催事や絵画を後世に伝える
2012/01/07催事や絵画を後世に伝える
「無形」「記憶」も文化遺産の対象に。(日経新聞2012//1/7 エコノ探検団より)
世界遺産条約は40年前の1972年に採択された。日本の加盟はそれから20年後の1992年で、世界では125カ国目で、先進国でも遅かった。欧州と建築文化がことなり、国内の神社などは世界遺産に認められにくいとの判断があったとされる。
欧州は昔の姿がそのまま残る石つくり遺跡や建造物が多いが、日本の木造建築は補修や立替をして後世に伝えてきた。
形のあるモノを受け継ごうとした世界遺産に加え、形のない文化を守ろうと2000年に始まった「無形文化遺産」。芸能や祭事、伝統工芸技術などが対象で、現在267件ある。
世界遺産が少ないアジアやアフリカの登録も数多い。日本から「能」や「歌舞伎」など20件が選ばれている。
さらに、ユネスコは歴史上重要な文書など後世に伝える「世界の記憶」事業も始める。アンネの日記など245点が登録されているが、日本では鉱山の様子を記録した「山本作兵衛」の絵画や日記のみ。ユネスコ事務局長の松浦晃一郎さんは「世界遺産だけでなく、この仕組みも活用して欲しい」と話す。ものや自然にとどまらず、後世の残すべき人類の英知は多い。
Shugo oikawa