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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:401件


都道府県

総数:401件

伝統工芸品茨城県

茨城県
工芸品の分類 和紙
工芸品名 西ノ内和紙

主要製造地域:茨城県




《特徴》
常陸の国奥久慈の清流と、特産の良質な楮により漉き出された、西ノ内和紙。

強靭素材にして、しなやかで優雅。その特色は那須楮の生漉きで丈夫な紙として重用されています。丈夫で虫もつかず、保存に適し水につけても破れにくい。それ故に、古くから布の代わりに着物としても使われてきたと言われています。

繊維が短く光沢があり、土佐楮を綿とすれば、那須楮は絹にたとえられています。地元の茨城県・栃木県のほか各地から需要が多く、とくに越前奉書・美濃紙などの原料としても用いられています。
現在では民芸品やインテリア用品としても人気が高いです。

[ 国及び茨城県無形文化財 ]
提供 : 紙のさと和紙資料館 様 

素材 那須楮
製法・工法 【1】 楮切り
和紙の原材料、那須楮を刈り取ります。

【2】 楮むき・表皮とり
蒸した楮がまだ熱いうちに表皮を取ります。

【3】 白皮
小さな刃物で疵などを取り、白皮の上等な部分だけにします。

【4】 煮熟
灰汁やソーダ灰を入れ煮ます。

【5】 あく抜き
柔らかくなった楮を清流で水洗いし、灰のあくや小さな塵を取り除き、純粋な繊維に仕上げます。

【6】 漂白
自然漂白の場合は、天日を利用し、川や雪に原料を薄く広げ5日程度晒(さら)します。
薬品漂白は水をはった容器に、さらし粉・塩素水(漂白剤)を入れ一昼夜晒します。

【7】 ちりとり
流水の中、原料を少しずつ水に浮かし、繊維を傷めないように手でさばきながら残った不純物を根気づよく手作業で取り除きます。

【8】 楮たたき(叩解)
楮の繊維をたたいてほぐします。

【9】 紙漉き
簀桁(すげた)を十分に水につけます。
粘剤であるトロロアオイをよく洗い打ち砕いて水に浸し、粘液であるネリを取り出します。
このネリは手漉きをする上で、原料の繊維を水中で分散させるために必要なものです。
漉舟に、紙料液である清水・ネリ・原料を入れます。よくかきまぜた後、紙を漉いていきます。

【10】 脱水
漉いた和紙は、そのつど紙床に移動し重ね合わせていきます。
その日の作業が終わると紙床に厚い板をのせ一晩置きます。紙床の上下を厚い板ではさみ、圧搾機で水をしぼり出します。

【11】 乾燥
天日乾燥や、乾燥機を使用した加熱乾燥を行います。

【12】 仕上げ
乾燥した紙は1枚1枚裏表を調べ、傷や塵のついた紙を選り分け、断裁など行います。
歴史 西ノ内和紙に用いられる那須楮。
茨城県北部の大子町周辺に産する楮で、栃木県那須地方の商人が全国に売り広めたと言われています。楮は南方系の植物であり、奥久慈周辺は降雪のない北限であり、和紙の材料となる楮の栽培を行うには適した土地でした。

「西ノ内に名人漉き手あり」といわれたごとく、自然の恵みと巧みな技術によって、香り高く漉き出されてきました。紙漉きの技術を修得するには10年もかかると言われています。

かつては水戸藩の専売品として藩の資金調達に役立ち、徳川光圀の編纂した「大日本史」にも使用されました。また、明治35年から大正15年までの、選挙投票用紙は西ノ内和紙と定められていました。現代では、財布や手提げ等にも使用されています。

◆展示場所
紙のさと和紙資料館
 〒319-3107 茨城県常陸大宮市舟生90
 TEL : 0295-57-2252
 営業時間 : 9:00~18:00
 休館日 : 水曜日



◆イベント開催
紙のさと和紙資料館
 体験やギャラリー等ございます。 
 詳しくはお問い合わせください。
 TEL : 0295-57-2252