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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


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総数:401件

伝統工芸品東京都

東京都
工芸品の分類 染色品
工芸品名 江戸更紗

主要製造地域:東京都




《特徴》
更紗(SARASA)は今から三千年以上前の遠い昔、インドで発祥しました。その技術は西はヨーロッパ諸国に東は中国へ伝えられ、またタイ、インドネシアへ、さらに海を越えて日本へ伝えられたといわれています。
更紗「SARASA」は、国際語として世界各国で使われています。
日本にはじめて更紗がもたらされた時期は、室町時代といわれ、ポルトガル、イスパニア、オランダのいわゆる南蛮船や紅毛船によって、インド更紗やヨーロッパ更紗が船載されたと伝えられています。
当時、日本人の衣料の材料は、ほとんどが絹や麻で、「SARASA」は、まったく知られなかった織物で、そのすばらしい素材(木綿)に対する驚きがあったものと思われます。
この更紗の魅力は、木綿に染められた五彩(臙脂(えんじ)、藍、緑、黄、茶)のカラフルな染め模様にあります。
私たちが更紗に対して、なんとなく異国情緒的なイメージをもつのは日本伝来の小紋や友禅とは異なって、原産地の風土の匂いとエキゾチックな感じがするからではないでしょうか。
江戸更紗の発祥は、江戸時代中期から末期にかけてといわれています。神田川をはじめとする東京の水は、硬水です。このため水中に含まれている鉄分が、染め上げるまでに化学反応をおこし、色が渋い色のものとなります。
そのため、江戸更紗独特の渋味が生まれ、「侘」落ちついた味わい「寂」枯れた渋味の入った色が完成するのです。
現在、我が国で産地を形成しているのは東京の江戸更紗だけです。

[東京都指定伝統工芸品(東京都知事)]
提供:東京都染色工業協同組合 様

素材 絹(絹織物)
製法・工法 【1】図案
更紗師は、昔から伝えられた文様を「たくみ」に取り入れて、そこに現代感覚を加えながら
斬新な柄を生みだしていきます。

【2】型彫り
図案がきまると、その図案を分解し色彩、文様に合わせて型紙を掘っていきます。手すき和紙を
何枚も重ね、柿渋で固めた地紙にたった一本の小刀で全ての模様を彫り込んでいきます。

【3】更紗の下染め
しぶき汁などを生地に引き染めして、更紗独特の深い渋味をだします。

【4】色合わせ
更紗師の思い描いた色に従って染液を調合して行く工程になります。色の創造こそ江戸更紗の
真髄であり重要な工程の一つです。

【5】刷毛
摺り工程の中で、職人達の最も気を遣うのが刷毛である。摺り職人達は、それぞれ自分の手になじんだ鹿毛で作った丸刷毛を使います。丸刷毛は、云わば摺り師達の命なのです。

【6】糸目摺り
糸目とは模様の輪郭、そして原型のことです。細く糸を引いたように見える事からその名が生まれました。この糸目摺りは、一色ながら四枚以上の型紙を使います。摺りの基本となるだけに1ミリのズレも許されない最も熟練を要する摺りの工程です。

【7】目色摺り
糸目摺りが終わると目色の摺りに入ります。目色とは、柄の彩色のことです。型紙を模様(糸目)に合わせ、染料をしみ込ませた丸刷毛を前後左右と同じ力、同じ速度で摺っていきます。

【8】地型摺り
地色とは模様の背景となる部分のことをいいます。一色に四枚程度の型紙を、むらなく摺り合わせて行かなくてはなりません。この工程は、職人達の経験と、その技が最も要求される作業です。

【9】蒸し
蒸熟箱に生地を入れ、摺り終えた染液を生地に定着・発色させます。刀の焼き入れに例えられ、
温度そして時間に気をつかわなければいけません。

【10】水洗い
蒸しの終わった生地を水にさらし、余分な染液を洗い落し乾燥させて、全行程は終わります。
歴史 更紗が日本に伝えられたのは、室町から桃山時代、あの南蛮美術華やかなりし頃といわれています。
それがやがて型紙摺りという手法を得て、日本独自の美しい更紗に変わったのが「江戸更紗」です。
江戸更紗は異国情緒を漂わせながら、しかも深い渋味のある味わいを持ち、日本の風土と独特の美意識をとり、発展してきました。
それを可能にしたのが型紙摺りの技法であり、この美の世界を支えているのは、江戸の昔から今日まで連綿と続いて来た職人達の技です。江戸更紗はその美しい色模様の中に熟練した職人達の技が息づいているのです。
関連URL http://www.tokyo-sennsyoku .com/