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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


都道府県

総数:400件

伝統工芸品宮崎県

宮崎県
工芸品の分類 竹工品
工芸品名 都城大弓

主要製造地域:宮崎県




《特徴》
質実剛健、実践性にすぐれた薩摩弓の流れを汲む都城大弓(みやこのじょうだいきゅう)は時代の流れとともに竹弓の曲線の美しさや次代に引き継ぐべき伝統的工芸品として価値が注目され競技用の弓でありながら平成6年に国の伝統的工芸品の指定を受けました。

国内で生産される竹弓の大半は、宮崎県都城地方でつくられています。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 都城弓製造業協同組合 様

素材 真竹・櫨・カエデ・ユス・黒檀
製法・工法 【1】 真竹の切り出し
弓竹は周囲18から21cm、真竹は30cm以上の2種類を切り出して小割にした後、2ヶ月から4ヶ月自然乾燥させます。

【2】 弓竹の油抜き、乾燥
弓竹を木炭であぶり油を拭き取ります。
弓の内側になる竹は復元力をつけるため室でいぶし、煤竹にします。

【3】 弓竹の削り
火入れした弓竹は握りの部分を中心にして削り、弓の両端になるほど少し薄くなるように、むらなく仕上げ削りを行います。

【4】 弓の打ち込み
弓竹で弓芯を挟み、額木、関板を付けて接着します。
80から100本のクサビで締め付けながら、半円状に反りをつけ打ち込みます。

【5】 弓の張り込み
クサビをはずし、張り台で弓の型にします。
弦を付けて上下の形など出来具合をみながら足で踏んで弓型を整えていきます。
この荒張りで弓の良否が決まります。

【6】 弓の仕上げ
荒削りした弓を10日ぐらい張り込んで、型の落ち着いたところで、額木、関板の部分を鉈や小刀でその弓に合った削り方をします。

【7】 握束
仕上がった弓をさらに張り込んで調整した後、藤巻きをします。
歴史 都城地方では、古くから大弓が生産されていました。
現存する記録の中でもっとも古いものは、「庄内地理志」です。
「庄内地理志」は、江戸時代文化・文政から天保にかけて、当時の領主であった都城島津家が領内の様子をまとめたもので、都城市志和地、金田地区で弓が作られていたことが記述されています。
また、都城島津家にも弓作りの職人がいたことが記録されています。

このように、都城地方は弓作りが盛んでしたが、明治時代に入って鹿児島県川内地区から、楠見善治が弓の材料を求めて、来住したことをきっかけとして、さらに発展しました。
楠見氏は、弓の仕上げについての免許「日置流弓村之次第(へきりゅうゆみむらのしだい)」を受けており、新たな技術を都城地方にもたらしました。
特に、善治の息子蔵吉は、多くの弟子を養成するとともに、昭和初期には台湾、朝鮮、満州まで販路を拡大し、弓の産地としての都城の確立に尽くしました。

戦後の低迷期を克服し、最盛期には30近くの業者が製造に従事する産地を形成しました。
その後グラスファイバー製の弓の普及もあり、従事者は減少していますが、平成6年4月には国の伝統的工芸品の指定を受け、わが国唯一の竹弓の産地として、特色ある地域づくりに貢献しています。
関連URL http://www.miyakonojyo-yumi-kumiai.com/

◆展示場所
都城歴史資料館
 〒885-0083 宮崎県都城市都島803(城山公園内)
 TEL:0986-25-8011



◆イベント開催
都城弓まつり全国弓道大会
 詳しくは都城市観光サイトのイベント情報をご覧下さい。