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JTCOメルマガ『風物使』

2013年01月29日 配信
「豆の力が悪祓う」~ 季節の使い・JTCO『風物使』立春号

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 「豆の力が悪祓う」~ 季節の使い・JTCO『風物使』立春号
    vol.51 2013年01月29日発行(旧暦 12月18日・師走)

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拝啓
冷え込み厳しく大雪のニュースも届く今日この頃、皆さまいかがお過ごしで
しょうか。暦の上ではもうすぐ立春。心だけでも春の準備をしたいものです
ね。


+‥‥+ 2013年立春号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ……… 悪を射る迎春の行事:『豆まき』
 ・季節の行事………… 長田神社追儺式 [兵庫県神戸市長田区]
 ・JTCOからのお知らせ 用途はあなた次第!洗練の箱根寄木細工グッズ!
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…


【行事】悪を射る迎春の行事:『豆まき』

「豆とりて我も心の鬼打たん」(志太 野坡(しだ やば・芭蕉の弟子))

(訳:豆を取って、自分の心の鬼をこそ打ち払おう。)

今年もあと一週間で立春を迎えます。立春・立夏・立秋・立冬と年4回ある
節日の中でも、春を迎える立春は一年の始まりとして重んじられ、立春の大
晦日にあたる2月3日には豆まきでおなじみの節分の行事が行われます。では、
なぜこの時期に豆をまいて鬼を退治するのでしょうか。

節分の豆まきは室町時代から行われていたと考えられ、江戸時代に広く庶民
の間に広まりました。豆まきは京都の鞍馬寺が発祥と言われていますが、こ
れは鞍馬に出た鬼を、毘沙門天のお告げにより炒った大豆を鬼の目に投げつ
けて退治したという話に由来します。

「豆」を使用するのは、豆を「魔目(まめ=鬼の目)」に投げつけて「魔滅
(まめ=魔を滅する)」という意味があり、炒った豆は「炒る」=「悪を射
る」という意味があります。鬼と大豆は陰陽五行説では「木火土金水」の
「金」にあたり、「金」の作用を封じる「火」で大豆を炒ることで鬼の力を
封じ込め、最後に人がその豆を食べることで鬼が退治できるというわけです。

豆まきの起源をさらに遡ると、古代中国で鬼の面をかぶった人を桃の木の弓
矢で追い払う「追儺(ついな)」という大晦日の行事にたどり着きます。こ
れが奈良時代の日本に伝わり、平安時代に盛んに行われるようになります。
追儺は「鬼儺(おにやらい)」とも言われ、平安時代には方相氏と呼ばれる
鬼退治の役人が、「鬼やらい、鬼やらい」と唱えて宮中を練り歩き、迎える
人々は弓矢で援護したり、でんでん太鼓を振って厄を祓いました。

『源氏物語』の41帖『幻』には、光源氏の孫や子が大晦日に大きな声で「鬼
やらい」をする場面があります。このあと主人公の光源氏は亡くなるのであ
り、古いものが去り、新しいものに取って代わられることが暗示されていま
す。

不思議なことに、この時期には歴史的に世界各国で死者に関わりのある祭り
が行われてきました。欧州では復活祭の前の「灰の水曜日」の時期には、若
者や子どもたちが死者の格好をして夜の町を練り歩き、北米の原住民にも日
本のお盆のように死者の魂を呼び寄せてともに踊るという風習があるそうで
す。「冬=死」であるならば、それを呼び出して追い出すことにより、「春
=新しい命」の到来を確かなものにするという意味があるのでしょう。

春の訪れ、鬼退治、世代交代などさまざまな意味を持つ節分、今年はどのよ
うに過ごしますか。冒頭の句のように、豆をまいてあなたの心の鬼を追い払
い、清清しく新しい春を迎える準備をするのも良い考えですね。



,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……


長田神社追儺式
[兵庫県神戸市長田区](2月3日)

長田神社の追儺式は室町時代から続く歴史のある神事で、神社で行われる追
儺式としては珍しいものであり、兵庫県の無形民俗文化財に指定されていま
す。
長田神社の追儺式に登場する鬼は、神々のお使いの鬼であり、神々に代わっ
て鬼が災いを追い払い、清々しい新年を迎えることを祈って踊り舞います。

※「神戸観光壁紙写真集」より引用

http://kobe.travel.coocan.jp/kobe/nagatajinja_setsubun.htm



,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

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,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第51号(2013年立春号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

昨年、パリのジャパンエキスポに足を運んでみましたが、今年はジャパンエ
キスポはアメリカ・サンタクララにも進出するそうです。イギリスでもロシ
アでも同様のイベントがあり、海外での日本文化への関心の高さは驚くばか
りです。外国の方々の片思いにならないように、日本側も積極的に応えてい
くべきと常々思います。

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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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