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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品栃木県

栃木県
工芸品の分類 石工品・貴石細工
工芸品名 芦野石細工

主要製造地域:栃木県




《特徴》
加工しやすい準硬石という性質を利用して芦野石はさまざまな石加工品として利用されてきました。その中でも「道祖神」や「地蔵さん」など含む民俗的な立体造形を「芦野石細工」と呼んでいます。

那須町芦野地区の国道294号線に沿った約10キロの地域では「芦野石細工」の原料となる「芦野石」という安山岩が産出されます。

加工がしやすいので石細工の他にも、石塔、墓地外柵、倉庫、石垣、石塀、門柱など様々な用途に用いられてきました。現在では、建築、公園、広場等の公共物にも使われています。

「芦野石細工」で最も有名なのが、那須湯本殺生石にある「千体地蔵」です。「千体地蔵」とは、芦野石でできたお地蔵さんで、衆生の平安を祈ってとても大きな御手をしているのが特徴です。

[ 栃木県指定伝統工芸品 ]
提供 : 那須町工芸振興会 様

素材 芦野石
製法・工法 【1】 採掘
まず、材料となる芦野石を採掘します。かつては手掘りが主流でしたが、現在では機会を使用しての採掘を行っています。

【2】 加工(大きさ)
採掘した芦野石を、割る、削る、切る、叩くの順番で、大きさの加工を施していきます。

【3】 整形
大きさの加工を施した芦野石を、磨く、掘る、焼くの順番で加工していきます。この時の加工の方法で石の風合いが決まります。

【4】 細工への加工
石の準備が整ったら、各石加工品の製造作業に入ります。「千体地蔵」といったや立体造形、建築、公園、広場等の公共物へと姿を変えます。
歴史 今から130~90万年前「更新世」前期。
現在の福島県天栄村の羽鳥湖の近くで大噴火が起こりました。この爆発に伴う火山灰や軽石が大量に降ったあと、大火砕流が現在の白河市やこの芦野地域を覆ったようです。その結果、こんにちの「芦野石」となる地層が出来上がりました。

芦野石は耐水性に優れ見た目が美しいため、室町時代には、神社仏閣の造営に用いられてきました。

「千体地蔵」は、昭和50年頃、地元の人たちの間から、首ももげてしまい形も定かではなくなった教伝地蔵を新たに建立し直してはどうか、という話が持ち上がりました。それからというもの、現在も1人の職人さんが地蔵を造り続けています。

◆展示場所
那須町工芸振興会(那須友愛の森工芸館内)
 「芦野石細工」の展示・販売をしています。
 〒325-0303 栃木県那須郡那須町高久乙593-8
 TEL : 0287-78-1185