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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品島根県

島根県
工芸品の分類 その他工芸品
工芸品名 大社の祝凧

主要製造地域:島根県




《特徴》
鮮やかな赤色の凧には、「鶴」の文字が描かれており、これは出雲大社に向かって左手、千家(せんげ)家がある鶴山に由来します。凧の左側は、上から鶴の頭・広げた羽、そして下に「木」の文字を配し、木に止まる鶴の姿を表しています。右側は平仮名で「つる」と書かれていますが、これは「くら」(=蔵。穀物や家宝を連想)とも読めます。出雲大社に向かって左手にある鶴山と同じく向かって左側に飾ります。

力強い漆黒の凧に描かれているモチーフは、「龜」(亀の旧字体)の文字を崩したものです。文字上に「鶴山」「亀山」を模し、その下に鳥居を表す縦横の二本線があります。上部両側の膨らみは、左が「打ちの小槌」、右ハネは「大黒様の袋」を表現しています。凧の左下には福が多く来ますようにと「夛」(多の旧字体)の文字、左下は「米」「二」(米二俵)の文字が書かれています。出雲大社に向かって右手に北島家があり、亀山に由来します。亀山と同じく、向かって右側に飾ります。

祝凧は手作業で、一つ一つ心を込めた一点物です。主に縁起物や装飾用として飾られます。結婚祝いや出産祝い、新築祝いなど祝凧は人生の節目を祝う贈り物にぴったりです。鶴と亀にちなんで長寿のお祝いにはもちろんのこと、大切な人の誕生日に手渡すのも、ちょっと粋なプレゼントです。
また、亀に描かれている大黒様にあやかり、商売繁盛を願う縁起物として喜ばれるなど、福を招くお正月の玄関飾りとしても最適です。


[島根県ふるさと伝統工芸品]
情報提供: 大社の祝凧 高橋 様
画像提供: 出雲市経済環境部商工振興課 様

素材 真竹、和紙
製法・工法 凧づくりの技術は明治から守り続けてきたものです。
機械など使わずすべて手作業な為、1日に1組しか作れません。

1.【材料】
◎和紙
祝凧に使用する和紙は、加工するのに適した紙を使用します。
小型(ミニ凧、小凧、中凧、大凧)は障子紙を使用。他(1号、2号、京一)は、地元和紙を使用します。
◎竹
地元出雲市稗原産の真竹を使用します。

2.【制作工程】
1.竹ひご作り
竹のひごは一本一本手作りされます。
湿気を嫌うため春から梅雨が始まるまでに一年分削ります。
1月~2月に処理をして、3月くらいから作業します。

2.祝凧作り
1. 型取りした竹を組み合わせ和紙を貼る
2. 型にあわせて鶴亀の文字を書く
歴史 元禄から始まった祝凧。出雲大社の背後には鶴山、亀山という山があり、それぞれの麓には千家、北島という国造家があります。両家に祝い事があると、氏子が国引き伝説で知られる稲佐の浜でそれぞれ「鶴」、「亀」の字を描いた巨大な凧揚げて祝っていました。明治になると凧揚げの風習は廃れていきました。祝凧の実物のサイズは畳ぐらいの大きさがあります。凧揚げの風習を残そうと思い、戦後頃から小型化にし、一般家庭や愛好家でも手軽に飾れるようにしました。
『竹とんぼ』という郷土玩具専門誌で紹介されることがきっかけで、全国的に知られるようになり、昭和57年には『島根県ふるさと伝統工芸品』に指定されています。
関連URL http://www.city.izumo.shimane.jp/www/contents/1518484972229/index.html

◆展示場所
大社の祝凧 高橋
〒699-0701
島根県出雲市大社町杵築東724
TEL/FAX :0853-53-1553
営業時間 :9:00~19:00
定休日 :不定休