総数:399件
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主要製造地域:埼玉県 |
《特徴》
秩父の山々と、関東平野に根付いた人々の暮らしが交差する『武蔵の小京都・小川町』は、建具、絹、酒、和紙など、自然の恵みを活かしたものづくりを得意とする、職人の町として栄えてきました。
なかでも1300年の歴史をもつ小川和紙は、伝統ある製法で作られる「細川紙(ほそかわし)」の技術をもとに、江戸・東京で生まれる様々な需要にいち早く、そして幅広く対応することで発展してきました。
細川紙の伝統と、日々変わりゆく暮らしとともに深化する技術は、代々職人たちに受け継がれ、小川和紙は今なお多くの人々に愛されています。
[ 埼玉県知事指定伝統的手工芸品 ]
提供 : 久保製紙 様
秩父の山々と、関東平野に根付いた人々の暮らしが交差する『武蔵の小京都・小川町』は、建具、絹、酒、和紙など、自然の恵みを活かしたものづくりを得意とする、職人の町として栄えてきました。
なかでも1300年の歴史をもつ小川和紙は、伝統ある製法で作られる「細川紙(ほそかわし)」の技術をもとに、江戸・東京で生まれる様々な需要にいち早く、そして幅広く対応することで発展してきました。
細川紙の伝統と、日々変わりゆく暮らしとともに深化する技術は、代々職人たちに受け継がれ、小川和紙は今なお多くの人々に愛されています。
[ 埼玉県知事指定伝統的手工芸品 ]
提供 : 久保製紙 様
素材 | 楮(コウゾ)、三椏(ミツマタ)、雁皮(ガンピ) |
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製法・工法 | 「和紙作り」と聞くと「紙漉き」や「天日で干している板干し」が有名な作業で、ご存知の方も多いかと思います。しかし、実際の和紙作りの現場では原料の調達からその処理、仕込みから始まり、選別や加工まで多くの工程を経て製品となっています。
<<和紙の出来るまで>> 【1】 原料 和紙を作るための原料として有名な植物が「楮(コウゾ)」、「三椏(ミツマタ)」、「雁皮(ガンピ)」の3種ですが、植物としての特徴が異なるため、出来上がった紙もそれぞれ異なった特徴が出ます。 【2】 原料処理 ◆蒸煮 原木を釜の大きさに切り分け(当工房では70㎝程度)束にし 、釜で約2時間蒸します。蒸しあがったらバケツで3~4杯の水をかけ、木から皮が剥がれやすいようにします。また、釜から引き上げた後、さめないようにムシロをかぶせておきます。 ◆剥皮 蒸しあがった楮から外皮だけを剥ぎ取 ります。剥ぎ取られた皮は、完全に乾燥するまで天日干しにします。 ◆楮ひき 楮の皮は外側から順に「黒皮」、「甘皮」、「白皮」という三層でできていて、「白皮」が紙の原料となる繊維を多く含んでいます。作る紙に応じて外皮を削っていく 作業が「楮ひき」です。作業の下準備として、乾燥した楮をもう一度水につけ、やわらかくしておきます。楮ひきの終わった楮は再び乾燥させ、使用するまで保存しておきます。 【3】 煮熟 乾燥した原料を再び水で柔らかくし、さらに煮る作業をすることで、柔らかくします。不純物を煮出し、その後アクを洗い流し、チリを取ることで紙の原料となる 上質な繊維だけを残します。 ◆煮熟 楮は乾燥して保存しているため、楮は煮る前に、2、3日水槽に浸して、やわらかくしておきます。楮の重量に対して15~20%のアルカリ性薬品(ソーダ灰、苛性ソーダなど)を入れた水溶液で約2時間~3時間煮、皮から不純物を溶かし出し、やわらかくします。また、伝統的な製法では木や草の灰を使用していました。なお、小川町では「かず煮」と呼びます。 ◆灰汁抜き~ちりとり 小川町では「楮を晒す=かずさらし」という言葉からから「かっつあし」とよばれています。「さらす(晒す)」とは狭義ではアクを抜き、漂白することですが、小川町ではアク抜きから「ちりとり」までの作業を 総称してこのように呼んでいます。 かつては川でこの作業を行っていましたが、現在では水槽に水をはって行っています。 「さらし」は2、3日流水に楮を浸すことで、天日の紫外線と水中の酸素の作用によって繊維を白くする作業で したが、現在では塩素による漂白が一般的です。単にアクを抜くだけの場合もあり、それらは「未晒し」と呼ばれます。 晒された楮を、少しづつ棒で引き上げながらゴミや硬い繊維、スジなどを取っていくのが「ちりとり」です。取られたちりは「ヨゴ」と呼ばれ、スリッ皮などと供に別の用途で使われます。 【4】 打解・叩解 次の作業(紙漉き)の際に水中で繊維がバラバラに散るよう、樫などの硬い木の棒で楮を叩き、繊維をほぐす作業です。現在では両作業共に機械化がされています。 ◆打解 「タイコ」という重しを動力で跳ね上げては落とすという動きを繰り返す機械で、約30分 、楮を叩いていきます。 ◆叩解 巨大なミキサーのような機械で、打解済みの楮であれば5分程度で作業は終わります。洋紙原料(木材パルプ)はほぐす時間によって風合いが変わるため、用途によってかける時間を変えています。打ち終わった楮の繊維は綿のようにバラバラにほぐれています。 【5】 紙漉き 綿状になった原料とネリ(トロロアオイなど)を水槽に入れ、1枚ずつ紙にしていきます。 ◆道具 漉き舟(すきふね) … 水と原料とネリを入れる水槽 馬鍬(まぐわ) … 漉き舟の中をかき混ぜる道具 漉き桁(すきけた) … 紙すきの木枠 漉き簀(すきす) … 細かい竹ひごから作られるすだれ 弓(ゆみ) … 漉き桁をぶら下げて支える竹 敷き詰め(しきづめ) … 出来上がった濡れた紙を詰んでいく台(小川町に限っての名称) ◆ネリ 一般的にはトロロアオイ が使用され、小川町では「トロ」と呼んでいます。この粘液を濾して漉き舟にいれ、再度攪拌します。接着剤のような働きはなく、主な働きとしては以下の2点が挙げられます。 → 水槽の中で繊維を均一に分散させることで、繊維を均一に組み込むことが出来るようになる → 簀(す)の間からの濾水を緩やかにし、桁(けた)を揺すり、波を立てる時間を作ることができる ◆紙漉き 簀を挟んだ桁で水を汲み、揺すり、水を汲み替えて厚さをつくり、不要な水を捨てるという一連の作業です。まず、ひと汲み目はすぐに流す化粧水(けしょうみず)といい、簀の上に薄い繊維の層を作ります。その後水を汲みいれ、波を立てるように揺すり、繊維が絡み合いながら簀の上に乗るようにし、丈夫な紙にします。厚さは簀の透け具合で判断し、ちょうどよい厚さになったら、水を払って完成です。 ◆紙床に積む 出来上がった濡れた状態の紙、「湿紙(しっし)」を、背後の「紙床」に積み重ねていきます。紙の厚さにもよりますが、1日作業をすると、紙床は十数センチ~数十センチまで高くなります。 【6】 圧搾 紙漉きは1日で約150~200回ほどの作業となり、かんだ(紙床)は水を含んだ状態で高くなっていきます。このかんだを台に乗せ、油圧ジャッキ などで押し、水分を搾り出します。一気に押すと紙が伸びてしまうのでゆっくり時間をかけて押します。 【7】 乾燥 搾ったかんだから湿紙を1枚づつはがし、鉄板や木板に貼っていきます。中心から外側に向かってはくことで、シワをつけないように気をつけます。紙干しには「鉄板乾燥(蒸気乾燥)」と「天日乾燥(板干し)」があります。 ◆鉄板乾燥(蒸気乾燥) 鉄板乾燥は、ステンレス製のパネルの中に熱湯を満たし、その熱で乾燥させる方法です。 かみのあつさにもよりますが、2~5分程度で乾燥ができ、天候にも左右されません。出来上がった紙は平滑で、天日乾燥のものよりも硬く仕上がります。 ◆天日乾燥(板干し) 板干しは木の板に紙を貼り、日光により乾燥させる方法です。季節と時間にもよりますが、1~3時間で板の両面の紙が乾燥できます。 【8】 選別・加工 干しあがった紙は1枚づつ選別し、キズや汚れのある紙、厚さが異なる紙と正規の製品を仕分けていきます。また、用途によって様々な加工を施し、最終製品に仕上げるものもあります。 |
歴史 | ◆発祥:古文書からの推測
小川和紙の発祥を明確に判断できる資料は現在見つかっておらず、その起源については現存する書物から推測するしかありません。 まず、現在の小川町を含む「武蔵国」において紙すきが行われていたという最も古い記述は奈良時代(宝亀5年、774年)の「正倉院文書」の中の『武蔵国紙四百八十張、筆五十管』という記述があります。 また、少し時代を経た平安時代の「延喜式」(927年)にも、同様「武蔵国」の中男作物として紙があげられています。これら資料から、武蔵国では1200年前に紙すきが行われていたと考えられます。しかし、これら記述からは「武蔵国」のどの地域で紙を製造したかははっきりとはしておらず、これをそのまま小川和紙の起源とすることは出来ないであろうと指摘されています。 一方、841年の書物「類聚三代格」には、小川町に隣接する男衾郡(現在の寄居町)での製紙が取り上げられることから、小川町周辺でもこれと同時期(800年代中期)に紙すきが行われていたと推測されています。 ◆発祥:周辺での出来事からの推測 小川和紙の起源について、現在の小川町周辺での出来事からも様々な推測がされています。かつて盛んに言われた説として、正倉院文書の時代からさかのぼることおよそ100年、小川町に隣接する現在のときがわ町にある慈光寺の創建(白鳳2年、673年)に伴い、盛んに写経が行なわれたため、これが小川和紙の発祥と関連があるのではないか、とするものもありました。 しかし、現在ではこれを否定する説も出ており小川和紙の起源とは断定できなくなっています。 また、716年、武蔵国内に高麗人を集住させて高麗郡を設けたことが分かっており、高麗からの新しい技術として製紙が伝わったのではないかとの見方もあります。 ◆発祥:起源に関する一般的な見方 現在、小川和紙の発祥に関するおおよその目安としては、以下を理由として今から1300年前程度と言われています。 1. 「類聚三代格」に記された男衾郡での製紙実績を理由として、1150年前には小川町でも確実に製紙が行なわれていたであろうこと。 2. 地理的に製紙に適し、耕地面積的に農作物以外のものを税として納める必要があったであろうことから、1200年程度前の正倉院文書にある「武蔵国での製紙実績」に小川町も含まれるであろうと推測されること。 3. 正倉院文書に記され、税として納められるだけの製紙技術ができるまでの成熟期間としての期間があったものと考えるべきではないか、ということ。 これらを理由として、小川和紙の発祥は正倉院文書に記されるまでの100年程度を技術成熟期間とし、1300年程度とすることが多くなっています。 |
◆展示場所
有限会社 久保製紙
〒355-0321 埼玉県比企郡小川町大字小川1116-2
TEL&FAX : 0493-72-0436
営業時間 : 8:00~18:00(毎週月曜日定休)