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総数:401件


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伝統工芸品茨城県

茨城県
工芸品の分類 その他工芸品
工芸品名 浮世絵手摺木版画

主要製造地域:茨城県




《特徴》
浮世絵版画は、菱川師宣が草子類に版画独特の美しさを表現したのに始まります。
墨摺り絵に丹、草の汁、くちなしの汁などで筆彩色を施したものを丹絵(たんえ)、丹に代わって紅を主色とし、黄土、藍、緑などで筆彩色したものを紅絵(べにえ)、墨に膠(にかわ)を混ぜて、うるしの様な光沢を持つ、墨色を主調とした筆彩版画をうるし絵といいます。

[茨城県伝統工芸品]
提供:渡辺木版様

素材 山桜(版木)、和紙(版下)
製法・工法 【1】版木・版下
版下の紙を裏返して版木に貼ります。
のりが乾く寸前に上紙をはがし、墨線がよくみえるように紙をこすりとります。
【2】墨板彫り
墨線の輪郭に小刀を入れ、不要な部分をのみでさらいます。
細かいところをあいすき(平丸)でさらい、最後に見当(ぴったりと同じ位置に和紙を置くための目安)を彫ります。
【3】校合(きょうごう)摺
色板の数だけ校合(色版の版下にする墨摺)を彫っていきます。
【4】色板彫り
校合摺に色さしをしていきます。
色板を彫って版木が完成します。
【5】和紙を使う大きさに切る
【6】摺る
紙を3枚ずつ重ねて湿らせます。
墨板に墨をのせ、見当にあてて紙をおきます。
バレンを卸紙背から摺っていきます。
静かにはがし、色板に絵具をおきます。
色板は淡い色から順に摺っていき、完成させます。
伝統工芸品「浮世絵手摺木版画」の写真
歴史 江戸の浮世絵版画は、はじめは墨一色刷りの版画でした。
浮世絵の木版多色摺版画、錦絵の誕生は、絵暦の流行が契機となって行われるようになりました。筆彩では数が多く、間に合わなかったため木版画にしたのが始まりです。
版下絵担当の鈴木春信が多色摺り版画にし、春信没後、浮世絵美人画界の第一人者になったのが鳥居清長でした。その後に登場したのが喜多川歌麿です。彼は、版元から美人大首絵という新様式の美人画を発表しました。
また、版元から特筆すべき役者似顔絵を発表したのが東洲斎写楽でした。
風景画が一つの重要なジャンルと考えられるようになったのは葛飾北斎の代表作「富岳三十六景」がきっかけとなっています。
「東海道五十三次」で人気を決定的なものにした、歌川広重も葛飾北斎に刺激を受け、風景画を描き、「東都名所」を出版しています。
江戸時代から人々の生活に彩を与えてきた浮世絵木版画は、現代にも受け継がれ、制作され続けています。
伝統工芸品「浮世絵手摺木版画」の写真