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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


都道府県

総数:401件

伝統工芸品兵庫県

兵庫県
工芸品の分類 金工品
工芸品名 播州鎌

主要製造地域:兵庫県




《特徴》
小野市は、そろばんや金物、木数工芸品という複数の地場産業を抱え、しかもそれぞれの製品の全国におけるシェアが第1位という、めずらしい都市です。

中でも250年の長い歴史を誇るハサミ、鎌、包丁、カミソリなどの家庭刃物のうち、とりわけ播州鎌は、全国での生産量の約70%を占め、その鋭利さから「カミソリ鎌」と呼ばれています。

府中(福井県)や越後(新潟県)に並び、打刃物の日本三大産地の一つ、播磨。
特徴としては、刃がうすく研ぎやすいことや、 切れ味が良く刃こぼれしづらく、錆びにくい高級品であることなどであり、全国的にも評価が高い工芸品です。種類も片刃鎌、両刃鎌、鋸鎌、背付鋸鎌、ねじり鎌など多彩。関西圏に近接することもあり、国内で他産地が衰退していくなか、発展を続けました。

現在もニーズに合わせた多様性に富んだ製品を生産し、小野市の主要な地場産業となっています。

[ 兵庫県指定伝統的工芸品 ]
提供 : 小野金物商工協同組合連合会 様

素材 鉄、鋼など
製法・工法 【1】 地鉄と鋼を接合
熱した鉄と鋼を叩いて合わせます。

【2】 鋳造・鋳造整形
材料を火床で加熱します。
熱せられ全体が均一に赤くなった材料を火床から取り出し、ハンマーで叩きながら形を造っていきます。

【3】 焼入
鍛造工程よりも高い温度で加熱します。様子をみて取り出し、すばやく水槽に沈めます。鎌を硬くするための工程です。

【4】 研磨・仕上げ刃付
鎌の表面部分を削り、平滑にしていきます。仕上げに鋭利な刃をつけ、丁寧に研いでいきます。
歴史 明治維新後、旧一柳藩のお抱え刀鍛冶であった藤原伊助が、刀鍛冶技術と剃刀(カミソリ)鍛冶技術を合わせ、鎌に応用したのが起源とされています。
以後その切れ味の良さもあり「カミソリ鎌」と呼ばれ、消費者に評価され受け入れられました。

明治に入ると問屋が勃興し、全国へ販路が開拓されました。
また明治中期に入ると、高価な和鋼から安価な洋鋼への転換期があり、そんな中、性質の違う洋鋼に合わせた製法を確立、品質や生産性の向上かつ廉価生産が可能となり、売上の向上、近郊農家の副業として普及、発展していきました。

さらに昭和初期には、朝鮮、東南アジア、満州にも製品を輸出し、最盛期を迎えます。戦後は農業の機械化や輸出減少などの変化で、一時停滞した時期もありましたが、現在も品質改良や生産技術の向上など研究、研鑽が積み重ねられ、高度化が進められています。