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JTCOメルマガ『風物使』

2017年11月09日 配信
「清き色紙に晩秋映る」~ 季節の使い・JTCO『風物使』立冬号

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 「清き色紙に晩秋映る」~ 季節の使い・JTCO『風物使』立冬号
    vol.114 2017年11月9日発行(旧暦 9月21日・長月)

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拝啓

紅葉も見頃を迎えた今日この頃、ひんやりした空気も次第に澄み始め、夜空に
は月がひときわ美しく、変わりゆく姿それぞれに味わい深く輝いているのを目
にします。

最近では紅葉に合わせライトアップを行うスポットも増えてきましたので、場
所によっていは月を背景に浮かび上がる美しい紅葉、なんていう贅沢な景色も
楽しめるかもしれませんね。


+‥‥+ 2017年立冬号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ………   【生活】読書の秋(2)千年の記録媒体:紙
 ・季節の行事…………   柳井まつり [山口県柳井市]
 ・和遊苑 おすすめの一品 【土佐和紙】レターセット
 ・JTCOからのお知らせ   「秋色&新商品特集」開催中!
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥

【生活】読書の秋(2)千年の記録媒体:紙

「・・・ただの紙のいと白う清げなるに、よき筆、白き色紙、陸奥紙(みちの
くがみ)など、得つれば、こよなうなぐさみて、さはれ、かくて暫しも生きて
ありぬべかんめり、となむおぼゆる。」
(清少納言『枕草子』第262段)

訳:(苛々して、もうこの世にいたくないと思ってしまうようなときに)普通
の紙で真っ白できれいなものに、よい筆、白い色紙、陸奥紙などが手に入れば、
この上なく心が慰められて、何はともあれ、こんな風にしばらくは生きていて
もいいかなと思ってしまいます。

さて、2017年もそろそろ晩秋に入ってきました。これまでに、何か好きな本を
一冊でも読めましたか?今号では前回に引き続き、本に関する話題をお届けい
たします。

電子機器が発達した昨今でも、やはり紙の本の魅力は捨てがたいものがあり、
本棚のスペースが許すなら紙の本を選びたいと思う人が多いのではないでしょ
うか。

2014年11月、日本の和紙がユネスコの無形文化遺産に登録されました(※1)。
今でこそ本もパルプ紙に印刷されていますが、日本の歴史を振り返れば、書物
が和紙に手書きまたは印刷されていた年月のほうが圧倒的に長いのです。

※1 今回登録されたのは、「石州半紙(せきしゅうばんし)」(島根県浜田
市)、「本美濃紙(ほんみのし)」(岐阜県美濃市)、「細川紙(ほそかわ
し)」(埼玉県小川町、東秩父村)の3つ。いずれも国産の楮(こうぞ)のみ
を使用し、流し漉きの手法で手漉きされる。

「紙は千年」と言われるように、伝統的な方法で漉かれた紙は非常に耐久性が
高いことで有名です。品質の良い和紙は、経年とともにますます白くなり、艶
が増すと言われています。聖徳太子筆で、日本最古の書籍と言われる『法華義
疏(ほっけぎしょ)』(615年)は今から1400年以上前に書かれたものですが、
いまだ鮮やかに太子の筆跡を伝えています。この書に使われた紙が大陸からの
舶来品なのか、日本で漉かれた紙なのかは定かではありませんが、古代の紙が
すでに非常に優れた記録媒体であったことを証明しています。

日本に紙が初めてもたらされたのは、本としてでした。『古事記』や『日本書
紀』の伝承では、応神天皇に召された中国系百済人の学者、王仁(わに)が、
『千字文(せんじもん)』(※2)と『論語』をもたらしたとされています。
ただし、『千字文』の成立は応神天皇よりも1世紀ほどあとのことなので、実
際にこれらの書物が伝えられたのは4~5世紀と考えられています。

※2『千字文』:漢字や書の手習いのために、異なる千の文字で書かれた長詩。

5世紀に入ると朝廷による中央集権が進み、記録や情報伝達のために紙の必要
性が高まっていきました。『日本書紀』には、404年、履中天皇がに国史(ふ
みひと)と呼ばれる役人を全国に置き、言事(ことわざ、言葉や出来事)を記
録して国内の情報を送らせたとありますが、このときに記録された媒体が何で
あったかはわかっていません。

540年、欽明天皇の命により、国産の紙を利用して秦や漢からの渡来人が戸籍
を編纂したとあり、このころまでには大陸から製紙技術が伝えられていたよう
です。同じころ、仏教も伝来していますから、写経のための紙も必要とされて
いたことでしょう。

8世紀になると、大宝律令により書籍編纂や文化財管理のための「図書寮(ず
しりょう)」が置かれ、付属の「紙屋院(かみやいん)」で製紙を行うととも
に、全国の産地から紙を税として納めさせました。このころには、今でも続く
美濃や越前などの和紙の産地が全国に成立しています。

さて、このように奈良時代までは主に仏典の写経や行政の記録のために使われ
てきた紙ですが、平安時代になると、物語や日記、私的な手紙のやり取りにさ
まざまな紙が使われるようになり、紙にも美しさが求められるようになりまし
た。

冒頭の『枕草子』の一節には、「手に入るとうれしいもの」として陸奥紙が書
かれています。陸奥紙は、楮を原料として東北地方で漉かれた厚い、表面の皺
が特徴的な紙で、「檀紙(だんし)」とも呼ばれます。輝くように白く、平安
期以降高級紙の代名詞とされたこの紙を、清少納言はいたく気に入っていたよ
うで、28段の「気持ちのいいもの」にも、真っ白な陸奥紙に、ごくごく細い筆
で文字を書くことを挙げています。

仕えていた中宮定子には、「(紙などという)けっこう単純なことで気分が晴
れるのですね。」と笑われていますが、権力者による紙の下賜がなければ本な
ど書くことができなかった時代のこと。清々しいほどの白い紙に、漆黒の墨で
鮮やかに、繊細に描かれた手蹟は想像するだけでも美しく、心が晴れやかにな
るというのはわかる気がしますね。

平安期以降、製紙技術が発展し、国産でさまざまな厚みや質感の紙を作ること
ができるようになりました。源氏物語では、「唐の紙」「高麗の紙」などの舶
来品とともに、京都の紙屋川のほとりで漉かれた紙を「うるわしき紙屋紙(か
みやがみ)」と呼んで珍重しています。この紙屋紙は、舶来品よりも丈夫で質
が高いとされ、「色華やかなる」という記述のように、さまざまな色に染めら
れて草子や文に利用されました。

このように、紙の質の向上とともに生産量も増えていきましたが、書物の発行
の多くは書写に頼っていたこと、また一部の支配階級しか読み書きができなか
ったことから、書物の普及までにはさらに時代を下ることになります。次回は、
出版についての話題をお届けしようと思います。


【参考サイト・文献】(2017年11月3日参照)
Wikipedia, 「和紙」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E7%B4%99

『枕草子』の現代語訳:134
http://esdiscovery.jp/knowledge/japan5/makura134.html

履中天皇(九)国史の配置と筑紫の神の怒りと河内飼部の黥
http://nihonsinwa.com/page/1394.html

山本信吉 『古典籍が語る―書物の文化史』
川村裕子『王朝生活の基礎知識: 古典のなかの女性たち』


,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

柳井まつり
[山口県柳井市](11月23日)

市民総参加による秋の大祭。麗都路通り(駅通り)で繰り広げられる花傘踊り
は、美しい行列で、見る者の心を魅了します。

※ぴこねっと日本ねっ島より引用
http://www.piconet.co.jp/nippon-net/nippon.cgi/see/14189



,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥……

【土佐和紙】レターセット

今回は「土佐和紙×江戸団扇絵」のコラボで生まれた、鮮やかで風流なレター
セットをご紹介!

伝統的に卓越した技術を誇る土佐和紙。
原料となる楮や雁皮を育む豊かな山と、美しく質の良い豊富な水に恵まれた高
知では、古くから上質な紙が生み出されてきました。

そんな最高級和紙に描かれた四季折々の鮮やかな絵柄は、東京・日本橋の団扇
の老舗「伊場仙」が文政5年出版した、初代歌川豊国の団扇絵「今様十二月」
の粋な江戸の柄たち。
大胆にアレンジされた草花や文様が、絶妙な色使いで現代に蘇りました。

親しい友人や、ちょっとご無沙汰気味なあの人へ、洒落た季節のお便りなどい
かがでしょうか。

詳しくはオンラインショップで↓↓
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,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

オンラインショップ『和遊苑』で秋色&新商品特集開催中!

和遊苑の秋色&新商品特集ページでは、秋の雰囲気にぴったりなしっとりカ
ラーのアイテムや、読書に秋におすすめなブックカバー、新商品の「丹後ちり
めん」などをご紹介しております。

少し哀愁漂う穏やかな時間を心静かに味わいたい・・・。
そんな季節におすすめな、上質アイテムの数々をお楽しみください。

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,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥………

最近は、自分で文字を書くことがめっきり少なったため、たまに封筒やはがき
に文字を書くと、つい書き損じて紙を無駄にすることがあります。

昔の写本や古文書を見るたびに、どうやったら間違えずにこんなにたくさんの
文字を書けるのだろう・・・とつい思ってしまいます。

源氏物語には、墨色が映える白や赤の紙に書くときには筆を取り直す、とあり
ます。やっぱり、緊張感の問題なんでしょうね。


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/

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