NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。

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薫物の時代

2010/12/14
薫物の時代

香というと平安王朝の雅びを連想するのがつねであるが、その香はすべて唐文化に学んだ薫物(たきもの)であり、東山以降の香道とは違う。「源氏物語」をはじめ平安文学がその事を物語っている。そして薫物調合の秘法をを知る事は教養の証であり、それぞれの薫物の優劣を競った。合わせものは一種薫物合わせである。 また、薫物は四季それぞれの佳香を代表する梅花・荷葉・落ち葉・侍従・菊花・黒方の六種であるが、調製者によってその材料や分量、製作法は微妙に異なるのである。ちなみに常上家は、江戸時代でもそれぞれに薫物を伝え世間で評価されている。現代でも薫物の基本的にこの伝承の中にある。 九世紀のはじめに始まる薫物は薫物合わせの流行を生み出したが、平安時代末期には世人の顰蹙を買うこともあった。仁平三年(1153年)五条坊門亭の事件はその一例である。 (転載出典 香道入門 23P・・講談社) OIKAWA