総数:401件
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主要製造地域:石川県 |
《特徴》
象嵌とは、金属、陶磁器、木材などに模様を刻み込み、そこに金銀その他の材料をはめ込んで装飾を施す技法のことをいいます。金属象眼は彫金技法のひとつとして重要な表現方法で、「加賀象嵌」の主流をなす平象嵌をはじめ、いろいろな象嵌技法があります。
加賀象嵌の華麗で洗練された文様には、傑出した意匠感覚の鋭さがありますが、この優れた表現は精緻な技法に支えられています。金属素地の文様部分を鏨(たがね)で表面より底部を広げて彫り削って(このことをアリを切るという)、別の金属を嵌め込んで打ちならします。
すると、文様となる金属が表面より内部で広がった状態となって外れなくなるのです。この接合方法を加賀ではとりわけ精密に行って、豊かな表現を可能にするとともに、堅牢な仕事としての評判を高めました。
なかでも「鐙」は、加賀象嵌の代名詞でもあり、その卓越したデザインの斬新さと豪華さに加え、加賀象嵌は絶対に外れないと言われた技の入念さによって知られていました。
[ 石川県指定伝統的工芸品 ]
提供 : 加賀象嵌伝承研究会 様、 宗桂会 様
象嵌とは、金属、陶磁器、木材などに模様を刻み込み、そこに金銀その他の材料をはめ込んで装飾を施す技法のことをいいます。金属象眼は彫金技法のひとつとして重要な表現方法で、「加賀象嵌」の主流をなす平象嵌をはじめ、いろいろな象嵌技法があります。
加賀象嵌の華麗で洗練された文様には、傑出した意匠感覚の鋭さがありますが、この優れた表現は精緻な技法に支えられています。金属素地の文様部分を鏨(たがね)で表面より底部を広げて彫り削って(このことをアリを切るという)、別の金属を嵌め込んで打ちならします。
すると、文様となる金属が表面より内部で広がった状態となって外れなくなるのです。この接合方法を加賀ではとりわけ精密に行って、豊かな表現を可能にするとともに、堅牢な仕事としての評判を高めました。
なかでも「鐙」は、加賀象嵌の代名詞でもあり、その卓越したデザインの斬新さと豪華さに加え、加賀象嵌は絶対に外れないと言われた技の入念さによって知られていました。
[ 石川県指定伝統的工芸品 ]
提供 : 加賀象嵌伝承研究会 様、 宗桂会 様
素材 | 銅板素地、銀の板 |
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製法・工法 | 【1】 図の作成
黒味銅板素地をヤスリで平滑面にし、ゲージや複写紙を用いて図を描く。その後、図の輪郭を鏨(たがね)で彫る。 【2】 彫り 線彫り内を面彫りした後、彫り部分をキサゲで平滑にする。 【3】 打ち込み 彫られた形状にあわせて銀の板で同一の形をつくり、それを彫り部分に打ち込む。 【4】 象嵌 銀象嵌部分の上に重ねて赤銅を象嵌する。金(足)、銅(頭)部分を象嵌する。 【5】 磨き 全体を油目ヤスリを掛けた後、砥石で平滑面にする。朴炭で磨いた後、炭粉で鏡面に仕上げる。 【6】 発色 緑青と硫酸銅液の中で煮て、各金属を発色させる。 |
歴史 | 加賀象嵌の歴史は、16世紀末、加賀を支配した前田家が京都方面から技術を導入して始まりました。
当初は、武具や馬具などの製造に必須の技術で、加賀象嵌には、刀を飾る様々な刀装金具類と、騎乗の際に足を置く馬具(鐙 / あぶみ)の二つの系統がありました。藩は、それぞれ優れた技を持つ者を御細工人に登用し、奨励策によって磨かれた技能は、町方の職人たちにも強い影響を与えて隆盛を極め、加賀象嵌は、加賀特産の金工品として名声を博しました。 しかし、武家社会が崩壊すると象嵌の仕事は激減して多くの象嵌師たちが廃業してゆきます。それでも、政府による明治6年(1873)のウィーン万国博覧会出品を契機として、海外輸出向けの大型花器などの製作にその力量を発揮しはじめます。こうして加賀象嵌は、これまでとは全く異なる造形として受け継がれ、命脈を保つのです。宗桂会ゆかりの初代山川孝次は、この困難な転換期を生きた加賀象嵌のリーダーの一人として活躍した名匠でした。 昭和の戦後以降の金沢では、後継者が少なく技の継承が心配されていましたが、近年、象嵌に取り組む若い人が少しずつ増えてきています。今後は、これからの時代に相応しい象嵌による創作表現に挑戦する作家たちの新鮮で多彩な活躍が楽しみになってきました。 |
◆展示場所
◎石川県立美術館
〒920-0963 石川県金沢市出羽町2-1
TEL : 076-231-7580
開館時間 9:30~17:00(入館16:30まで)
◎石川県立歴史博物館
〒920-0963 石川県金沢市出羽町3-1
TEL : 076-262-3236
開館時間 9:00~17:00(入館16:30まで)
他、金沢市内の多数の美術館で展示されております。