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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品栃木県

栃木県
工芸品の分類 木工品
工芸品名 日光彫

主要製造地域:栃木県




《特徴》
「ヒッカキ」と呼ばれる独特の「三角刀」を用いて彫りを行うのが大きな特色です。

日光東照宮の社殿修復の際、掻き落としにくい所に塗られた漆を除去するために、先端を折り曲げ、手前に引いて掻き落とす手道具が用いられて来ました。
この道具が、江戸時代末期に至り、「ひっかき」「ヒッカキ刀」「日光三角刀」と呼ばれ、彫りに使用されるようになったそうです。
一本の「ひっかき刀」を手前に引いて彫られるヒッカキ彫で制作されることが、「日光彫り」の最大の特徴です。

また、彫の図案にボタン・菊・梅・桜など、植物が主に用いられているのも日光彫の特色の一つで、日光東照宮の彫刻紋様の影響が強くうかがわれます。

[ 栃木県指定伝統的工芸品 ]
提供 : 日光彫り体験教室運営協議会 様

素材 トチ・カツラ・ホウ
製法・工法 日光彫りの技法は、ヒッカキ彫、ウカシ彫・スカシ彫・マル彫・カゴ彫などの方法がありますが、いずれの彫にも「ヒッカキ」と呼ばれる独特の「三角刀」を使用します。

ヒッカキは、線彫用の刃物ですが普通の三角刀と異なり、先端を約60度に折り曲げた「切出し」を手前に引いて彫るところから「引掻き」と呼ばれたもので、日光東照宮社殿の修理の際、漆をかき落としにくい個所のために工夫した刃物を、彫刻用に改良したものといわれており、彫りの深い、男性的な曲線を描く日光彫りにはなくてはならない彫刻刀です。
歴史 日光彫の起源は、明確ではありませんが、寛永11年(1634)から同13年(1636)にかけて、三代将軍家光が日光東照宮を現在の荘厳華麗な社殿に造り替えたとき、全国から集められた名匠たちが余技として作ったのが始まりと考えられています。

日光東照宮は、元和3年(1617)に創建されましたが、前記の寛永造替工事は創建の規模を一新するほど大がかりなもので、この造替にあたった大工内夫は延べ168万人、内彫刻大工が40万人におよび、この後も中・小規模の社殿の建築や改修がたびたび行われているため、日光に永住した匠も多かったと思われます。

現代作られている製品は各種盆類のほかに茶たく・菓子器・銘々皿・引き出し物・テーブル・花台など、種類も豊富です。
いずれの作品も、手作りならではの味と「木」の持つ温かみを生かし、年季の入った職人芸で、男性的で、それでいて繊細な気配りを見せる彫り口は単なる日用品の域を超えた格調ある作品となっています。
関連URL https://www.mekke-nikko.com/nikko-kibori

◆展示場所
日光木彫りの里 工芸センター
 栃木県日光市所野2848
 TEL : 0288-53-0070 / FAX : 0288-53-0310



◆イベント開催
日光木彫りの里 工芸センター
 体験教室を行っておりますので、関連URLをご参照ください。