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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


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総数:401件

伝統工芸品岡山県

岡山県
工芸品の分類 陶磁器
工芸品名 備前焼

主要製造地域:岡山県




《特徴》
備前焼は、良質の陶土で一点づつ成形し、乾燥させたのち、絵付けもせず釉薬も使わずそのまま焼いたもので、土味がよく表れている焼き物です。

焼き味の景色は、胡麻・棧切り・緋襷・牡丹餅などの変化に富んでいますが、それらは作品の詰め方や燃料である松割木の焚き方などの工夫と、千数百度の炎の力によって完成されたものです。一点として同じ形も焼き味も同じものは無いと言えます。

牡丹餅は皿・鉢等の上に別の作品を置いて焼成し、その部分だけ火が当たらず赤く焼けたものをいいます。現在では、上に置く物を自分の好きな形にしたり、組み合わせて模様を作る場合もあります。【写真は牡丹餅】

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供:協同組合岡山県備前焼陶友会 様

素材 陶土
製法・工法 【1】陶土の採土
最初に、良質の陶土を採土します。採取した陶土(原土)を乾燥・風化させ、細かく砕き、水に浸し、粒子の細かい坏土だけを放置沈殿させて採取します。(水簸)

【2】土を寝かせる
水簸させた土を陰干しし、黒土や山土を混ぜ、土踏み(土練機)をした後土を寝かします。

【3】乾燥
こうして完成した陶土を土もみ(菊練り)し、ロクロや手ひねり、板作り、型物など様々な手法で成形し、自然乾燥させます。

【4】焼く
乾いたものを窯詰めし主に登り窯を使用し平均10日間かけて約1230度で窯焚きします。

【5】仕上げ
焼きあがった備前焼を窯出しし、作品の洗浄をして完成です。
歴史 備前焼は、古墳時代の須恵器(すえき)の製法が次第に変化したもので、平安時代につくられた碗・皿・盤や瓦に始まり、鎌倉時代から次第に現在の備前焼特有の赤褐色の焼肌のものが焼かれ始めました。

室町時代の終わり頃から、「ひよせ」と呼ばれる伊部の地から採取した粘土が使用されるようになり、成形にもロクロが用いられ量産が可能になりました。半地下式の大形の穴窯が作られたのもこの頃です。

江戸時代には小規模の窯が統合され、南・北・西に本格的大規模な共同窯(大窯)が築かれ、窯元六姓による製造体制が整いました。製品も、茶陶器や日常雑器の他に置物なども作られるようになります。

大窯による生産は以後江戸時代末期まで続きますが、この頃磁器の生産が盛んに行われるようになり、明治から昭和初期にかけて備前焼は次第に圧迫され、苦しい時代でしたが窯の火は絶えることなく様々な努力は続けられました。

金重陶陽が昭和31年に国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されたことが転機となり多くの人々が努力を重ね低迷期を脱しました。
この頃から海外でも純日本的な備前焼の人気が高まり、多くの人間国宝を輩出していくようになりました。
関連URL http://www.touyuukai.jp/

◆展示場所
備前焼伝統産業会館  備前市伊部1657-7



財団法人 岡山県備前陶芸美術館 備前市伊部1659-6




◆イベント開催
日本伝統工芸中国支部展
 期間:5月中旬~/毎年開催
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