨てどころなし 虫の声」(上島鬼貫)
(訳: 初秋の暑さを逃れ、体を清めるために使った水もここには捨てる場所
がない。沢山の虫達が心地良い音楽を奏でていて、鳴き声を止めてしまうには
あまりにも惜しいから。)
夜になり虫の声を聴くと、秋も深まってきたのだなとしみじみ感じます。俳句
で「虫」と言えば、秋に草むらで鳴く虫たちのことを指し、秋の季語となりま
す。かの有名な、童謡・唱歌「虫のこえ」(作詞・作曲 文部省唱歌)にも、
チンチロチンと鳴く松虫やリンリンと鳴く鈴虫をはじめ、多くの虫たちの愛ら
しい音色が登場します。みなさまは秋の虫と言えばどの虫を想像されるでしょ
うか。
虫の音を詠んだ歌は古くには奈良時代の万葉集に出てきます。
「庭草に村雨降りてこほろぎの 鳴く声聞けば秋づきにけり」
(作者不詳『万葉集』巻10-2160)
(訳:にわか雨が降った後、散歩に出かけると庭草の下からこほろぎの鳴く声
が聞こえてきた。だんだんと秋になってきたのだなぁ。)
万葉集では、秋に鳴く虫を蟋蟀(こおろぎ)と総称していました。その後、平
安時代に入ると清少納言の『枕草子』、紫式部の『源氏物語』にも虫の声に興
じながら酒宴を催したりする様子が書かれています。
さて、虫の奏でる音楽を愛でる文化は、江戸時代に入り全盛期を迎えます。江
戸時代には、虫聴きの名所なるものができ、庶民も武士も虫の音を聴くために
好んで出かけました。一番有名な場所は江戸城を築城した太田道灌(おおたど
うかん)の屋敷があった道灌山であり、次いで真崎(南千住の白髭橋たもと)、
隅田川東岸(牛嶋神社あたり)、三河島辺(荒木田の原あたり)、王子・飛鳥
山辺、麻布広尾のはらが虫聴きの名所でした。道灌山については、松虫が特に
多く澄んだ音が聴けたそうです。(*1)
脳の働きに関するある研究では、虫の音に心地良さを感じるのは日本人とポリ
ネシア人だけで、他の国の人々は雑音として捉えているという結果が出ている
ということです。(*2)具体的には、西洋人は右脳で日本人は左脳で虫の音
をとらえています。左脳は別名言語脳と呼ばれており、日本人は、「虫の音」
を「虫の声」として認識しているので心地良さや風情を感じるのだそうです。
私たちは時代を経ても、虫の音を愛で、秋の深まりや憂いなどの風情を感じる
事が出来ます。日本人ならではの稀有な感受性を大切にし、より一層磨いてい
きたいですね。
都心にいると、なかなか虫の音を聴く機会も少なくなりますが、休日には郊外
に「虫聴き」に行くのも良いのではないでしょうか。
<参考サイト・文献>
*1 いい東京, 道灌山の虫聴き, http://www.ee-tokyo.com/edo/edo-meisyo-g
endai/nippori-kaiwai/doukanyama/doukanyama.html
*2 NAVERまとめ, 秋の虫の声が心地いいのは日本人だけ?音と脳の働きにつ
いて, http://matome.naver.jp/odai/2137825084606568301
ほか
,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……
伊万里トンテントン祭り
[佐賀県伊万里市](10月24日~10月26日)
日本三大けんか祭りの一つに数えられるお祭りで、江戸時代より続く伊萬里神
社の例祭です。「トンテントン」という太鼓の音を合図に、御輿と団車が激し
く衝突しあいます。クライマックスの「川落とし合戦」では、双方が組み合っ
たまま伊万里川に落ち、陸に上がるまでの早さを競います。男たちの荒々しい
競り合いに、祭りの興奮は最高潮に達します。
社団法人佐賀県観光連盟「あそぼーさが」
http://asobo-saga.jp/event/detail.html?id=459
,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……
伝統工芸品館・伝統文化館に続々と新規記事が追加されています!
6月に新しいスタッフが参加して以来、毎月10件以上の新規記事が追加されて
おります。あなたの街の工芸品や、お祭りも紹介されているかも。ぜひご覧く
ださい。
伝統工芸品館
http://www.jtco.or.jp/japanese-crafts/index.html ※PCサイト
伝統文化館
http://www.jtco.or.jp/japanese-culture/index.html ※PCサイト
,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……
『風物使』第69号(2014年寒露号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。
業務多忙により、しばらくお休みをいただいておりまして申し訳ございません
でした。久し振りの発行となりました今回は、近日当機構に参加するスタッフ
が執筆を担当いたしました。おかげさまで、今期で当機構も5期目を迎え、活
動もますます活発化してまいります。今後とも、当機構の活動へのご理解、お
よびご支援のほどなにとぞよろしくお願い申し上げます。
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【季節の使い・JTCO『風物使』】
発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日
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【発行元】
特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/
編集責任者: 小坂 典子
※本メールは「MSゴシック」などの等幅フォントで最適に表示されます。
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Copyright(C) 特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
All rights reserved.
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・今号のテーマ……… 【生物】秋の夜長のお供に:虫の音
・季節の行事………… 伊万里トンテントン祭り[佐賀県伊万里市]
・JTCOからのお知らせ 伝統工芸品館/文化館に新規記事が続々追加!
・編集後記
,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…
【生物】秋の夜長のお供に:虫の音
「行水(ぎょうずい)の 捨てどころなし 虫の声」(上島鬼貫)
(訳: 初秋の暑さを逃れ、体を清めるために使った水もここには捨てる場所
がない。沢山の虫達が心地良い音楽を奏でていて、鳴き声を止めてしまうには
あまりにも惜しいから。)
夜になり虫の声を聴くと、秋も深まってきたのだなとしみじみ感じます。俳句
で「虫」と言えば、秋に草むらで鳴く虫たちのことを指し、秋の季語となりま
す。かの有名な、童謡・唱歌「虫のこえ」(作詞・作曲 文部省唱歌)にも、
チンチロチンと鳴く松虫やリンリンと鳴く鈴虫をはじめ、多くの虫たちの愛ら
しい音色が登場します。みなさまは秋の虫と言えばどの虫を想像されるでしょ
うか。
虫の音を詠んだ歌は古くには奈良時代の万葉集に出てきます。
「庭草に村雨降りてこほろぎの 鳴く声聞けば秋づきにけり」
(作者不詳『万葉集』巻10-2160)
(訳:にわか雨が降った後、散歩に出かけると庭草の下からこほろぎの鳴く声
が聞こえてきた。だんだんと秋になってきたのだなぁ。)
万葉集では、秋に鳴く虫を蟋蟀(こおろぎ)と総称していました。その後、平
安時代に入ると清少納言の『枕草子』、紫式部の『源氏物語』にも虫の声に興
じながら酒宴を催したりする様子が書かれています。
さて、虫の奏でる音楽を愛でる文化は、江戸時代に入り全盛期を迎えます。江
戸時代には、虫聴きの名所なるものができ、庶民も武士も虫の音を聴くために
好んで出かけました。一番有名な場所は江戸城を築城した太田道灌(おおたど
うかん)の屋敷があった道灌山であり、次いで真崎(南千住の白髭橋たもと)、
隅田川東岸(牛嶋神社あたり)、三河島辺(荒木田の原あたり)、王子・飛鳥
山辺、麻布広尾のはらが虫聴きの名所でした。道灌山については、松虫が特に
多く澄んだ音が聴けたそうです。(*1)
脳の働きに関するある研究では、虫の音に心地良さを感じるのは日本人とポリ
ネシア人だけで、他の国の人々は雑音として捉えているという結果が出ている
ということです。(*2)具体的には、西洋人は右脳で日本人は左脳で虫の音
をとらえています。左脳は別名言語脳と呼ばれており、日本人は、「虫の音」
を「虫の声」として認識しているので心地良さや風情を感じるのだそうです。
私たちは時代を経ても、虫の音を愛で、秋の深まりや憂いなどの風情を感じる
事が出来ます。日本人ならではの稀有な感受性を大切にし、より一層磨いてい
きたいですね。
都心にいると、なかなか虫の音を聴く機会も少なくなりますが、休日には郊外
に「虫聴き」に行くのも良いのではないでしょうか。
<参考サイト・文献>
*1 いい東京, 道灌山の虫聴き, http://www.ee-tokyo.com/edo/edo-meisyo-g
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*2 NAVERまとめ, 秋の虫の声が心地いいのは日本人だけ?音と脳の働きにつ
いて, http://matome.naver.jp/odai/2137825084606568301
ほか
,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……
伊万里トンテントン祭り
[佐賀県伊万里市](10月24日~10月26日)
日本三大けんか祭りの一つに数えられるお祭りで、江戸時代より続く伊萬里神
社の例祭です。「トンテントン」という太鼓の音を合図に、御輿と団車が激し
く衝突しあいます。クライマックスの「川落とし合戦」では、双方が組み合っ
たまま伊万里川に落ち、陸に上がるまでの早さを競います。男たちの荒々しい
競り合いに、祭りの興奮は最高潮に達します。
社団法人佐賀県観光連盟「あそぼーさが」
http://asobo-saga.jp/event/detail.html?id=459
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6月に新しいスタッフが参加して以来、毎月10件以上の新規記事が追加されて
おります。あなたの街の工芸品や、お祭りも紹介されているかも。ぜひご覧く
ださい。
伝統工芸品館
http://www.jtco.or.jp/japanese-crafts/index.html ※PCサイト
伝統文化館
http://www.jtco.or.jp/japanese-culture/index.html ※PCサイト
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『風物使』第69号(2014年寒露号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。
業務多忙により、しばらくお休みをいただいておりまして申し訳ございません
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【季節の使い・JTCO『風物使』】
発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日
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【発行元】
特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/
編集責任者: 小坂 典子
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