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JTCOメルマガ『風物使』

2013年05月01日 配信
「葦原に風そよぐ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』穀雨号

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 「葦原に風そよぐ」~ 季節の使い・JTCO『風物使』穀雨号
    vol.56 2013年05月01日発行(旧暦 3月22日・弥生)

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拝啓
関東地方でも少しずつ春らしい日々が定着してきた今日この頃、皆様いか
がお過ごしでしょうか。今年の連休は国内旅行が多いとのこと、まだお出
かけでない皆さんは、ぜひ地元や国内の名所旧跡を訪ねてみてください。


+‥‥+ 2013年穀雨号 目次 +‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

 ・今号のテーマ……… 日本の原風景にそよぐ『葦』
 ・季節の行事………… くらやみ祭り [東京都府中市]
 ・JTCOからのお知らせ 印伝の実用小物発売開始しました!
 ・編集後記


,:* 今 号 の テ ー マ ━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥…


【植物】日本の原風景にそよぐ『葦』

「難波がた短き葦のふしの間も 逢はでこの世を 過してよとや」
(伊勢『新古今集』巻11-恋1)

(訳:難波の干潟に芽吹き始めたまだ短い葦の節の間のような、ほんのわず
かな時間でさえも、あなたに逢わずにこの世を生きていけというのでしょう
か。)

穀雨の初候には「葭始生(よし はじめて しょうず=葦が芽吹き始める)」
とあり、暖かな日々が定着するようになると、水辺ではアシが芽吹いて夏に
向けてぐんぐんと伸び始めます。かつては御簾や屋根葺き、葦舟の材料など、
広く生活の中で利用されていたアシも、今ではすだれ(=葦簀、よしず)以
外に見かけることは少なくなりました。それでも夏の風物詩として根強い人
気があるのは、実用性や見た目に他に変え難い魅力があるからなのでしょう。

アシは万葉の時代から、水辺の風景に欠かせないものとして、たくさんの和
歌に詠まれてきました。それだけでなく、アシは日本の国土の成立にもかか
わる植物ということになっています。

日本の古名は「豊葦原瑞穂の国(とよあしはらみずほのくに)」と言い、こ
れは古事記の「天地初めて起こりし時」のくだりに由来しています。天地開
闢(かいびゃく)の際に現れた五柱の神々のうち、ウマシアシカビヒコヂと
アメノトコタチは「葦牙(あしかび=アシの芽)のごと萌えあがる物に因り
て生まれし(アシが芽を吹くように萌え伸びるものによって生まれた)」と
あります。

そして、この神々が作った島々は「豊葦原(とよあしはら)の千秋(ちあ
き)の長五百秋(ながいほあき)の水穂の国(=千年も五百年も、限りなく
長い間、広々とした原野に生い茂るアシのように瑞々しい稲穂が実る国)」
と呼ばれました。

四方を海に囲まれ、水の豊かな日本の国土には、かつて水辺という水辺にア
シが生い茂っていたことが想像されますね。

アシがかつて非常に身近な存在であったことを示す好例として、平安時代に
生まれた装飾文字である「葦手(あしで)」があります。葦手とは、文字を
絵画風に崩したり、かな文字に装飾を加えたりしたもので、アシを中心とし
て、水の流れや波、鳥、岩など水辺の風景を表現しています。葦手は、男手
(漢字)、女手(ひらがな)、カタカナと並んで書体の一種として、当初は
和歌を書く際に、のちには蒔絵など工芸品の装飾の一部として、デザインと
して利用されるようになりました。

源氏物語の32帖『梅枝』には、源氏が風流な青年たちへ草子執筆を依頼する
のに「葦手や歌絵で思い思いに書くように」と伝えるくだりがあります。現
代に伝わる葦手絵を見ると、一見すると草や鳥に見える部分に文字が隠され
ており、葦手絵の制作と鑑賞が高雅な遊びとして考えられていたことが想像
されます。水辺に無造作に伸びているように見えるアシも、平安貴族にかか
ると芸術として昇華されるのですから、その感性には感服ですね。

そんなアシも、近年では埋め立てなどで葦辺の面積は減少の一途をたどって
います。一方で、自然浄化作用や生物多様性の維持の観点から、その価値が
見直されつつあり、また商業利用のため、肥料や燃料、パルプなどへの利用
も研究されているそうです。

平安貴族のような感性は取り戻せないまでも、「豊葦原瑞穂の国」で葦辺の
豊かな風景がもう一度見られるよう、アシの芽吹く季節に、現代らしくアシ
の実利的な活用にも目を向けてみたいものですね。


,:* 季 節 の 行 事 ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

大國魂神社 くらやみ祭り
[東京都府中市](4月30日~5月6日)

武蔵国の国府で行われた国府祭を由来とし、関東三大奇祭の一つに数えられ
ています。
貴いものを見ることは許されないという古式の儀礼により、御霊が神輿で渡
御・還御するのは人目に触れない暗闇でなければならないという伝統に則っ
て行われます。府中囃子、駒くらべ、山車行列など、見どころも多いお祭り
です。


大國魂神社サイト
http://www.ookunitamajinja.or.jp/matsuri/kurayami.html


,:* JTCOからのお知らせ ━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

印伝の実用小物販売開始しました!

どんなシーンでも自信を持ってお使いいただける、スタイルと実用性を兼ね
備えた印伝の小物の販売を開始しました。
軽くしなやかながら堅牢な鹿革に、使うほどに艶の増す白漆で洗練されたパ
ターンを描き出しています。ぜひ、お手にとってそのよさを実感してくださ
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,:* 編 集 後 記 ━━━━━━━━━━━━━━・・・・・‥‥‥……

『風物使』第56号(2013年穀雨号)を最後までお読みくださったみなさま、
誠にありがとうございました。

本日世界文化遺産の評価結果が公表され、富士山は登録、鎌倉は見送りとな
りました。
鎌倉が除外となった理由は、「社寺中心で武家の権力を示す遺跡が少ない」
ということでした。実際、鎌倉時代から残る建造物はほとんどないそうで、
有名な大仏もその造像の経緯も不明な点が多いのだそうです。

「歴史的な重要性は十分説明されている」とのことですが、ストーリー性だ
けでなく、やはり物的な遺産が重視されるのは仕方のないことなのかも知れ
ません。平泉が奥州藤原氏の滅亡後、地理的な重要性を失ったことから、開
発にさらされずに済んだのとは対照的です。

日本人にとって、これからも鎌倉が武家の古都として精神的な拠り所になる
ことには変わりはないと思いますが、近代化と過去の遺産の保全の両立とい
う課題を改めて感じずにはいられません。

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【季節の使い・JTCO『風物使』】

発 行 日:月2回発行(二十四節気ごと)
発行開始日:2010年6月18日

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