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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品東京都

東京都
工芸品の分類 その他工芸品
工芸品名 江戸切子

主要製造地域:東京都




《特徴》
切子は、ガラスの表面に、金属製の円盤や砥石などを使って、さまざまな模様を切り出す技法です。江戸切子はこの技法によって作られています。

菊や麻の葉などの植物や、篭目・格子など江戸の生活用具を図案化した模様が、伝統模様として受け継がれています。江戸切子の柄は、それらを巧みに組み合わせて作り出されます。

かつては透明なガラス地にカットを施した「透き」と呼ばれる製品が主流でしたが、近年では、透明なガラス地の表面に色ガラスの膜を被せたガラスをカットした「色被せ(いろきせ)」の製品が主流となっています。

「色被せ」の製品は、色地の部分と透明部分の対比がはっきりした、メリハリの効いたカットに特徴があります。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供:江戸切子協同組合 様

素材 ガラス・色被硝子
製法・工法 【1】割り付け
模様の見当となる横線を引き割り付け機で縦線を引きます。下絵はありません。

【2】粗摺り
大きな模様を初めに削ります。回転する円盤状のダイヤモンドの刃にガラスを当て削って模様をつけて行くのですがカットの幅、深さ、形などによってさまざまな種類の刃を使い分けます。

【3】三番
ダイヤ500番の砥石を使い、更に細かな模様を削ります。

【4】石掛け
回転する砥石にガラスを当てて荒削りでカットした面を滑らかにします。

【5】磨き
ソーダガラスの場合は全体を木盤やベルト盤を使って細かい石の粒子(磨き粉)を付けて丹念に磨きます。更にブラシや布を使う場合もあり模様によって磨く道具も使い分けます。これで完成です。クリスタルガラスの場合は薬品処理するためにこの工程は要りません。
歴史 江戸時代後期に製作された江戸切子は、薩摩切子と共に江戸期のすぐれたガラス工芸品として現存しています。しかし、二者にはその発生と製造の経過に、明らかな相違がみられます。薩摩切子は、藩主島津斉彬の手厚い保護のもとに、藩の事業として製作されたもので、当時としては最高の研究と開発の結果出来た美術工芸品であります。

これに対し、江戸切子は庶民の手によって、その採算の枠の中で製作されたもので、明治維新の政治的改革にも影響を受けなかったばかりか、明治初期に政府が欧米の文物の導入に積極的な方策をたて、模範工場を指定した際に、品川硝子製造所の名の下に、ヨーロッパの新しい技法が導入され、切子については明治15年に、英人技師エマヌエル・ホープトマンによって、伝習生に教えられたので、江戸時代の切子の伝統は絶えることがなく、近代工業の要素を取り入れることになり、今日まで長く存続する基礎を作りました。

薩摩切子は、藩主島津斉彬の死と薩英戦争の戦火によってガラス工場は焼滅し、伝統を伝えるものはなくなりました。従って、江戸切子は、我が国に現存する貴重な江戸時代の伝統工芸品の製作技法と言えます。
関連URL http://www.edokiriko.or.jp/

◆展示場所
江戸切子協同組合 ショールーム
 火曜日~日曜日 午前10時~午後6時
 定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
 〒136‐0072 東京都江東区大島2-40-5
 TEL.03-3684-6321 FAX.03-3681-1422



◆イベント開催
江戸切子の日 7月5日
江戸切子の模様である「魚子(ななこ)」からの語呂合わせです。