NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。

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愛する心で地産地消

2014/08/18
愛する心で地産地消


大阪市中央区のNPO法人「演芸で地域活性をする会」(陶山高代表)は「地産地笑」スタイルによる地域の絆づくりを目指し、大阪市各区で、区内在住の芸人が出演する寄席をスタートさせる。第1弾は13日に阿倍野区民センターで開かれ、区内に40年以上住んでいるコミックマジックのゼンジー北京さんらが出演する。陶山代表は「芸人さんがつなぐ地域を作りたい」と意欲を見せている。

 同NPOは3年前に設立され、障害者施設や老人福祉施設などで寄席を企画するなどしてきた。福祉現場が抱える「家族がなかなか入所者に会いに来てくれない」「地域とのつながりを深めたい」などの悩みを解決するためには、寄席の開催が有効だと考えている。陶山代表は「皆で集まって笑うことが、良い方向へ行くきっかけの一つになる」と語る。

 今回の「地産地笑」寄席の狙いについて、陶山代表は「芸人さんの『出身』は知られていても、意外と『在住』は知られていない。地元住まいと分かれば地域の人も親しみが持てるし、芸人さんにとっても地域イベントなどで活躍の場が広がる」と話している。

引用 ― 「地産地笑」寄席:芸人さんがつなぐ地域作り 13日・阿倍野、第1弾スタート ゼンジー北京さんら出演 /大阪



大阪と聞いて、「お笑い」を思い浮かべる人は、多いのではないでしょうか。
私自身、お笑いが大好きで年に数回は必ず大阪を訪れ、本場のお笑いを楽しんでおります。生で見る舞台はテレビで見る漫才やコントとは大きく違い、臨場感や、ダイレクトに伝わってくる「楽しい」「おもしろい」という感情は、1度味わうとクセになってしまいます。お笑いという大阪の文化は、本当に素晴らしいものです。
今回取り上げたテーマである「地産地笑」も、実に大阪らしいネーミングであり、大阪らしい活動だと思います。地元に根付いた文化で、地元を盛り上げ、地元の人とつながる、という、地域に特化した活動は、間違いなく地域活性化につながるように思います。

「地産地笑」のもとになった単語である、「地産地消」とは、「地域生産地域消費」の略称で、【地元で作られたもの(生産物や資源)を、地元で消費する】という意味です。そうすることにより、地域の林業・農業や関連業者などの活動が活発になり、地域の活性化につながる、というものです。
「地産地消」を辞書的な意味で説明すると、そのような意味になりますが、この活動からは、もっといろんな意味や効果を見出せると考えます。

例えば、記事にも書かれているように、「地元と分かれば親しみが持てる」というのも、とても重要な点だと思います。全く初対面の人や物事でも、地元が同じと分かれば、親近感が湧き、少し特別に感じるものです。そこから、【安心感】も芽生えて、スーパーで買い物をするときも、地元の商品を手に取るようになるのではないのでしょうか。そうすれば、「地産地消」の本来の目的もばっちり果たせます。
それから、「地元を好きになる」という、【地域活性には欠かせない、核となる部分】といっても過言ではない気持ちを育てることもできるのではないでしょうか。「好きこそ物の上手なれ」と古くから言われているように、「好き」という気持ちはとても大切だと思います。普段は、「当たり前」だと思っている、地元の「いいところ」を再発見すれば、地元の「好き」がもっと増えて、地元がもっともっと好きになります。そして、その地元を愛する「好き」の気持ちは、必ず地域活性に繋がります。

私自身も、いわゆる「地方」に在住しております。正直、「田舎だなあ」「なにもないなあ」と思う事が多々ありますが、その中でも、やはり【自分を育ててくれ、慣れ親しんだ大好きな街】という気持ちは強くあります。
都市部を離れた地域では、人口の減少が問題視されています。しかし、都会ではないからこそある、魅力的なその地域だけのものが、必ずあります。その部分を、宣伝して、さらに活性化しよう!という活動は、難しいかもしれませんが、自分1人だけでも、それを「好き」でいるのであれば、地域も喜んでくれているはずです。「忘れないこと」「好きな気持ち」というものは、思っているよりも絶大な効果を持っているのではないでしょうか。

私も「地産地消」の第一歩して、まずは、通勤や通学、散歩中でもなんでもいいので、何気なく眺めている街並みを意識して見て、身近な良いところを見つけることから始めようと思います。


2014/08/07 kan