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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


都道府県

総数:401件

伝統工芸品大分県

大分県
工芸品の分類 竹工品
工芸品名 別府竹細工

主要製造地域:大分県




《特徴》
室町時代に行商用の籠を作って売り出したのが始まりとされています。江戸時代には、別府温泉の名が広まり、温泉の客が滞在中に使う台所用品が作られました。これらが土産物として持ち帰られるようになるにつれ、竹細工がたくさん作られるようになり、別府周辺の地場産業となりました。
明治後期に別府工業徒弟学校竹籃科が設立され、多くのすぐれた作家や技術者が出て、現在の別府竹細工の基礎が築かれました。

別府竹細工の技法として、「四つ目編み」「六つ目編み」「八つ目編み」「網代(あじろ)編み」
「ござ目編み」「縄目編み」「菊底(きくぞこ)編み」「輪弧(りんこ)編み」が経済産業省から伝統的工芸品指定されており、別府竹細工の基本的な編組技術として受け継がれています。

また、これらの編組の組合せによって、200種類以上の編み方が可能です。

YouTube動画はこちらから

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 別府市竹細工伝統産業会館 様

素材
製法・工法 ◆材料竹加工工程
ここでは、竹細工を編むために必要な材料である竹ひごを加工するまでの過程をご紹介します。
【1】 原竹伐採
竹林から製品作りするため(3年~4年経った)竹を伐採します。
【2】 油抜き湿式
カセイソーダにて約15分煮沸して、染み出た油分を拭き取ります。
【3】 天日乾燥
油抜きして、天日乾燥することにより竹の色が黄色に変わります。
生産者はその竹を購入します。
【4】 切断加工
竹を必要な長さに切断し、その竹を半分に割ります。
【5】 荒割り
半分に割った竹を、さらに半分に割り続け、竹ひごの元をつくります。
【6】 剥ぎ
【7】 ひご加工
「すき銑」という道具でひごの厚さを揃えます。
次に「巾取り」という道具でひごの幅を揃えます。
【8】 面取り
小刀でひごの角をとり、ひごの仕上げ加工を行います。

◆編組から仕上げへ
次に、ひごを編上げる「編組(へんそ)」に移ります。
別府竹細工の伝統的技法を凝縮した最も重要な工程になります。
ここでは別府竹細工の代表的な製品である花籠の工程をご紹介します。
【9】 底編み
基本的に花籠の場合は、底から編んでいきます。
【10】 腰立ち編み
底から胴へと立体的に編上げるために腰を立ち上げます。
【11】 胴編み
胴立ち編みから自分で決めた形を整えながら編み上げていきます。
【12】 首編み
籠に合わせ少しずつ絞りながら、編んでいきます。
【13】 縁仕上げ
編上げは縁を仕上げて完成します。
【14】 染色仕上げ
皮剥ぎした製品は、仕上げに染色加工を施します。
【15】 艶出し仕上げ
染色された花籠を十分乾燥した後に布を使い磨きます。
【16】 漆塗り仕上げ
生漆による「漆塗り仕上げ」を行います。
朱合漆または生漆による「錆付け仕上げ」を施すこともあります。
歴史 本格的に工芸品として扱われるようになったのは室町時代からだとされ、行商用の籠が販売のために生産されるようになり、竹細工の市場が整備されていきました。

江戸時代に入ると、日本一の温泉地別府の名が全国に広がり、各地から別府へ湯治客が集まるようになりました。
そして湯治客が滞在中に使用する飯籠、米あげ笊といった竹製の生活用品が売られるようになりました。
竹製品は湯治客の土産品としても好評で、需要の増加と共に竹細工市場は拡大し、別府に地場産業として定着していきました。

明治に入り、別府竹細工は土産品の域を越え、高度な技術を集約した工芸品へと発展していきました。
明治35年には竹工芸近代化のための技術者育成を目的とした、別府工業徒弟学校(現 大分県立大分工業高校の前身)が別府、浜脇両町により創立されました。
徒弟学校には、将来性を見込んで全国から多くの竹職人が集まり、今日の優れた製造技術の蓄積、発展の礎を築いていきました。
関連URL http://www.city.beppu.oita.jp/06sisetu/takezaiku/takezaiku.html

◆展示場所
別府市竹細工伝統産業会館
 〒874-0836 大分県別府市東荘園町8-3
 TEL : 0977-23-1072 / FAX : 0977-23-1085



大分県物産観光館
 〒874-0923 大分県別府市新港町6-46
 TEL : 0977-23-0201 / FAX : 0977-23-1350