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荒川の匠の仕事を一堂に

2012/08/09
荒川の匠の仕事を一堂に

ふるさと文化館で企画展

「三社祭」の衣装着人形や彫金の飾り箱など、江戸時代から続く職人技を現代の作品と古文書などから紹介する企画展「再発見!あらかわの匠の仕事」が荒川区南千住の荒川ふるさと文化館で開かれている。
 展示されているのは、区無形文化財保持者らが制作した犬張り子、扇子、べっ甲細工などの実物32点とパネル25点。昭和57年、区制50周年と文化財保護条例制定記念に寄贈された八鍬武さん作の太刀は初公開。
 会場には古文書、絵画資料、写真、菓子木型や刺繍糸などの道具も並び、計100点で江戸から現代までの匠の姿や技の変遷を紹介する。
 注目は、江戸時代に刀のつば制作で栄え、平成2年に途絶した伊藤家最後の彫金職人、伊藤正弘(本名・黒川武雄)さん作の飾り箱「禍文飾筥」(展示は14日まで)。
 伊藤さんは徳川幕府のつば師と彫物師を兼務した伊藤家の17代目で、2年に85歳で没後、遺族から同家の古文書群が区に寄贈され、5年に区有形文化財に指定された。
 同展では、この古文書群から、伊藤家が依頼を受けたつばなどの精巧な下絵図も展示。学芸員は「明治以降、刀制作の需要が減り、作る物が変遷した背景がよく分かる」と解説する。9月2日まで。月曜休館。観覧料100円。問い合わせは 03-3807-9234


(出典 産経新聞2012/8/9)