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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


都道府県

総数:400件

伝統工芸品愛知県

愛知県
工芸品の分類 石工品・貴石細工
工芸品名 岡崎石工品

主要製造地域:愛知県




《特徴》
こつこつと石に挑み,石に囲まれて、信仰と心の糧を求め続けてきた岡崎の石工達は、春日型立灯篭を例にとれば、玉の下場づくりに始まり、実に48もの工程を黙々とこなしていきます。

そこに秘められた静かな情熱を、小ベラに託して、今日も直線と曲線の微妙なニュアンスを、生み出す伝統的な技法・技術を踏襲し、かつ現代にマッチし、現代人の暮らしに、ほのぼのとした燈りをともすべく、石と共に歩んでいます。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定)]
提供 : 岡崎石製品協同組合連合会 様

素材 岡崎花崗岩
製法・工法 【1】玉
[1-1]下場造り
[1-2] 芯出し
差し金、定規を用いて荒石の天場の中心を出します。
[1-3] 短出し
差し曲げ等を用いて切削した下場面の中心点をはかり、分まわしを用いて玉の直径を墨出しします。
[1-4] 荒取り
[1-5] 荒造り
墨出しをした荒石にのみ、こやすけを用いて荒造りをします。
[1-6] 仕上げ
玉の表面にびしゃん、たたきを用いて仕上げをします。

【2】笠
[2-1] 天場造り/下場造り
[2-2] 芯出し
[2-3] 短出し
差し曲等を用いて切削した下場面に四角形の寸法を測り墨出しをします。
[2-4] 荒取り
墨出しした荒石にせっとうとこやすけの道具を用いて荒取りします。
[2-5] 墨出し
荒取りした荒石にむくりを作りだすため、墨出しをします。
[2-6] 荒造り
むくりを作りだすための墨出しをした荒石に、せっとうとのみを用いて軒を造りながらむくりを出す荒造りをします。
[2-7] 仕上げ

【3】 火袋
[3-1] 天場造り/下場造り
[3-2] 芯出し
[3-3] 短出し
差し曲等を用いて切削した下場面に四角形の寸法を測り墨出しをします。
[3-4] 荒取り
墨出しした荒石にせっとうとこやすけの道具を用いて荒取りします。
[3-5] 荒造り
荒造りをして4面体にした後穴掘り2面、窓堀り2面の墨出しをします。
[3-6] 墨出し
[3-7] 穴掘り
火袋に合った円筒を用いて墨出しをし、のみを用いて円筒のはまるみぞを掘り、穴掘機で所定の寸法に切り込みます。
[3-8] 窓堀り
[3-9] 仕上げ

【4】 受
[4-1] 天場造り/下場造り
[4-2] 芯出し
差し金、定規を用いて荒石の天場の中心を出します。
[4-3] 短出し
差し曲等を用いて切削した下場面に四角形の寸法を測り墨出しをします。
[4-4] 荒取り
[4-5] 荒造り
墨出しをした荒石にのみ、こやすけを用いて荒造りをします。
[4-6] 仕上げ

【5】 柱
[5-1] 天場造り/下場造り
[5-2] 芯出し
差し金、定規を用いて荒石の天場の中心を出します。
[5-3] 短出し
差し曲等を用いて切削した下場面に四角柱に十字架を形象化したものを墨出しをします。
[5-4] 荒取り
[5-5] 荒造り
墨出しをした四角柱にのみ、こやすけを用いて荒造りをする
[5-6] 彫刻
[5-7] 仕上げ
歴史 岡崎石工品工業は、約400年前永禄年間に始まったといわれています

十三重の塔 庶民の深い信仰心に支えられ、江戸時代に入り飛躍的な発展を遂げ、弘化元年(1844年)から嘉永4年(1851年)に作られた「参河名所絵図」に

・・・石工伝馬町北裏にあり、石切町と言う、両側倶に石工並び数十軒あり、其の製する所、当処を以って最上とす、故に近国更なり、 江戸、大阪に運送して、盛んに東西都会へも 送り出したものである。

と記されなど、当時の繁栄ぶりがうかがわれます。
その背景として、近くの山からとれる極めて良質の花崗岩(みかげいし)があったこと、次に東海道の宿場町で往来の人々が優れた石工品を直接目にする機会に恵まれ、参勤交代の折、諸大名が徳川家由来の神社仏閣に、この地で買い求めた燈篭などを上納したこと、 更に矢作川の水運を利用して、川舟千石船が重い石燈篭を 容易に江戸や大阪へ運ぶことができた、
・・・などの好条件が揃っていたことです。

城下町の整備を図り、その時,河内の国から移住させられた石工達は、その技法・技術に磨きをかけ春日型燈篭,六角雪見型など岡崎石工品の原型を作り出しました。
関連URL http://www.aiweb.or.jp/ishirengo/