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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


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総数:401件

伝統工芸品京都府

京都府
工芸品の分類 織物
工芸品名 丹後ちりめん

主要製造地域:京都府




《特徴》
丹後ちりめんは経糸(たていと)に撚りのない生糸、緯糸(よこいと)に1メートルあたり3,000回前後の強い撚りをかけた生糸を交互に織り込み生地にし、その後、精練することによって糸が収縮し、緯糸の撚りがもどり、生地全面に細かい凸凹状の「シボ」がでた織物のことをいいます。ちりめんの代表的存在である「丹後ちりめん」は、このシボが最大の特徴です。

ちりめんは、シボがあることにより、シワがよりにくく、しなやかな風合いに優れ、凸凹の乱反射によって染め上がりの色合いが豊かな、しかも深みのある色を醸し出すことができます。また「ちりめん」といえば、絹織物だけと思われがちですが、丹後では丹後ちりめんで培われた技法を活かし、ポリエステル、レーヨンなどの繊維で織ったちりめん織物も製織しています。

現在では、下のような種類の丹後ちりめんが織られています。

◎変り無地ちりめん
縮みの欠点を、特殊な撚糸を工夫して織り上げてカバーしたちりめん。縮みにくくシワになりにくいのが特徴です。

◎一越ちりめん
古い歴史を持つちりめんで、シボが美しく、柔らかい風合いが楽しめます。

◎古代ちりめん
左撚り2本、右撚り2本を交互に織り込むため、一越ちりめんよりシボが高いのが特徴です。
古代の白生地に似ていることからこの名前が付けられ、シボが大きいことから鬼シボちりめんともいいます。色無地などに使用されます。

◎紋綸子ちりめん
綾織りの表と裏を使って紋を出したもので、重目は付下げ・訪問着など高級着に、軽目は襦袢地に使用されます。

◎紋意匠ちりめん
よこ糸を二重にして地紋の変化と深みを出したちりめん。染め上がりに豊かな立体感があり、無地染めやぼかし染めに多く用いられています。

◎縫取ちりめん ※右下画像のもの
ちりめんの生地に金糸・銀糸・ウルシ糸・ラメ糸などの装飾糸を使って模様を縫い取った贅沢なちりめん。打掛や中振袖・訪問着などを中心に豪華さを演出します。

◎駒綸子ちりめん
シャリッとした独自の風合いと光沢が特徴。地紋を生かした染め着物の生地としてファンに好まれています。

◎五枚朱子ちりめん
生地面の光沢が美しいちりめんで、華麗な中振袖や付下げなどに使われます。

◎朱子意匠ちりめん
紋意匠と五枚朱子の両方の持ち味を兼ね備えたちりめんです。地風に厚みがあり、染め付きの良さが特徴です。

◎絽・紗ちりめん
生糸100%で作られる、シースルー地の夏向きの織物です。通気性に優れているため、夏でも心地よく着ることができます。

◎金通しちりめん
ちりめん地に金糸を織り込んだものです。染色性に優れたちりめんは、あらゆる色に染め上げられますが、金糸は染まらずそのままとして光沢を放ち、趣味性の豊かなきもの地として用いられています。銀糸を使った銀通しちりめんもあります。

[京都府知事指定伝統的工芸品(京もの指定工芸品)]
提供:丹後織物工業組合 様

素材 絹、ポリエステル、レーヨン、ほか
製法・工法 【1】生糸
ちりめんの原料となる生糸が、製糸工場からカセの状態で(※1)箱づめで送られてきます。

※1…桛糸(かせいと)のこと。桛(紡いだ糸をき取る道具、木枠)からはずした糸を束ねたもの。

【2】糸繰り
カセになった生糸をボビン(糸枠)に巻き取ります。この作業が完全でないと、その後の製品のでき上がりにまで影響を及ぼすため、熟練の技術が要求されます。

【3】整経
たて糸を織機に仕掛けるための準備を行います。ボビン枠に巻かれた120~200本の糸を一度にドラムに巻取り、さらに男巻というビーム(※2)に30~50反分を巻上げます。

※2…経糸を巻いておくための棒もしくはドラム状の機構

【4】撚糸
よこ糸に撚りを掛ける作業です。丹後独特の八丁撚糸機を使い、水を注ぎながら糸1メートルあたり3,000~4,000回の強い撚りをかけて、シボのもとをつくります。

【5】製織
糸を織機に掛けて、織りの作業に入ります。紋ちりめんの場合は、ここでジャカード機を使い、たて糸とよこ糸で美しい模様を出しています。

【6】精練
織りあがったちりめんのセリシン(ニカワ質) や汚れを洗い流します。この作業を経てようやく、独特の風合を持つ純白のやわらかなちりめんとなります

【7】乾燥
精練が済んだちりめんを水洗・脱水し乾燥機にかけます。乾燥方法によってシボや風合に大きな違いが出るため、ちりめんの種類に応じた最適の方法が採られます。

【8】幅出し
乾燥後のちりめんは、幅・長さともに縮んでいるため、これを規定の幅・長さに整えます。

【9】検査
でき上がった全てのちりめんは、検反機にかけて1反ずつ厳重に検査します。

【10】出荷
厳しい検査を受けたちりめんには、合格品は赤色、不合格品は青色で、その結果を表示します。製品には丹後ちりめんの証であるブランドマークを押捺し、市場に送り出します。
歴史 丹後産地は我が国最大の絹織物産地で現在、日本で生産される和装用白生地織物(きものの生地)の約70パーセントを生産しています。

丹後地方(京都府の北部、日本海側に面した丹後半島一体)の絹織物の歴史は古く、1300年も前の奈良時代に、丹後の国鳥取で織られた絹織物が聖武天皇に献上(739年)され、現在でも正倉院御物として残っています。

南北朝時代の成立とされる『庭訓往来(ていきんおうらい)』をひもとくと、丹後で絹織物(丹後精好)が生産されていたことが記されており、古くから絹織物をこの地で織っていたという歴史が伺えます。また、300年前の江戸時代の享保5年(1720)、絹屋佐平治らが京都西陣より持ち帰った技術をもとに創織した「ちりめん」が、現在の「丹後ちりめん」の始まりで、その後瞬く間に丹後地方全体に広まったとされ、そのちりめん織りを峰山藩・宮津藩が保護助長し、丹後の地場産業として根付くことになったのです。

加えて、丹後地方の気候風土は、冬の季節風は雪をともなってきびしく、秋から冬にかけて吹く「うらにし」と呼ばれる季節風により、「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるぐらい湿気をともなった雨が降ったり、止んだりする日が続きます。この丹後地方の気候風土が、良質の水、適度な湿度をもたらし、今日現在まで丹後ちりめんを育んできたのです。

2020年、丹後産地を代表する絹織物「丹後ちりめん」は創業300年を迎えました。

伝統技法を護りつつ、職人たちの技術力、高度な加工技術により「ものづくり」の進化を続ける丹後産地は、丹後ちりめんをはじめ京都・西陣の生産基地としての機能も兼ね備えた、日本の和装文化を支える日本一の絹織物産地を形成しています。
さらに、職人たちの挑戦は和装分野にとどまらず、洋装、インテリア分野などへ拡がりを見せ、職人たちの技術、感性から創り出される多様性のある織物は、国内外の名だたるブランドからも高い評価を受けており、市場に新たな風を吹き込んでいます。

糸を「撚る」こと、それを巧みに「織る」ことを可能にした職人たちの技術は、今もなお世界最高水準の技術として受け継がれ、新たな価値を創造する源泉となっています。

丹後ちりめん創業300年は、伝統に裏打ちされたブランドをもとに、新時代の「はじまり」の年となります。

次なる100年に向けて・・・。
関連URL https://tanko.or.jp/

◆展示場所
丹後織物工業組合
〒629-2502 京都府京丹後市大宮町河辺3188
TEL:0772-68-5211 / FAX:0772-68-5300
TANGOOPEN




◆イベント開催
丹後ちりめんの動画を公開しました!ぜひご覧ください。

丹後ちりめんYouTube特別企画 Sheila Cliffe × Tango Artisan

丹後ちりめんプロモーション動画

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