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JTCOメルマガ『風物使』

2015年12月01日 配信
「冬の鴉が知恵運ぶ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』大雪号

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「冬の鴉が知恵運ぶ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』大雪号
vol.86 2015年12月01日発行(旧暦 10月20日・神無月)

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拝啓
今年も早や師走。北国からは大雪のニュースが届く今日この頃、みなさまい
かがお過ごしでしょうか。
残り少ない2015年、思い残すことのないよう、あと一月を大切に過ごしまし
ょう。


+‥‥+ 2015年 大雪号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

・今号のテーマ………  【生物】慌て者の太陽のお使い:カラス
・季節の行事…………  大湯祭[埼玉県さいたま市]
・和遊苑 おすすめの一品 【姫革】ストラップポーチ
・JTCOからのお知らせ  JTCO取り扱い商品がいよいよ米国に進出!
・編集後記


,:* 今 号 の テーマ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…

【生物】慌て者の太陽のお使い:カラス

烏とふ大をそ鳥の真実(まさで)にも 来まさぬ君を児(こ)ろ来とそ鳴く
(詠み人知らず『万葉集』巻14-3521)

(訳: カラスという大慌て者が、本当は来もしないのに、「コロク、コロ
ク」(=「素敵なあの人が来た」)と鳴いているよ。)
※「児(こ)ろ来」=想い人が来たの意

晩秋から冬の夕方、「カアカア」と騒がしい鳴き声に空を見上げると、電線に
カラスがびっしり留まっているのを見たことはありませんか。子育てをしてい
る夏の間は家族単位で過ごすカラスたちも、冬になると群れを作って暮らすよ
うになるため、公園などではこれからの時期、カラス人口が増えるのだそうで
す。電線に居並ぶカラスたちは、ねぐらに帰るための待ち合わせをしているの
でしょう。

現代でカラスと言えば、ごみを漁ったり畑から作物を失敬したりするため、人
間からはとかく嫌われがちな鳥ですね。しかし頭の良さはよく知られるところ
で、日々の生活でカラスとの攻防に頭を悩ませている人も多いと思います。

冒頭の歌の「大をそ鳥」を全て漢字で書くと、「大軽率鳥」となり、意味も字
のとおりなのだそうです。カラスが慌て者だというのは誰が決めたのかはわか
りませんが、昔の人の鋭い観察眼から、せっかちな鳥だと思わせるところがあ
ったのでしょうか。昼夜が移ろう時刻に聞こえてくる、カラスたちのしわがれ
声はどこかユーモラスで物悲しくもあり、万葉集の中では夕には恋人の来訪、
朝には恋人の帰宅を告げるものとして出てきます。

上代から身近な鳥であったカラスは、神話や民話にもたくさん登場します。も
っとも有名なのは、サッカー日本代表のエンブレムでもおなじみの、あの「八
咫烏(やたがらす)」ではないでしょうか。

八咫烏の「咫(あた)」とは、古い長さの単位で、人の親指から中指を広げた
長さ(約18cm)です。「八咫」とは、長いとか大きいという意味になります。
『古事記』や『日本書紀』では、この大カラスが神武天皇の東征の際、一行が
道に迷っていたところを、高皇産霊尊(タカミムスビ)という神様によって遣
わされ、熊野国(現在の和歌山南部と三重の南部)大和国(同奈良)の橿原ま
での道案内をしたとされてます。以来、八咫烏は神のお使い、熊野大神(スサ
ノオノミコト)に仕えるものとして、熊野三山を初め、全国の熊野神社の社紋
となっています。

八咫烏は通常、「三本足のカラス」として知られていますが、『古事記』や
『日本書紀』には三本足であるという記述はなく、時代とともに中国や朝鮮の
神話にある「三足烏(さんそくう)」が取り入れられたものと考えられていま
す。中国の神話では、三本足のカラスは太陽の化身とされており、太陽信仰を
持つ日本に取り入れられたのも不思議ではありませんね。八咫烏の足が三本で
ある理由については、道教や陰陽五行説により、奇数が陽=太陽を表すからな
どという説があります。

日本では、関東地方各地の年始に「オビシャ」というカラスを描いた的に矢を
射かけ、その年の豊凶を占う神事が現代も続いています。「オビシャ」には、
「御日射」という字が当てられることがあり、一説には太陽に矢を射かけると
三本足のカラスが落ちてきた、という中国神話に由来するものと言われていま
す。そのほかにも、カラスを描いたうちわを扇いだり、カラスに直接供物を投
げ与えたりして豊作を願う神事が各地で行われており、八咫烏ならずとも、カ
ラスが神様のお使いとして崇められてきたことがわかります。

ところで、大変興味深いことに、カラスは中国文化圏だけでなく、北方のアイ
ヌやイヌイット、北米のネイティブアメリカンの神話でも、太陽と非常にかか
わりの深い動物として描かれています。共通する筋書きは、カラスが隠れてい
た太陽を引っ張り出したり、太陽から光や焔を命懸けで盗み出し、世の中に光
をもたらしたというもの。カラスの羽が真っ黒なのは、このときに焼け焦げた
からということになっています。

アイヌ、イヌイット、ネイティブアメリカンは、かつてシベリアとアラスカが
陸続きだった時代に、各地に移住したと考えられているモンゴロイド系の民族
であるため、神話に共通点が見られるのはそのためとも考えられます。しかし
ながら、西はギリシャ神話にも、カラスは太陽神アポロンの情報収集係だった
が、アポロンの怒りに触れて体が焼け焦げてしまったという似たような話があ
ります。また、北欧神話の主神、オーディンはフギン(=思考)、ムニン(=
記憶)という二羽のワタリガラスを遣わせて世界中の情報を集めていたとされ
ています。

日本では、この「情報収集能力」にかけてなのか、戦前は偵察機を擁する帝国
陸軍航空部隊の、また戦後は陸上自衛隊情報部隊のエンブレムに八咫烏が採用
されています。
※なお、日本サッカー協会のエンブレムにある八咫烏は、熊野で蹴鞠を奉納し
た天武天皇や、蹴鞠の名人藤原成道にちなむものとされています。

このように、世界中の多くの文化でカラスは「人を導き、知をもたらし、世に
光を与えるもの」として崇められています。現代では、明らかに人間から見れ
ば「小賢しい厄介者」とされがちなカラスですが、かつて人々はカラスの賢さ
に敬意を払い、黒く光る羽毛に神秘を感じ、また時には慌てん坊の愛すべき存
在として平和に共存していたのでしょう。

神様のお使いであるカラスからしてみれば、日々のいたずらも自分たちのテリ
トリーに入ってきた人間に対するささやかな反逆なのかもしれません。日々繰
り広げられるカラスとヒトとの攻防を、神様はどうご覧になっているのでしょ
うね。


【参考文献】
Wikipedia,八咫烏
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E5%92%AB%E7%83%8F
カラス今昔物語
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Poplar/9648/index.html
民話と神話のはざま:太陽とカラスにまつわるはなし
http://www.waseda.jp/prj-tagengo2013/blog/html/_downloads/1-10.docx



,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

大湯祭(十日市)
[埼玉県さいたま市] (12月10日)

釜で湯を沸かし、その湯により清めを行ったと伝えられる、古い時代から行わ
れてきた祭典です。

12月10日の本祭に酉の市がたつ為、十日市(とおかまち)・熊手市ともいわれま
す。

11月30日より12月11日まで12日間に亘る長い祭典です。

境内や参道に熊手や神棚(宮型)、様々な露店など約2000軒が立ち並び、大いに
賑い手締めの声と拍手の音が響き渡ります。

武蔵一宮 氷川神社 より引用
http://musashiichinomiya-hikawa.or.jp/saiten/daitosai.html
※PCサイト 


,:* 和遊苑 おすすめの一品 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥

【姫革】ストラップポーチ
http://wayouen.jp/?mode=cate&cbid=1506315&csid=0

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,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

JTCOの工芸品・地域産品販売事業をサンフランシスコで開始!

2014年のパリ、2015年のロンドンに続き、JTCOの工芸品・地域産品販売事業は
本年アメリカ大陸へ!
第一弾はクリスマスシーズンのサンフランシスコ日本街で、『和遊苑』でも
お馴染みの姫革・印伝商品、気仙沼帆布グッズ、高知の和小物などを展開し
ます。

日本デザイン・日本製の、生粋の"Made In Japan"商品の募集を随時行ってお
りますので、ご興味のある方は随時お問い合わせください。

お問い合わせフォーム:
https://www.ssl-im2.com/jtco/contact-us.html



,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第86号(2015年大雪号)を最後までお読みくださったみなさま、誠に
ありがとうございました。

数年前、神奈川県の畑でカラスによる農作物の被害が増えたのは、都市部のカ
ラス対策が原因なのではというニュースを読んだことがあります。農家の方は
さぞお困りだろうとは思いつつも、食べ物の少ない冬は餓死するカラスも少な
くないと言われており、カラスの立場に立ってみると致し方ないとも思いまし
た。

アイヌ神話では、「太陽を地に引っ張り出した功績で、以来人のものを失敬し
てもお咎めなし」ということになっていますが、現実にはなかなかそういう風
には行かないのが難しいところですね。


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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/
編集責任者: 小坂 典子

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