JTCO
NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


都道府県

総数:401件

伝統工芸品鹿児島県

鹿児島県
工芸品の分類 陶磁器
工芸品名 薩摩焼

主要製造地域:鹿児島県




《特徴》
薩摩焼は、「白もん」と呼ばれる白薩摩と、「黒もん」と呼ばれる黒薩摩の2つに大別されます。

「白薩摩」は乳白色のあたたかみのある生地に、きめ細かな貫入(かんにゅう)とよばれるヒビがあり、赤や青、緑や金彩で動植物などの文様を施した、繊細で気品のある逸品です。その絢爛で高貴な美しさから、上層階級の使用品や贈答品など、特に上質のものは藩主専用の焼物として珍重されてきました。

また、島津藩の時代、パリ万博にも出品し、その高い芸術性が絶賛を浴びたことをきっかけに多くの作品が海外に輸出され、「SATSUMA」の名をヨーロッパの人々に知らしめました。

もう一方の「黒薩摩」は鉄分の多い火山性の土を用いるため漆黒の光沢を持ち、素朴で剛健な面持ちが特徴です。

藩主御用達の白薩摩に対し、黒薩摩は庶民の生活道具として親しまれてきました。特に黒ヂョカ(茶家)と呼ばれる独特の土瓶は、焼酎の燗をつけるのによく愛用される酒器です。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 鹿児島県薩摩焼協同組合 様

素材 土、釉薬など
製法・工法 【1】 成形
手で形をつくる手ひねり、ろくろを回して形をつくるろくろ成形、石膏型や素焼き型を用いる型起こし等があります。

【2】 仕上・乾燥
成形した表面を仕上げカンナで面取りしたり、ヘラで模様を付けます。

【3】 素焼・施釉
成形した作品を750℃~850℃で焼成し、土を焼き締めます。

【4】 本焼
1,250℃前後で12時間以上焚きます。酸素を多く含んだ「酸化炎焼成」と、酸素が欠乏した「還元焼成」の方法があります。

【5】 上絵付け
釉掛けされ本焼された製品に、絵付をして、750℃~850℃で焼きます。

【6】 窯出し・仕上げ
窯に入れる前に作品にアルミナなどを付けて焼いてあるので、底の仕上げ、釉薬のとびなどをきれいに取り除いて完成です。
歴史 文禄元年(1592年)、全国制覇を成し遂げた豊臣秀吉は15万人の大兵を朝鮮に送り込みました。当時、国内は桃山の爛熟期で茶道が大いに流行し、茶器への関心も強いものがありました。また、朝鮮においては、李朝時代の高い文化を持ち、ことに陶器において優れた文化を誇っていました。

秀吉の死によって文禄・慶長の長い戦役が終わり、従軍の諸将は帰国にあたり、その文化を持ち帰りました。中でも、九州各藩および長州の大名は、競って陶工を連れて戻り、それぞれの領内で窯を築かせていました。

その結果として、薩摩焼・萩焼・有田焼・上野焼・高取焼などの諸窯が各地に発生し、この文禄・慶長の両戦役が「焼物戦争」とも呼ばれています。各大名とも朝鮮の優れた焼き物に目をつけ、自国領で好みの焼物を焼かせ、それによって産業の振興を図ろうとしました。

陶工の渡来については、文禄4年(1595年)説と慶長3年(1598年)があります。また、これらの陶工の上陸地や人数、姓名などについても諸説ありますが、上陸地点は串木野島平・東市来神之川、そして鹿児島の前之浜であると考えられており、これらは大略して、竪野系・龍門司系・苗代川系に分けられます。

その後、薩摩焼は長い歴史の中で鹿児島の豊かな風土と、陶工たちのたゆまぬ努力で独自の発展を遂げ、現在では鹿児島県内に多くの窯元が開窯し、さまざまな技法を凝らした作品を製造しています。
関連URL https://satsumayaki-coop.com/

◆展示場所
詳しいお問合せは…
鹿児島県薩摩焼協同組合
 〒899-3101 鹿児島県日置市日吉町日置5679
 TEL : 099-292-5156 / FAX : 099-292-5191



◆イベント開催
鹿児島県薩摩焼協同組合
 HP内で、作品展などのイベント紹介をしています。
 詳しくはこちら