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主要製造地域:埼玉県 |

江戸時代になると、商工業の発展とともに人形づくりが広く盛んに行われるようになりました。粘土人形や木製人形なども郷土みやげとしてつくられ、出世開運や商売繁盛を人形にたくして祈願することが流行したりしました。
3月と5月の節句に、人形飾りが行われるようになったのも、この頃。また、興行用としての糸あやつり人形やからくり人形も登場しました。子供たちの玩具としての人形や、観賞用としての衣裳人形、実在の人形を模した浮世人形なども作られるようになりました。
江戸時代から平成と西欧文化の影響などを受けながら、しかも日本独特の伝統を築きあげてきた岩槻の人形づくり。時代とともに少しずつ新しい技法が加えられてはいますが、人形にこめる人の心はいつの時代にも変わりありません。
天然の材料を使って主に手で作られるため、その温かみのある風合いは、日常生活にゆとりとやすらぎを与えてくれるでしょう。現在も人形師の手によって、ひとつひとつ丹念に手作りされています。
[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 岩槻人形協同組合 様

素材 | 桐粉、しょうぶ糊、胡粉、和紙など |
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製法・工法 | 岩槻の人形は、すべて昔ながらの手仕事でつくられます。丹念な手仕事による何百という工程を経て、ようやく一つの人形が仕上がります。
【1】 頭づくり 人形のよしあしは顔で決まってしまうと言われるほど、頭づくりはもっとも熟練した腕を必要とする工程です。まず桐粉としょうぶ糊を練ったもの(桐塑[とうそ])を型で抜き、乾燥させてから目をはめ込みます。そのあと何回も塗りを重ね、目鼻を小刃で切り出し、さらに上塗りをして肌の艶を出すために磨きます。 そして、細い筆で眉・まつ毛を描き、頬に紅をさし、口紅を入れ、小さな口もとに舌や歯をつけます。最後に植毛し、これを結いあげて頭が完成します。 【2】 手足づくり 頭と同じように、型抜きをした桐塑にご粉(顔料)を何回も塗り重ねて乾かし、上塗りをして仕上げます。 【3】 衣装つけ 縛り固めたわら束に和紙を貼り、手足をつけて土台をつくってから衣裳つけにとりかかります。衣裳は西陣織などの豪華な織物。和紙を裏貼りして裁断し、部分ごとに仕立てておきます。そしてまず襟を重ねますが、襟元は人形の骨格をだすきめどころ、胴づくりの重要な部分です。それから上着をきせ、振り付けをします。 【4】 小道具づくり 例えば、段かざりびなの小道具は全部で二十以上もあります。扇の絵付なども一枚ずつ手描きされ、細かい手仕事の連続です。 【5】 組立 仕上がった頭、胴、小道具を製造問屋がまとめ、組立てます。 |
歴史 | 岩槻の人形づくりの歴史は、日光東照宮の造営と深いかかわりがあります。
約370年前の寛永年間(1634年~1647年)三代将軍徳川家光公が、日光東照宮の造営にあたって全国から優れた工匠を集めました。当時岩槻は、日光御成街道の江戸から最初の宿場町であったため、東照宮の造営や修築に携わった工匠たちの中にこの土地に住み着いた者も多く、その人々が付近に数多く植えられている桐を使って箪笥などの製品を作るようになったと伝えられています。その中には人形づくりをする者もいて、その技術を広めたとされています。 また、新版風土記によると、元禄10年(1697年)京都堀川の仏師恵信が岩槻で病に倒れ、時の岩槻藩主小笠原長重氏の藩医の治療を受け、回復後も岩槻にとどまり、付近で産出される桐粉に着目し、しょうふ糊で練り固めて人形の頭を作り始めたと言われています。 岩槻周辺は桐の産地だったので原料の桐粉が豊富で、しかも人形頭の塗装に使用する胡粉の溶解、発色をよくするために重要な水に恵まれていました。 こうして恵信の残した桐塑頭の技法は、藩の武士や農家の人々の内職・趣味・兼業等によってその後も受継がれ、幕末には岩槻藩の専売品に指定されるほど重要な産業となり今日に受け継がれています。 |
関連URL | http://www.doll.or.jp/ |
◆展示場所
詳しいお問合せは…
岩槻人形協同組合
〒339-0057 埼玉県さいたま市岩槻区本町5-6-44 岩槻商工会館内
TEL : 048-757-8881 / FAX : 048-757-8891
◆イベント開催
岩槻人形協同組合
人形づくりに見られる伝統や、古き良きものを大切に守り続けてきた岩槻には、その歴史にふさわしい催事・イベントが多くあります。
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