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![]() |
主要製造地域:福井県 |
![](/images/item/油団01.jpg)
油団とは、和紙を厚く張り合わし油をひいた、夏に用いられる敷物のことです。こげ茶の渋い色をしていて、座るとひんやりと心地よいのが特徴です。
「柱影映りもぞする油団かな」と高浜虚子が俳句に詠んだように、柱の影が映るほどにつるつるとした表面で、俳句の夏の季語にもなっています。
油団は大量の和紙を使用し、多大な手間ひまをかけて製作されます。紙は主に美濃紙や傘紙、提灯紙などを使います。傷んでしまったものは、傷がひどい部分を切り取り少し小さくして使用したり、傷の部分をはぎとって別の油団のはぎれを貼って修復もできます。水気のものをこぼしても、すぐに拭き取ればシミになることはありません。
現在は電化製の冷房機器が多くありますが、便利な道具がない昔は、夏の暑さを凌ぐために活用されていました。油団の表面付近は荏胡麻油が浸透していて隙間がなく、プラスチックのようになっています。中層よりも下層に多く隙間が見られ、この構造によって断熱効果があります。夏の暑い時、上に座っても体温が伝わるので、長時間座ってもプラスチックのようにすぐに温まるのではなく、いつまでもひんやりと涼やかな心地よさを保つことができます。天然素材で作られた油団は、地球にやさしい天然のクーラーとも言えます。
[ 福井県指定無形民俗文化財 ]
情報提供 : 紅屋紅陽堂 様
画像提供 : 鯖江商工会議所経営支援課 様
![](/images/item/油団02.jpg)
素材 | 和紙、荏胡麻油、渋、柿、糊など |
---|---|
製法・工法 | 【1】 表紙裁断・貼り上げ
和紙を継ぎ貼りします。糊が乾くのを待って油団台(床の上に和紙を袋貼りしたものに柿渋を引いたもの)の上に、紙の表面を下にして約1寸(約30mm)の糊しろで貼り上げます。そこに楮100%の生漉和紙を貼り上げます。 【2】 裏打ち 1分(約3mm)程度の重なりで、6畳の場合6畳分貼り継いだ1枚紙になるよう貼り合せていきます。これを何回か貼り重ねていきます。この段階では、油団を使わないときは表を中にして巻いて蔵などに収めるのですが、その巻く方向に対し紙の目が横目になるようにして、3回貼り重ねます。 【3】 墨打ち 仕上げ寸法に墨つぼを使って線を引きます。 【4】 裏打ち 墨打ちの内側に、5~6匁(1匁 約4g)を、2回目横目の後5~8匁の紙縦目、横目という具合に6回交互に、紙の厚みが 厚い・薄い と交互に貼ります。最後にまた3回横目に貼り重ねます。 最終的に貼り重ねる枚数は13~15枚で、だいたい4mm程度の厚さにします。貼り合せの際は、生麩糊を塗り、しわにならないように貼りつけ、打ち刷毛で叩きます。1層ずつ貼る前に、小刀で紙の中のゴミを削り取ります。 【5】 耳曲げ 充分乾燥した後、油団台から竹へらを使って起こし、墨打ちの外側の部分を1寸3分残し断ち切ります。油団の端の補強のため、この残した部分を裏側へ折り込みしっかり上から押さえます。耳曲げされた部分のはがれを防ぐためと台貼りするために、耳曲げ部分に5分かぶせ、油団の外側に1寸5分ほど出して、油団台に貼り上げを行ったり、場合によっては裏側に1枚紙を貼ったりします。 【6】 渋引き 油団台に貼り上げ、裏に防虫、防腐、ケバ押さえのために柿渋を塗ります。口霧吹き付ける場合と、布に柿渋を浸したもので塗りこむ方法があります。 【7】 耳そぎ 油団台より油団を竹へらで起こし、糊しろ部分を小刀で削ぎ落とします。 【8】 油引き 表に荏胡麻油を塗ります。布に油を含ませ、1回塗った後、すぐに2回目を塗ります。 【9】 天日干し 1日ほど油をよく染み込ませておいてから、その日のうちに油団干し専用の屋根に広げた状態で天日干しします。 【10】 寝かし そのまま1ヶ月ほど、油が紙によく染み込むよう油団を表に向け寝かしておきます。 【11】 艶出し 干し終わると、表面の仕上げをします。つぶした豆腐を木綿の布に包んで、油団の油の表面に刷り込んでいき、その後すぐに乾いた布で磨き込んでいきます。 |
歴史 | 油団の起源は定かではありませんが、福井の大安寺地区の、昔 四ヶ村と呼ばれていた地域は、地形的に田地が少なく、大雨の時は冠水のため米の収穫がおぼつかない時もあり、住民の生活は苦しいものでした。
このような厳しい状況の中、大道和尚は少しでも生活を補う手段として手漉き紙を作ることを推奨しました。 幸いこの土地は山を背景にしていくつも谷川や湧き水があり、豊富できれいな水は紙づくりに適しており、四ヶ村ではこの和紙を使った油団づくりが盛んであったと伝えられています。 昭和30~40年頃は、景気がよく注文が多く、福井の表具屋は100店舗以上、油団を作っていた店舗も多くあったと言われています。 電化製品等の普及や、製作に大変手間がかかるため(6畳を毎日3人で作業しても、1ヶ月はかかります) 今現在、油団を作っている店舗は1店舗のみとなりましたが、伝統の技を絶やさないよう受け継いでいます。 |
◆展示場所
紅屋紅陽堂
〒916-0087 福井県鯖江市田村町2-10
TEL : 0778-62-1126