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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


都道府県

総数:401件

伝統工芸品佐賀県

佐賀県
工芸品の分類 木工品
工芸品名 浮立面

主要製造地域:佐賀県




《特徴》
「浮立面」(ふりゅうめん)は、佐賀県の楠(県木)や桐、檜などの木を彫った面です。
木目を生かして、丹精を込めて彫った鬼の面は、美しさと凄みにあふれています。近年では魔除けとして家に飾られることが増えています。

佐賀県の南西部に伝わる「面浮立」(めんぶりゅう)は、鬼面を被り、笛や太鼓、鐘のリズムに合わせて勇壮に踊る伝統芸能です。五穀豊穣祈願や雨乞祈願、奉納神事には欠かすことのできない踊りであり、この面浮立を踊る際に使う面を「浮立面」といいます。

「浮立面」は地区によって表情が微妙に違いますが、いずれも阿吽の面相を一対とします。口をぎゅっと閉じ、上歯で下唇を噛んだ「吽」の面相が雄面で、角が長く、額にU字の皴があるのが特徴です。一方、大きく口をあけて舌を出した「阿」の面相が雌面で、角はほとんどなく、額にV字の皴があるのが特徴です。

[佐賀県指定伝統的地場産品]
提供:佐賀県  様

素材 楠、桐、檜など
製法・工法 阿吽の面相は白木仕上げと塗装仕上げの2種類があります。
【1】型取り
面の構図を考え、直方体に切り取った木材に図面を引きます。
【2】木取り
【3】粉取り
【4】荒取り
楠の塊から面の形を粗く削りだします。
【5】荒彫り
全体の輪郭を描きながら、舌と鼻の形作りをします。次に眉と目の線を荒彫りします。
【6】仕上げ彫り
最後に面全体をきめ細やかに仕上げ彫りします。
小型の彫刻刀で荒々しい表情を浮かび上がらせます。

◎白木仕上げの工程

【7】艶出し
熱で溶かしたロウを面全体に塗り込みます。
【8】磨き
程よく乾いたら布で磨きます。
【9】毛付け
毛を付けたら白木仕上げの完成。

◎塗装仕上げの工程

【7】仕上げペーパー
仕上げ彫りをした後にペーパーで磨きます。
【8】下地塗り
【9】漆塗り
【10】仕上げ塗り
【11】金箔塗り
【12】乾燥
【13】毛付け
毛を付けたら塗装仕上げの完成。
歴史 その起源は1530年頃、神埼郡田手畷(佐賀県神埼市)で戦があった際に、龍造寺家の豪将、鍋島平右衛門が一族郎党とともに鬼の面をつけて戦い、勝利を納め、そのままの姿で踊ったことが始まりといわれています。

現存する浮立面で最も古いものは、鹿島市飯田地区と矢の浦地区に残っている面で、推定250~300年前の作だと考えられています。当時は宮大工らが地元民から要請を受けて製作していたのではないかと推測されます。現在は鹿島市にある2つの工房にて3人の職人が技術を継承しています。

◆展示場所
祐徳稲荷神社
〒849-1321 佐賀県鹿島市古枝乙1855
TEL     :0954-62-2151



木彫工房 杉彫
〒849-1321 佐賀県鹿島市古枝甲1221-1
TEL     :0954-62-9574