NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。

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JTCOメルマガ『風物使』

2014年10月23日 配信
「新米に心躍らす」~ 季節の使い・JTCO『風物使』霜降号

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 「新米に心躍らす」~ 季節の使い・JTCO『風物使』霜降号
    vol.70 2014年10月23日発行(旧暦 9月30日・長月)

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拝啓
昼と夜の寒暖の差が激しい日もある今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしで
しょうか。
富士山の初冠雪が観測されるなど、日に日に寒さも増して参りました。急な寒
さに備えて、上着で調整するなど、体調管理には気をつけていきましょう。

敬具

+‥‥+ 2014年寒露号  目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ……… 【食物】秋の実りに感謝して:米
 ・季節の行事…………  稲穂祭(きつねの嫁入り)[山口県下松市末]
・JTCOからのお知らせ 「朝田家紙型コレクション」開催のお知らせ
 ・編集後記

,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…

【食物】秋の実りに感謝して:米
「新米といふ よろこびの かすかなり」(飯田龍太)

(訳:稲刈りを終えて、今年も新米を頂く事が出来る。炊きたてのお米の香り
がかすかに漂ってきて、喜びも一塩だ。本当に、苦労した甲斐があった。)

新米の出荷時期は9月~10月です。既に今年の新米を召し上がられた方も多い
のではないでしょうか。精米したての新米で炊いたご飯を茶碗に盛ると、一粒
一粒のお米が立ち、光輝きます。おかずをのせずに、まずはひとくち。もっち
りとした食感に、噛めば噛むほど増していく甘みがたまりません。この時期だ
けに味わえる最高の贅沢です。

日本への稲作の伝来は、中国・遼東半島から朝鮮半島を南下して、九州南部に
伝来、揚子江下流域から直接、九州北部(対馬暖流ルート)に伝来したルート
など他計4つのルートが有力視されています。伝来後、国内で稲作が始まった
のは縄文時代中期以前に遡ります。岡山県の朝寝鼻貝塚の6000年前の地層から
稲籾が発見されたのだそうです。

現在のように水田での稲作が始まったのは、縄文晩期の2,500年前のことで、
最古の水田跡が福岡県福岡市の板付遺跡(いたづけいせき)にて発見されてい
ます。(*1)弥生時代前期初頭の水田遺構は、福岡平野の板付遺跡や最多目
遺跡などでも確認され、中期には青森県の垂柳遺跡(たれやなぎいせき)の水
田跡が発見されております。(*2)九州から関東やがては東北へと伝播され
水田稲作が広まったことで、全国的に狩猟・採取社会から水稲耕作を主とする
農耕社会へと移行されていきます。米の出現によって安定的に食糧を得る事が
でき、縄文晩期には16万人にまで減少していた人口も、弥生時代には50万人~
100万人まで人口が増加したともいわれています。

稲作の出現により、自然の恩恵に感謝し、同時に自然からの猛威を妨げる事を
目的とする信仰や祭りが発展します。元々自然に対する信仰のはじまりは縄文
時代の石棒、土偶、縄文土器に見る事が出来るという説があります(*3)縄
文時代の信仰は、自然界全体の豊穣を祈るような祭りが行なわれていたといわ
れています。一方で、弥生時代に入ると信仰も農耕儀礼重視に変わります。ム
ラの祭りからクニの祭りへと規模も拡大され、祭りの要素としても集団の団結
的な意味合いが強くなっていきます。弥生時代から古墳時代の田んぼの遺跡か
らは鳥型や舟形の木製品が発見され、これらは稲魂を運ぶものと考えられてい
るとのことです。

農耕儀礼は、四季を通した「田の神信仰」として全国的に様々形で発展し、い
まも継承されています。田の神とは山の神と同一神とされており、五穀豊穣を
もたらす神として古くから人々に信仰されてきました。四季と農耕の生産段階
を通し様々な祭事が催され、主に年頭の予祝祭、農作業開始時の水口祭(みな
くちまつり)、田植祭り、防災除疫の呪的行事、収穫儀礼がそれに当たります。
(*4)

私たちが毎年楽しみにするお花見も、こうした田の神信仰のひとつと
されています。古代の日本人はサ神信仰と言ってサガミなど「サ」のつく山の
神様を信仰していました。サクラのサは山の神様を(稲の神さま)を指し、ク
ラはカミクラ(神座)のクラに由来するとも言われています。春になると、山
の神さまが人里に降り桜の木に座られ田の神さまになると信じられていました。
桜の開花は神さまが宿られた目印とされたのです。サ神様に喜んで頂くための
神前供えとしてサケ(酒)やサカナ(サケ菜・肴・魚)をササゲテ(捧げて)オサガ
リをいただいたとのことです。(*5)こうした神前行事が江戸時代より現在
のような花見の風習に繋がったのだともいわれています。桜の開花を待ち花見
を楽しむ私たちの心も古来の日本人と相通じているものがあるのでしょう。

農耕儀礼は田植月のサツキ(皐月)に田の神さまをお迎えするサオリ(サ神様が
降臨されるとの意味)、サオトメ(早乙女・五月女)によるサナエエ(早苗)など
の神事を経て、田植えの終わりに感謝をし、田の神様をお送りするサナブリ
(サ神さまが昇天されるとの意味)に続きます。その後虫送りなどの病害虫を
避けるための祭り、青森県のねぷた祭を代表する睡魔を払う祭りを経て、収穫
儀礼に至ります。収穫儀礼では、国指定重要無形民俗文化財でもある奥能登の
アエノコトに代表するように、田の神様を家にお招きし、収穫した品々をお供
えしておもてなしをします。稲の生長を見守って頂いた苦労を労い、感謝の気
持ちをお伝えするのです。現在各地でも「秋祭り」や「収穫祭」など収穫儀礼
にあたる行事が各地で催されているので、みなさまも是非参加されてみてはい
かがでしょうか。本メールマガジンの「季節の行事」にも山口県の稲穂祭(き
つねの嫁入り)をご紹介させて頂いておりますので、是非ご参考ください。

お米ができるまでは『米』という漢字の通り、八十八もの手間がかかるといわ
れています。種まきから、水の確保、田植え、草刈り、鳥獣対策、病害虫対策
…稲刈り(出荷)と多くの作業と膨大な時間が必要とされます。稲作を通して、
自然に寄り添い、感謝をし、忍耐強く作業が出来る日本人の心や考え方、行動
は長い年月を経て形成されたといっても過言ではないでしょう。現在は北海道
でも米作りが行われ、今では毎年の収穫量は新潟県と一位、二位を争うほどだ
と言われています。日本全国で毎年品種改良が行われ、様々な種類のお米を頂
く事ができますが、一方で米の消費量が年々減少しているともいわれています。
どうしても忙しくなるとパンなどに頼りがちになりますが、自然や農家の方々
の手間暇に感謝し、この秋の新米をいただきたいものです。

<参考文献>
*1 財団法人地球環境財団, 豊かな稲作文化の残る日本は、文化/文明の安住
の地,http://www.directforce.org/pdf/cultureRice.pdf
*2 おさるの日本史豆知識, 弥生時代, http://www7b.biglobe.ne.jp/~osaru
/nihonshi/yayoijidai.htm
*3 静岡県立図書館, いろいろな神様から農業の神様へ, http://www.tosyoka
n.pref.shizuoka.jp/data/open/cnt/3/50/1/ssr1-3.pdf
*4 愚耕禿聖士のブログ, 早苗饗, http://ameblo.jp/gukoutokuhiziri/entry
-11872597326.html
*5サ神信仰 | ドキュメント鑑賞☆自然信仰を取り戻せ!, サ神信仰, http:/
/poyoland.jugem.jp/?eid=280

,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

稲穂祭(きつねの嫁入り)
[山口県下松市末](11月3日)

昭和25年(1950年)秋に、第1回の稲穂祭の催しのひとつとして始まった花岡
福徳稲荷社の祭りです。五穀豊穣・商売繁昌を祈願するための神事で、新郎新
婦や親族をはじめとしお供までもきつねの面をつけて町を練り歩きます。きつ
ね役の新郎新婦を演じる方は秘密とされ、新婦役は良縁に恵まれるともいわれ
ています。

一般社団法人山口県観光連盟「おいでませ山口へ」
http://www.oidemase.or.jp/tourism-information/spots/11141

,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『特別展示 型紙の美 武蔵大学蔵「朝田家型紙コレクション」― 幕末から明
治の染めの世界 ―』 を開催中!!

上記催事を練馬区立石神井公園ふるさと文化館にて開催しております。平成24
年度に都府宮津市の紺屋であった朝日家から寄贈された、約3,000枚の染めの
型紙など服飾関係資料の中から選りすぐりの100点を展示しています。また、
練馬区にいらっしゃる伝統工芸士さんのお仕事の紹介も併せて行っております。

貴重な日本人の手仕事の集大成を、是非お近くでご覧下さい。

公益財団法人練馬区文化振興協会「朝田家型紙コレクション」
http://www.neribun.or.jp/web/01_event/d_zaidan.cgi?no=4021

,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第70号(2014年霜降号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

前回小坂より紹介にあがり、当機構のスタッフとなりました諸星と申します。
前回より本メルマガの執筆を担当させて頂いております。まだまだ未熟者です
が、みなさまには二十四節気を通して、季節感のある日本文化の記事をお届け
できるように頑張りたいと思いますので、あたたかい目でお見守り頂きたいと
思います。当機構と共に、どうぞ末永くよろしくお願い申し上げます。

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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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【発行元】

特定非営利活動法人 日本伝統文化振興機構(JTCO)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-2-1401
TEL/FAX: 03-3431-5030
Webサイト: http://www.jtco.or.jp/
編集責任者: 小坂 典子

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