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JTCOメルマガ『風物使』

2013年02月19日 配信
「白蛇が幸運呼ぶ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』雨水号

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 「白蛇が幸運呼ぶ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』雨水号
    vol.52 2013年02月19日発行(旧暦 1月10日・睦月)

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拝啓
各地より梅の開花ニュースが届く今日この頃、皆さまいかがお過ごしでし
ょうか。雪が雨に変わり始める季節も少しずつ近づいています。心だけで
も春の準備をしておきましょう。


+‥‥+ 2013年雨水号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ……… 弁天様のお使い:『蛇』
 ・季節の行事………… 木原不動尊 春季例大祭 [熊本県熊本市南区]
 ・JTCOからのお知らせ 蛇年に縁起のよい白財布を。姫革財布入荷!
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…


【生物】弁天様のお使い:『蛇』

女重ねて申しけるは、「たとひいかなる姿にてもあらばあれ日比の誼いかで
か忘るべき、ただ見参せん」と云ひければ、「さらば」とて岩屋の内より臥
丈は五六尺ばかりにて跡枕へは十四五丈もあらんと覚ゆる大蛇にて動揺して
ぞ這ひ出でたる。
(『平家物語』巻第八 三『緒環』)

(訳:女がさらに「たとえどのような姿でも、日頃のよしみをどうして忘れ
られましょう。姿をお見せください。」と言うと、「それならば」と、岩屋
の内からとぐろを巻いた姿は五六尺ほど、伸びれば十四・五丈もあろうかと
思える大蛇が、体をうねらせて這い出てきた。)

蛇年は足が速いのでしょうか、今年も早いもので2ヶ月が経とうとしていま
す。古来からからヘビは「足がないのに速く動く」「長い間食べなくても生
きていける」「脱皮をする」などの生態から、神秘的で生命力、再生力に満
ちた存在として世界各地で崇められてきました。

日本では、ネズミなどの害獣を捕食することから豊穣神として、雨や雷を呼
ぶ天候神として、また鱗で光を照り返す体、鏡を連想させる閉じることのな
い目から太陽信仰の対象として、古くから神聖視されてきました。

伝説上では、『古事記』や『日本書紀』に登場する八岐大蛇(ヤマタノオロ
チ)や蛇神の大物主が有名ですね。いずれも、水神や雷神として祀られる神
様ですが、里の娘をさらって食べるため須佐之男命(スサノオノミコト)に
退治された八岐大蛇の物語には、こんな解釈があります。

八岐大蛇は洪水の化身、娘たちは洪水を鎮めるための人柱。つまり、八岐大
蛇が娘をさらうのは河川の氾濫で、その退治は治水を意味するというもので
す。河川の氾濫を鎮めるために若い女(または男)が人柱として捧げられた
という話は各地に残っていますので、この話にはそれを回避したいという願
いもこめられていたのかもしれません。

冒頭の『平家物語』の一説は、緒方三郎維義(おがたのさぶろうこれよし)
という豊後国の武将の出自を説明するくだりです。彼の先祖は高千穂の明神
のご神体である大蛇と人間の女性との契りによって生まれたということにな
っており、平家追討を命じられた維義が、挙兵にあたりヘビの神性を利用し
た権威付けを行ったという見方もされています。

このように畏怖の対象であった一方で、ヘビは幸運の守り神として人々の生
活に根付いてきました。ことに珍しい白い蛇は昔から特別な存在でした。国
の天然記念物に指定されている「岩国のシロヘビ」は野生のアオダイショウ
がアルビノ化したものですが、体が白く目立つため捕食されやすく、野生で
その系統を保持するのは難しいにもかかわらず、高い頻度で出現するのは地
域の人々の信仰と保護の賜物と言われています。

各地の神社には蛇神をご神体としたり、ヘビを神の使いとして祀ってるとこ
ろも多く見られます。ヘビを使いとする弁財天はもともとインドの川の神で
あるサラスヴァティで、日本に入ってきてから仏教や神道に取り込まれ、宇
賀神(老人の頭と白蛇の体を持つ日本固有の神)とも習合されました。神社
の境内などで、ヘビを頭上に戴いたり、ヘビの体をした弁天さまの石像があ
るのはそのためなのです。

脱皮を繰り返して成長するヘビは再生と繁栄の象徴であるため、日本ではヘ
ビの抜け殻をお守りとして神棚に祀ったり、金運を良くするとしてお財布に
入れて持ち歩いたりすることもあります。蛇年にお財布を買い換えるとお金
がたまるとの言い伝えもありますので、この春ちょっと試してみるのもよい
かもしれませんね。


,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……


木原不動尊 春季例大祭
[熊本県熊本市南区](2月28日)

「木原不動尊」は、成田・目黒の不動尊とならぶ日本三大不動尊の一つです。
また、雨乞い伝説があり「水引き不動」とも呼ばれ、厚い信仰を受けていま
す。大祭の時には、県内外から多くの参詣者が集まり、無病息災を祈ります。

この大祭は、法要に続いて荒行が行われることで有名で、護摩木を読経しな
がら燃やし、燃え尽きた後、お経を唱えながら素足でその上を歩く「火渡
り」、そのあとは、笹を熱湯に浸し頭から浴びる「湯あび」と釜の中に座り
込む「湯立て」で荒行を終えます。

※「熊本県観光サイト なごみ紀行」より引用

http://kumanago.jp/event/?mode=detail&isEvent=1&id=430000003332



,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

蛇年に縁起のよい白財布を。姫革財布入荷!

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,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第52号(2013年雨水号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

ヘビと言えば、子供のころ動物園のふれあいコーナーで、確かアオダイショ
ウだったと思いますが、細く華奢なヘビの体を触ったことがあります。飼育
員さんの体温が伝わっていたのか、それほど冷たい印象はなく、ほんのり暖
かで、滑らかな感触だったのを覚えています。

最近は、輸入物のヘビをペットにする方もおられるので、身近にたくさんい
た昔とは違った意味で身近な動物になりつつあるのかもしれません。ヘビが
あんなに速く動く仕組みも知りたいし、どうやって食べ物を丸呑みにするの
かも不思議だし、神格化されるにふさわしい興味の尽きない生き物なのかも
しれませんね。

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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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