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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品山梨県

山梨県
工芸品の分類 その他工芸品
工芸品名 甲州手彫印章

主要製造地域:山梨県




《特徴》
文字文化4,000年の歴史のなか、最も美しい篆書を中心に、今彫ろうとする印章の文字のデザインを考え、字割り、字入れ、粗彫、仕上げ等すべて手作業で、昔ながらの道具と技法で行っています。

完成された印影の美しさの追求と、それを表現するための印刀捌き、私達は、古くから伝承された技術を、次の世代に引き渡していきます。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 山梨県印判用品卸商工業協同組合 様

素材 ツゲ・水牛・水晶
製法・工法 1 : 印材吟味
2 : 印面調整(印面撰)(印面の凹凸を平らにする)
3 : 書体選定
4 : 印稿作成(文字・書体を選定し和紙に完成時の文字を書く)
5 : 朱塗り
6 : 字割(彫刻文字の配置・配分をする)
7 : 字入(印稿の文字を見ながら印面に直接、左文字を書く)
8 : 字入見直し

【ツゲ・水牛】
9 : 粗彫(入念に書き込まれた文字を傷つけないように慎重に彫り上げます)
10 : 印面調整(印面に生じたケバ等を取り除き平らにする)
11 : 墨打
12 : 字直し(印面に墨を塗り、判差刀で文字を整える)
13 : さらい
14 : 印面磨き
15 : 捺印
16 : 仕上げ(捺印し、不備な箇所を捕刀して仕上げる)

【水晶】
9 : 粗彫(丸刀で文字以外の場所を彫る)
10 : 字直し(平刀え文字を整える)
11 : さらい(さらい刀で文字以外の所を深く彫り整える)
12 : 仕上げ(捺印し、不備な箇所を補刀して仕上げる)
歴史 【印章の歴史】
メソポタミヤ文明で発祥した印章は、エジプト文明へ、また、インダス・中国文明へと伝播し、特に中国では最も発達した形で使われるようになります。

中国では今から約2,200年前、秦の時代、始皇帝が中国の統一を果たし度量衡を定め、文字の統一を行い(篆書体が作られ)、官印の制度(印章制度)を定め、印章も篆書体で彫刻されて、以来今日もその基本になっています。
ところで何故「印章」というのか…、それは皇帝の使う印章に「璽」の文字を使い、臣下の使う官印や私印を「印」、丞相や大将軍の印を「章」と呼びました。
それから「印」と「章」を合わせて「印章」と呼ばれるようになりました。

漢時代に更に印章が盛んになり、皇帝から官吏や将軍に信証の具として授けられ、また諸国の王にも贈られました。
天明四年福岡県志賀島で出土した「漢委奴国王」の金印(国宝)も、後漢の光武帝より授けられたものです。
中国で発達した印章は、飛鳥時代に聖徳太子による大化の改新後、遣隋使を通じて中国の様々な文化と共に日本へ渡来しました。
そして大宝元年大宝律令が制定され併せて印章制度が定められ、官印が中央政府により鋳造され、国内に頒布されることとなりました。
書体は篆書、隷書のいずれとも異なる独自のもので、まさしく倭古印体の起こりと呼ぶにふさわしいものでした。

外国との交易が盛んに行われるようになった鎌倉時代に入りますと、中国から渡来してきた禅僧たちの影響を受けるかたちで、落款印、筆者印などが流行し、戦国時代に入りますと印章はさらに新しい展開を見せ、武将たちが印文に趣向をこらし、権力や威厳を表現しようとしました。
江戸時代には明人により篆刻の技法が伝えられました。
この時代、行政機構の整備による文書制度の確立や、商業の発達による帳簿類の整備などにより、印章の使用が習慣化してきたことにより印章は庶民にまで普及しました。
さまざまな証文に使用される印章は実印と呼ばれ、それに基づいて印鑑帳が作製され、必要に応じて照合できるようにされていました。
現在の印鑑登録の原型と言えるものであります。
明治時代に入って、認印、実印が広く用いられるようになり、明治6年7月、太政官布告で「実印」の原則が定まり、登録制度が制定され、同年10月1日より実施されました。
これが「10月1日印章の日」の始まりです。
関連URL http://www.hanko.or.jp

◆展示場所
山梨伝統産業会館
 〒406-0032 山梨県笛吹市石和町四日市場1569 
 TEL : 055-262-9778 / FAX : 055-262-9778