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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


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総数:401件

伝統工芸品三重県

三重県
工芸品の分類 その他工芸品
工芸品名 日永うちわ

主要製造地域:三重県




《特徴》
うちわは、高松塚古墳の壁画にみられるように、風や光、塵を防いだり、顔を隠したり、装飾用として、かつて中国から朝鮮を経て伝わり、奈良時代に貴族の間で用いられたのが始まりです。戦国時代には武将の軍配としても用いられました。

手作りの竹うちわは、持ち手の部分の作りから、大別すると「平柄」「挿柄」「丸柄」の三種類になります。

「平柄」は、大きな竹を割って平らに削ったもので、持つ部分が平たいうちわです。
平柄うちわは主に四国の丸亀で作られています。
 
「挿柄」は、扇面と把手が別に作られ、細い骨を一本ずつ放射状にならべて、後から柄をつけたうちわです。挿柄うちわは主に京都で作られています。

最後に挙げるのが、丸い竹をそのまま使った「丸柄」です。日永うちわはこの丸柄うちわ(丸竹うちわ)になります。「持ちやすさ」という面を追求した結果、頑丈で弾力性に富むこのようなうちわが誕生したのです。

一本の細い竹をそのまま使っているので、柄が丸く、手によくなじみ、持つとひんやりと心地よい感触がします。また、釣竿と同じ女竹を使っており、それを細かく割き、交互に袋状に編んでいるので、竹が弓のようにしなります。

立体的な竹を平らな扇状に張り上げるので、加工が難しく、高い技術が必要となってきますが、そのために、扇ぐ風が柔らかくなびくという何とも優雅な持ち味をかもし出しているのです。

いかにして心地よい風を出すか...うちわの命ともいえるものが、風なのです。
日永うちわは丸竹にこだわり、300年の伝統を守り続け、今に受け継がれております。

昨今では、古くからの伝統を守り続けなげら、現代のニーズに合わせ、うちわづくりは変化し続けています。祭りの際に便利な柄の長いうちわ、笛つきのうちわ、また布製のうちわ、消臭うちわや虫除けうちわなど、さまざまなうちわが考案・製作されています。

[ 三重県指定伝統工芸品 ]
提供 : 株式会社 稲藤 様

素材 竹、和紙など
製法・工法 【1】 竹挽き
鋸を使って、長い竹をうちわの寸法に切断します。

【2】 一晩水につける
骨の部分を割りやすくするため、水につけて柔らかくします。

【3】 割り
丸柄を節目まで半分に割り、それを32本ずつに割ります。計64本の骨が出来上がります。

【4】 竹をねかせる
作業しやすいように、竹をしばらく ねかせます。

【5】 糸を張る
64本の骨を交互に編みこめるよう、糸を張っていきます。

【6】 カマをはめる
うちわでいう、弓竹の部分を取り付け、カマに糸を結びつけます。これで骨組みの工程は終了です。

【7】 紙断ち
絵入紙、耳等を貼立ての型にあわせ、型断ちをします。

【8】 貼立て
竹と紙を糊付けします。両面に貼れたら押さえをして形を整え、乾燥させます。

【9】 あご切り
弓竹の下部の、不要な紙の部分を切り取ります。

【10】 型切り
満月型や玉子型の型に、専用の道具を用いて叩き切ります。

【11】 へり取り
細長い紙で縁を巻いていきます。紙を周りからはがれにくくするためです。

【12】 耳貼り
両側の骨と紙との境目の部分に、元飾りを貼る作業です。

【13】 筋入れ
ローラーなどで圧縮し、紙部分の骨目を筋立てさせ完成です。
歴史 元々、うちわは中国から渡ってきたもので、貴族や豪族の人が装飾品としたり、風塵や日光をよけるためのものでした。そのようなうちわが 一般の人々にまで 使われるようになったのが江戸時代なのです。

江戸時代、東海道 日永の宿では、「日永うちわ」「永餅」「日永足袋」が三大名物として土産物として売られていました。
日永うちわが作られ始めたのは、今からおよそ300年ほど前と言われています。天白川や鹿化川など、地元の川岸に良質な竹が多く自生していて、それを原料に農家の人々が農閑期に作り始めたのがきっかけと伝えられています。お伊勢詣りの土産物の一つとして、好評を得ていました。
お伊勢詣りの途中、気に入った絵柄を注文して、帰り道に再び立ち寄り、出来上がった日永うちわを全国各地に持ち帰ったそうです。
街道には十数軒もの製造業者、多くの土産物屋があり、賑わっていました。
関連URL http://www.inatoh.co.jp/

◆展示場所
稲藤 四日市店
 〒510-0885 三重県四日市市日永4-4-48
 TEL : 059-345-1710 / FAX : 059-347-1379
 営業時間 : 10:00~19:00
 定休日 : お盆、正月