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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


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総数:401件

伝統工芸品新潟県

新潟県
工芸品の分類 金工品
工芸品名 越後与板打刃物

主要製造地域:新潟県




《特徴》
上杉謙信の家臣が16世紀頃に刀職人を招き、打刃物を作ったのが起源とされ、刀鍛冶の高度な技術が受け継がれ、江戸中期には大工道具の産地として名声を誇りました。
与板の打刃物は、火造りの鍛造技法によるもので、その切れ味は抜群です。昭和61年3月12日には、国の伝統的工芸品に指定されました。

伝統的工芸品に指定された製品は、鉋(かんな)、鑿(のみ)等の大工道具が中心ですが、その技術を使って、現在では家庭用包丁やナイフ等も作られています。
伝統工芸士が首都圏で開催する包丁などの実演販売では、その持ち前の抜群の切れ味が来客者の方に好評です。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定)]
提供 : 越後与板打刃物組合 様

素材 鉄(地金)、鋼、接合材など
製法・工法 【1】 地金焼(じがねやき)・鍛造(たんぞう)
鉄を炉で加熱し、真っ赤に焼いたものを、スプリングハンマーで叩きながら、形を造っていきます。叩くのは、小さな材料を大きく伸ばすためだけでなく、叩いて丈夫な鉄へと鍛え上げるという、大事な意味があります。

【2】 鍛接(たんせつ)
地金と鋼を熱して叩く事で接合する作業の事をいいます。高温で熱した柔らかい地鉄に、鍛接剤をはさみ炉の中で赤めます。刃の部分になる硬い鋼を乗せます。熱した刃を火から取り出し、すばやくハンマーで叩き金属同士を接合します。
表面の酸化膜を水蒸気と共に飛ばすため時折、水をつけた金槌で叩きます。

【3】 焼きならし・鍛錬(たんれん)
焼きならしとは、鉋の鋼の組織を元に戻す、または強くすることです。
高温の鍛接作業で粗くなった鉄の結晶を整えます。その後、高温・中温・低温で熱して鉋の鋼の部分を鍛えます。

【4】 型板(かたいた)
鍛接された鉋刃を切断機で鉋の形にして金槌で叩きます。

【5】 焼き鈍し(やきなまし)
鉋の硬さを下げ、鉋を柔らかくして次の作業のしやすいようにします。

【6】 荒仕上げ
グラインダー(研削盤)で荒仕上げをします。

【7】 岡ならし
鉄が赤くならない程度の温度で熱処理することにより、鉋の鋼組織を強化します。

【8】 化粧打ち
鉋の裏の頭の方に模様をつけます。模様は模様のついた金槌を打ち付けます。

【9】 焼きいれ・焼き戻し
炉の中に鉋身(かんなみ)を入れ、焼き入れした後、たっぷり水を貯めた水槽に鉋身を浸します。
熱処理の度に、生じている歪を叩いて直します。
後に硬さを下げるため、低温で焼き戻しをすることによって鋼の粘さ(ねばさ)をだします。

【10】 砥ぎ入れ・刃付け
鉋身は水砥所(すいけんじょ)にて天然研石で刃付けを行います。
研ぎ終った鉋の鋼の艶を見ます。

【11】 台入れ
鉋身をあて仕込み角と押さえ溝の墨付けします。(現物合わせ)
鉋台の専用木工機械で台上端しを荒堀し、特殊工具(木工機械)で表なじみの荒仕上げを行い、刃口を貫通させます。
仕上げは、追い入れ鑿(のみ)などで掘ります。
歴史 越後与板打刃物の起こりは、今から450年ほど前の戦国時代にさかのぼります。
当時越後一帯を治めていた上杉謙信の四天王といわれた重臣の一人「直江大和守実綱(景綱ともいう)」が、天正6年に春日山より兼光・兼辰の流れを汲む刀剣師と鍛冶職人を与板に連れてきます。

その後、直江家を継いだ直江兼続はその技術を根付かせ発展させました。兼続は刀だけでなく鉄砲の開発製造にも力を入れたといわれています。与板の岩方地域や遠くの播磨の国(現在の兵庫県南西部)から砂鉄を運び、船戸地区に職人の工房を作りました。

以後徳川時代には、牧野氏と井伊氏とが与板に居城し、城下町として舟運の要として町も興隆をきわめました。享保年間には、与板の製品は品質の良い「土肥のみ」や「兵部のみ」として天下に知れわたります。

明治以後は、竜眠斎兼行などの刀工が刀剣を作るかたわら鉋(かんな)の製造に着手して、「大工道具」の生産地としての与板の名はますます高まりました。
 
戦国の世より400余年にわたり鍛えに鍛えられた与板の打刃物。現在も伝統工芸士を中心として技術を磨きあげながら伝統工法を守り伝えています。
関連URL https://yoita-uchihamono.com/

◆展示場所
詳しいお問合せは…
越後与板打刃物組合
 〒940-2402 長岡市与板町与板甲134-2(与板町商工会内)
 TEL : 0258-72-2303 / FAX : 0258-72-3328