JTCOメルマガ『風物使』
2013年01月16日 配信「初春の野に薺咲く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』大寒号
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「初春の野に薺咲く」~ 季節の使い・JTCO『風物使』大寒号
vol.50 2013年01月16日発行(旧暦 12月5日・師走)
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拝啓
年が明けてはや3週目も半ば。皆さま1年のスタートはいかがお過ごしで
しょうか。健やかで実りある1年になりますようお祈りしております。
+‥‥+ 2013年大寒号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
・今号のテーマ……… 撫でたくなる可憐な花:『薺(ナズナ)』
・季節の行事………… 「湯かけまつり」 [群馬県吾妻郡長野原町]
・JTCOからのお知らせ 冬のレターセットキャンペーン実施中!
・編集後記
,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…
【植物】撫でたくなる可憐な花:『薺(ナズナ)』
「よくみれば薺花さく垣ねかな」(芭蕉)
(訳:いつもなら古畑あたりで見かける小さな白いナズナの花が、草庵の垣
根に可憐に咲いているよ。)
旧暦の1月7日は、今年は新暦の2月16日となりまだかなり先のことになりま
すが、すでにお正月に七草粥をいただいた方もいらっしゃるかと思います。
有名な「君がため春の野に出でて若菜摘む 我が衣手に雪は降りつつ 」
(光考天皇『古今集』)にあるように、古代には新春の若菜摘みは恒例の行
事で、雪の降るこれからの時期、かつて人々は野に出て大切な冬のビタミン
源となる野草を摘みました。
春の七草のひとつに数えられる「ナズナ」は、ちょうど今頃から5月半ばご
ろまでが花季となり、無数の小さな白い花を咲かせます。遠目にはわかりま
せんが、近くでよく見るととても可憐で可愛らしい花で、その名も「ナデシ
コ(撫子)」と同じように、撫でたいほど可愛い花という意味の「撫菜(な
でな)」から転じたという説があります。
ナズナにはカロチンやビタミンCが豊富に含まれ、日干ししたものは薬草と
して止血や解熱、下痢、目の充血などの治療に利用されてきました。七草粥
には、邪気を祓い、万病を避けるという意味がありますから、このような効
能のある野草を食べるのは実際とても理にかなっていると言えます。
「一とせに一度つまるる菜づなかな」(芭蕉)
(訳:普段は見向きもされない雑草なのに、年に一度、若菜摘みの時期には
顧みられるナズナであるよ。)
ナズナは、その実の形が三味線の撥に似ていることから、「三味線草」「ぺ
んぺん草(ぺんぺんとは三味線を弾く音)」とも呼ばれています。「ぺんぺ
ん草が生える」とは荒廃した様子を、「ぺんぺん草も生えない」とは不毛を
表すことばで、何とも荒涼とした情景を思い起こさせますが、芭蕉が感じた
ように、そんなナズナもちょっぴり注目を集めるのがこれからの若菜の季節
なのです。
そして江戸時代には、1年のうちでもう一度ナズナが注目される日がありま
した。旧暦4月8日は「潅仏会」といってお釈迦様の誕生日を祝いますが、江
戸の町ではこの日にナズナが寺の門前市で売られていました。
なぜ雑草であるナズナが売られていたかといえば、明治・大正の浮世絵師
・菊池貴一郎(四代目歌川広重)が残した『絵本江戸風俗往来』(東洋文
庫)に以下のようなくだりがあります。
「ぺんぺん草と俗称する草を売る。ぺんぺん草はこれまた毒虫の害を去ると
て、毎夜ともす行灯につり、また雪隠の隅につるし置くなり」
つまり、ナズナが虫除けのまじないとして利用されていたということです。
効果のほどはどうだったのでしょうか?
遠目には風になびくただの雑草であるナズナですが、今年は手折って家に持
ち帰り、その可憐な白い花を愛でてみたり、ビタミン源として食卓に彩を添
えてみてはいかがでしょうか。もしかすると、暖かくなると這い出してくる
虫たちを近づけない効果もあるかもしれませんよ。
,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……
川原湯温泉「湯かけまつり」
[群馬県吾妻郡長野原町](1月20日)
気温マイナス10度以下の早朝、フンドシひとつの男たちがバケツにくんだ
温泉の湯をかけあう。 400年前、突然お湯の出が少なくなり村人たちが
祈願したところ、湯量が元に戻りお湯をかけあって喜んだことが始まりとさ
れています。
見学者にもお神酒や甘酒がふるまわれ、前夜祭にはカラオケ大会も開かれま
す。 あらかじめ申し込めば参加でき、フンドシも貸し出してくれるそうで
す。あなたもこの400年の歴史をもつ奇祭に参加してみませんか。
※「日本ねっ島」より引用
http://www.piconet.co.jp/nippon-net/nippon.cgi/see/10951
,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……
レターセット冬のキャンペーン実施中!
近日アイテム追加と新ショップの立ち上げを予定しているオンラインショッ
プ『和遊苑』。新規アイテムが続々入荷していますので、アップをお楽しみ
に!
現在、冬のお便りにふさわしい素敵な江戸柄の高級土佐和紙レターセットが
キャンペーン価格に。ぜひご利用ください!
オンラインショップ『和遊苑』
http://www.piconet.co.jp/jtco/
,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……
『風物使』第50号(2013年大寒号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。
遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。12月には政権が
交代し、今後1年のわが国の動向が気になる年初めとなりました。グローバ
ル化が進展する時代だからこそ、日本とは何か、日本人であるとは何か、
ということを常に考えながら、この1年を過ごして行きたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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【季節の使い・JTCO『風物使』】
発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日
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・今号のテーマ……… 撫でたくなる可憐な花:『薺(ナズナ)』
・季節の行事………… 「湯かけまつり」 [群馬県吾妻郡長野原町]
・JTCOからのお知らせ 冬のレターセットキャンペーン実施中!
・編集後記
,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…
【植物】撫でたくなる可憐な花:『薺(ナズナ)』
「よくみれば薺花さく垣ねかな」(芭蕉)
(訳:いつもなら古畑あたりで見かける小さな白いナズナの花が、草庵の垣
根に可憐に咲いているよ。)
旧暦の1月7日は、今年は新暦の2月16日となりまだかなり先のことになりま
すが、すでにお正月に七草粥をいただいた方もいらっしゃるかと思います。
有名な「君がため春の野に出でて若菜摘む 我が衣手に雪は降りつつ 」
(光考天皇『古今集』)にあるように、古代には新春の若菜摘みは恒例の行
事で、雪の降るこれからの時期、かつて人々は野に出て大切な冬のビタミン
源となる野草を摘みました。
春の七草のひとつに数えられる「ナズナ」は、ちょうど今頃から5月半ばご
ろまでが花季となり、無数の小さな白い花を咲かせます。遠目にはわかりま
せんが、近くでよく見るととても可憐で可愛らしい花で、その名も「ナデシ
コ(撫子)」と同じように、撫でたいほど可愛い花という意味の「撫菜(な
でな)」から転じたという説があります。
ナズナにはカロチンやビタミンCが豊富に含まれ、日干ししたものは薬草と
して止血や解熱、下痢、目の充血などの治療に利用されてきました。七草粥
には、邪気を祓い、万病を避けるという意味がありますから、このような効
能のある野草を食べるのは実際とても理にかなっていると言えます。
「一とせに一度つまるる菜づなかな」(芭蕉)
(訳:普段は見向きもされない雑草なのに、年に一度、若菜摘みの時期には
顧みられるナズナであるよ。)
ナズナは、その実の形が三味線の撥に似ていることから、「三味線草」「ぺ
んぺん草(ぺんぺんとは三味線を弾く音)」とも呼ばれています。「ぺんぺ
ん草が生える」とは荒廃した様子を、「ぺんぺん草も生えない」とは不毛を
表すことばで、何とも荒涼とした情景を思い起こさせますが、芭蕉が感じた
ように、そんなナズナもちょっぴり注目を集めるのがこれからの若菜の季節
なのです。
そして江戸時代には、1年のうちでもう一度ナズナが注目される日がありま
した。旧暦4月8日は「潅仏会」といってお釈迦様の誕生日を祝いますが、江
戸の町ではこの日にナズナが寺の門前市で売られていました。
なぜ雑草であるナズナが売られていたかといえば、明治・大正の浮世絵師
・菊池貴一郎(四代目歌川広重)が残した『絵本江戸風俗往来』(東洋文
庫)に以下のようなくだりがあります。
「ぺんぺん草と俗称する草を売る。ぺんぺん草はこれまた毒虫の害を去ると
て、毎夜ともす行灯につり、また雪隠の隅につるし置くなり」
つまり、ナズナが虫除けのまじないとして利用されていたということです。
効果のほどはどうだったのでしょうか?
遠目には風になびくただの雑草であるナズナですが、今年は手折って家に持
ち帰り、その可憐な白い花を愛でてみたり、ビタミン源として食卓に彩を添
えてみてはいかがでしょうか。もしかすると、暖かくなると這い出してくる
虫たちを近づけない効果もあるかもしれませんよ。
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川原湯温泉「湯かけまつり」
[群馬県吾妻郡長野原町](1月20日)
気温マイナス10度以下の早朝、フンドシひとつの男たちがバケツにくんだ
温泉の湯をかけあう。 400年前、突然お湯の出が少なくなり村人たちが
祈願したところ、湯量が元に戻りお湯をかけあって喜んだことが始まりとさ
れています。
見学者にもお神酒や甘酒がふるまわれ、前夜祭にはカラオケ大会も開かれま
す。 あらかじめ申し込めば参加でき、フンドシも貸し出してくれるそうで
す。あなたもこの400年の歴史をもつ奇祭に参加してみませんか。
※「日本ねっ島」より引用
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誠にありがとうございました。
遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。12月には政権が
交代し、今後1年のわが国の動向が気になる年初めとなりました。グローバ
ル化が進展する時代だからこそ、日本とは何か、日本人であるとは何か、
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【季節の使い・JTCO『風物使』】
発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日
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【発行元】
特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/
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