JTCOメルマガ『風物使』
2021年09月30日 配信「出雲の国に神集う」 ~季節の使い・JTCO『風物使』寒露号~
+。+゜+。+゜+。+゜+。+゜+。+゜+。+゜+。+゜+。
「出雲の国に神集う」
~季節の使い・JTCO『風物使』寒露号~
vol.125 2021年9月30日発行
(旧暦 8月24日・葉月)
+。+゜+。+゜+。+゜+。+゜+。+゜+。+゜+。+゜+。
◆このメルマガは、NPO法人日本伝統文化振
興機構(JTCO)のメールマガジンにお申し込み
くださった方、もしくは当機構活動にご協力
いただいている個人/団体/法人様にお送りし
ています。
拝啓
暑い夏を過ぎ、過ごしやすく食べ物の美味し
い季節になりました。
新米、秋野菜、魚も脂が載ってきます。爽や
かな風とともに、秋の味覚を楽しみましょう。
+‥‥‥+ 2021年寒露号 目次 +‥‥‥+
◆今号のテーマ
・【風習】神在月:神様の御前会議
◆和遊苑 おすすめの一品
・【姫革】ラウンドファスナー長財布入荷!
◆新着記事
・【長野県の伝統工芸】お六櫛
◆季節のレシピ
・【山形県の郷土料理】川ガニ汁
◆編集後記
+。+ 今 号 の テ ー マ ━━━・・‥
【風習】神在月:神様の御前会議
※本記事は、画像付きで下記ページでもお読
みいただけます。
https://bit.ly/2Y1vpcW
「十月(かみなつき) 時雨にあへるもみち葉
の 吹かば散りなむ風のまにまに」
(大伴池主『万葉集』巻八-1590)
訳:10月の時雨に打たれて、紅葉が散り行く
でしょう。風に吹かれて。
中秋の名月も終わり、早いものでもうすぐ今
年も神無月(10月)を迎えます。この「神様
がいない月」には、日本中の神様がふだんい
る持ち場を留守にして、大国主命(オオクニ
ヌシノミコト)のおられる出雲に集まり、世
の中のあらゆるご縁を話し合う「神議(かみ
はかり)」を開きます。出雲大社は縁結びの
神様として有名ですが、男女のご縁もこの会
議の議題の一つです。
神々をお迎えする出雲大社では、旧暦10月は
逆に「神在月(かみあり月)」と呼び、「神
迎祭」「神在祭」をはじめとする、お迎えの
ための様々な神事(※)を行います。この期
間、地元では神議の妨げにならないよう、歌
舞音曲を控えて静かに過ごします。
※一連の神事は旧暦に基づいて行われるため、
現代では11~12月に行われます。
●出雲に神様が集まる理由とは?
さて、この「神議」ですが、なぜ出雲で行わ
れるのでしょうか。結論から言えば、はっき
りとした理由は「わかっていない」のですが、
4つの代表的な考え方があるのだそうです。
1)陰陽説
陰陽道では、「極陰の時、極陰の場所にすべ
ての陽が集まることで世界が再生する」と言
われています。
そこで、極陰の月に当たる10月に、都から見
て極陰の方角(北西)にある出雲に、「すべ
ての陽=すべての神々」が集まることになっ
たというわけです。
2)主祭神の10月統治説
現在、出雲大社の主祭神は大国主命ですが、
かつては須佐之男命(スサノオノミコト)と
されていたことがありました。
平安初期の『古今和歌集序聞書三流抄』には、
姉である天照大神が須佐之男の素行を見かね
て、彼を養子とし10月を須佐之男に譲った、
という記述があります。
天照大神の代わりに、10月のひと月を治める
須佐之男を補佐するために神々が集まってく
るということなのかも知れませんね。
3)幽事説
『日本書紀』には、大国主命が天孫族(てん
そんぞく=大和王権を築いたとする古代勢力
の総称)に出雲の国を譲って、「顕露(けん
ろ=政治など目に見えること)」を任せる国
譲りの話が出てきます。
これにより、大国主命は、ものごとの縁や作
物の収穫など「幽事(人智を超えた目に見え
ないこと)」を司ることになり、すべての
神々は、その下知を乞うために10月に命のも
とに集うとするものです。出雲大社は、現在
にいたるまでこの考え方を継承しています。
4)イザナミ孝行説
イザナミが10月にお隠れになり、比婆山(ひ
ばやま・島根県安来市)の陵墓から出雲の佐
太(さだ)神社に遷座されたことから、10月
を「神無月」とするようになり、その法事の
ために神々が出雲に集まるという中世末頃か
らの考え方です。
本来、佐太神社の祭神は、大国主の命を救っ
たとされる佐太大神(サダノオオカミ)です
が、中世~明治まではイザナギ・イザナミが
主祭神でした。佐太神社の裏山には、イザナ
ミの墓とされる磐座(いわくら)が鎮座して
います。
●出雲を舞台にしたアニメ『神在月のこど
も』
神在月にまつわる4つの説、いかがでしたで
しょうか。
出雲という土地は、調べれば調べるほど奥が
深く興味を掻き立てられるところです。古代
出雲については、また稿を改めて書いてみた
いと思います。
2021年10月8日に、出雲を舞台にしたアニ
メーション『神在月のこども』が公開されま
す。神在月に相応しい作品と思われますので、
ぜひご家族で劇場に足を運び、神々の会議に
思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
▽神在月のこども 公式サイト
https://kamiari-kodomo.jp/
▼参考サイト(2021年9月27日参照)
出雲大社
https://izumooyashiro.or.jp/
佐太神社
http://www.sadajinjya.jp/
出雲大社の神議(かみはかり)
(島根県ホームページ)
https://www.pref.shimane.lg.jp/admin/seisaku/koho/esque/2014/93/01.html
2 なぜ神々は出雲に集うとされているので
すか。(島根県立古代出雲歴史博物館)
https://www.izm.ed.jp/cms/cms.php?mode=v&id=282
ほか
+。+ 和遊苑 おすすめの一品 ━━━・・‥
【姫革】ラウンドファスナー長財布入荷!
抜群の収容力と使いやすさで、ファンが多い
ラウンドファスナー型長財布。7つの大ポケ
ットと12か所のカードポケットで、お財布の
整理整頓もバッチリ叶います。
↓↓販売商品一覧はこちら↓↓
https://bit.ly/3upHftx
+。+ 新 着 記 事 ━━━━━━━・・‥
【長野県の伝統工芸】お六櫛
「お六櫛 」とは、わずか10cmにも満たない
幅に、およそ100本もの歯が挽かれた実用的
な梳き櫛です。
お六櫛の産地となっている長野県木曽郡木祖
村は木曽川最上流の村で、豊かな森林と水源
に恵まれ「源流の村」として発展しています。
♪♪♪続きはこちら♪♪♪
https://bit.ly/3BAYEC3
※PCサイトのみ。スマートフォンでも閲覧で
きます。
+。+ 季 節 の レ シ ピ ━━━・・‥
【山形県の郷土料理】川ガニ汁
山形県を流れる最上川では、モクズ蟹が採れ、
秋になると蟹が大きくなって旬を迎えます。
川蟹ですが泥臭くなく、カニミソが濃厚で、
身も美味しく、カニの出汁が出たお汁は最高
です。
♪♪♪レシピはこちら♪♪♪
https://bit.ly/3ux2R7C
※PCサイトのみ。スマートフォンでも閲覧で
きます。
+。+ 編 集 後 記 ━━━━━━━・・‥
前号で、「朝日とともに起き、夕日とともに
寝る」生活を標榜していた筆者ですが、今月
から鳥さんと生活することになり、図らずも
朝日より前に起きる生活になりました(笑)。
さすがに夕日とともに寝ることは叶いません
が、朝早いので夜更かしができなくなり、鳥
のような生活を送っています。
我ながら時間の使い方が上手くなったと言い
聞かせ、すっかり僕と化した自分を慰めてい
ます(涙)。
+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+
【季節の使い・JTCO『風物使』】
発 行 日:月1~2回発行
発行開始日:2010年6月18日
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【発行元】
特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL: 03-3431-5030 FAX: 03-6450-1555
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/
※本メールは「MSゴシック」などの等幅フォントで最適に表示されます。
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Copyright(C) 特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
All rights reserved.
「出雲の国に神集う」
~季節の使い・JTCO『風物使』寒露号~
vol.125 2021年9月30日発行
(旧暦 8月24日・葉月)
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かな風とともに、秋の味覚を楽しみましょう。
+‥‥‥+ 2021年寒露号 目次 +‥‥‥+
◆今号のテーマ
・【風習】神在月:神様の御前会議
◆和遊苑 おすすめの一品
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◆新着記事
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◆季節のレシピ
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◆編集後記
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【風習】神在月:神様の御前会議
※本記事は、画像付きで下記ページでもお読
みいただけます。
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「十月(かみなつき) 時雨にあへるもみち葉
の 吹かば散りなむ風のまにまに」
(大伴池主『万葉集』巻八-1590)
訳:10月の時雨に打たれて、紅葉が散り行く
でしょう。風に吹かれて。
中秋の名月も終わり、早いものでもうすぐ今
年も神無月(10月)を迎えます。この「神様
がいない月」には、日本中の神様がふだんい
る持ち場を留守にして、大国主命(オオクニ
ヌシノミコト)のおられる出雲に集まり、世
の中のあらゆるご縁を話し合う「神議(かみ
はかり)」を開きます。出雲大社は縁結びの
神様として有名ですが、男女のご縁もこの会
議の議題の一つです。
神々をお迎えする出雲大社では、旧暦10月は
逆に「神在月(かみあり月)」と呼び、「神
迎祭」「神在祭」をはじめとする、お迎えの
ための様々な神事(※)を行います。この期
間、地元では神議の妨げにならないよう、歌
舞音曲を控えて静かに過ごします。
※一連の神事は旧暦に基づいて行われるため、
現代では11~12月に行われます。
●出雲に神様が集まる理由とは?
さて、この「神議」ですが、なぜ出雲で行わ
れるのでしょうか。結論から言えば、はっき
りとした理由は「わかっていない」のですが、
4つの代表的な考え方があるのだそうです。
1)陰陽説
陰陽道では、「極陰の時、極陰の場所にすべ
ての陽が集まることで世界が再生する」と言
われています。
そこで、極陰の月に当たる10月に、都から見
て極陰の方角(北西)にある出雲に、「すべ
ての陽=すべての神々」が集まることになっ
たというわけです。
2)主祭神の10月統治説
現在、出雲大社の主祭神は大国主命ですが、
かつては須佐之男命(スサノオノミコト)と
されていたことがありました。
平安初期の『古今和歌集序聞書三流抄』には、
姉である天照大神が須佐之男の素行を見かね
て、彼を養子とし10月を須佐之男に譲った、
という記述があります。
天照大神の代わりに、10月のひと月を治める
須佐之男を補佐するために神々が集まってく
るということなのかも知れませんね。
3)幽事説
『日本書紀』には、大国主命が天孫族(てん
そんぞく=大和王権を築いたとする古代勢力
の総称)に出雲の国を譲って、「顕露(けん
ろ=政治など目に見えること)」を任せる国
譲りの話が出てきます。
これにより、大国主命は、ものごとの縁や作
物の収穫など「幽事(人智を超えた目に見え
ないこと)」を司ることになり、すべての
神々は、その下知を乞うために10月に命のも
とに集うとするものです。出雲大社は、現在
にいたるまでこの考え方を継承しています。
4)イザナミ孝行説
イザナミが10月にお隠れになり、比婆山(ひ
ばやま・島根県安来市)の陵墓から出雲の佐
太(さだ)神社に遷座されたことから、10月
を「神無月」とするようになり、その法事の
ために神々が出雲に集まるという中世末頃か
らの考え方です。
本来、佐太神社の祭神は、大国主の命を救っ
たとされる佐太大神(サダノオオカミ)です
が、中世~明治まではイザナギ・イザナミが
主祭神でした。佐太神社の裏山には、イザナ
ミの墓とされる磐座(いわくら)が鎮座して
います。
●出雲を舞台にしたアニメ『神在月のこど
も』
神在月にまつわる4つの説、いかがでしたで
しょうか。
出雲という土地は、調べれば調べるほど奥が
深く興味を掻き立てられるところです。古代
出雲については、また稿を改めて書いてみた
いと思います。
2021年10月8日に、出雲を舞台にしたアニ
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出雲大社
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佐太神社
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出雲大社の神議(かみはかり)
(島根県ホームページ)
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2 なぜ神々は出雲に集うとされているので
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川蟹ですが泥臭くなく、カニミソが濃厚で、
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ます(涙)。
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発 行 日:月1~2回発行
発行開始日:2010年6月18日
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