桜に思う
2010/04/13桜に思う
自然と共生してきた日本人厳寒の中で花芽を育む後はお任せ真冬の頃は、本当に春がやって来るのかとつい思ってしまいます。しかし間違いなく今年も春がやっ てきました。そして日本の花、桜の開花前線が北上しています。
「花より団子」と言われるように、桜を肴に飲む姿がテレビで映しだされますが、なんと言っても厳寒を乗り越えて咲く、可憐な花に日本人は心惹かれ るのではないでしょうか。
葉を全て落とした木を見ると、一見命まで落としてしまったのではないかと思います。しかしその中で確実に花芽を付け気温に合わせて開花するので す。その自然の命の営みの中に自分達も生きている、いや生かされている、そう日本人は思って生きてきたのです。
あらゆる物、人と調和する原点がここにあると言って良いでしょう。
西洋思想のように自然は征服するものではなく、日本人は自然と共生するものとして捉えてきたのです。
物が豊かになって、生活が便利になって、今が楽しければ、自分さえ良ければと、人と人を繋ぐ心の部分が希薄になっています。
世の乱れは、人の心の乱れです。自然の営みを素直に謙虚に受け止め、日本人の本来の心を取り戻しましょう。
(2010/04 斎藤)