総数:127件
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《特徴》
六郷のカマクラ行事は、2月中旬に5日間にわたって行われます。豊作、安全繁栄を祈る「年ごい」と凶作や不幸を除去する「悪魔払い」、そしてその年の吉凶を占う「年占い」の三者が一体となった行事です。観光化の進む東北地方のカマクラの中でも、最も小正月行事本来の姿を保ち、住民の伝承欲も高いことから国の重要無形民族文化財として指定されています。この行事は鎌倉時代から京都御所清涼殿の東庭で行われた天子の吉書焼きの「左義長」の遺風を六郷の地頭二階堂氏が当地に移したものといわれています。この吉書が「天筆」(てんぴつ)で、これを青竹につけ「左義長」に模して正月の松かざりを集めてつくった「ニオ」に点火して焼いたのが「カマクラ」です。それが豊作祈願の火祭りとして700年余りも続いています。
また、この行事は、行事最終日をピークとする行事で、最初の日の蔵開きと天筆書初め、翌日の小正月市と天筆掲揚、鳥追い小屋造り、15日の餅つき、小正月の年とり、「天筆焼き」、「竹うち」、そして、「鳥追い」この一連行事を六郷のカマクラといい、この形が町に定着したのは江戸初期のころといわれています。
1:蔵開き
行事の初日は、蔵開きの日で、地主では元旦からこの日まで蔵の米出しをやめますが、その蔵開きです。蔵の前に据え膳してお灯明をともし、取っ手のある大きな鍵を供えて拝みます。
2:天筆
子どもたちは行事初日に、天筆を書いて翌日に備えます。天筆のこしらえ方は、半紙を横に三つに断ち、それを長く継ぎ合わせ、長さは各自の好みにもよりますが、3メートルから5メートルです。白紙ばかりではなく、緑、黄色、赤、白、青の順に色紙を継ぎ合わせて作るのもあります。また、男の子が二人いれば2本、三人いれば3本と男の子の数だけ作り、女の子は立てない習わしでしたが、今は、女の子の分も作ります。そしてこの天筆に書く文句はいろいろ例があります。次にその例をあげます。「奉納鎌倉大明神 天筆和合楽 地福円満楽 々々 新玉の年の始めに筆とりて万の宝かくぞあつむる 何年正月吉日 氏名 年齢 敬白」初めには必ず天筆和合楽と書き最後には前記の和歌一首を書きます。長いものになると、五穀豊穣楽、天下太平楽、家内安全楽といったようなものもあります。昔の寺子屋時代には習字の手本に天筆手本というのがあって、それを習わせたものだとのことですが、今は、いろいろと変化し、最近では交通安全楽というものまであります。この天筆は、吉書、書初めであり、子どもたちが自分のものは自分で書き、自分で書けない幼年者のものは父兄が代筆し、最終日の夜カマクラに持っていきます。行事2日目は市が開かれ、最終日の小正月年越しの準備の日で、露天市では最終日に神仏に供えるメメンコを買う風景も見られます。また、この日から、天筆を長い青竹の先につけて戸外に立てますが、全町の数千本の天筆が寒風になびくさまはまことに壮観です。
3:鳥追い行事
「正月どごまできた クルクル山のかげまで 何おみやげもってきた 松とゆずり葉とデンデン串柿もってきた あしたの晩かまくらだ 大根と牛蒡ど煮ておけ」 行事3日目のあたりから、とり小屋と称する鳥追い小屋作りが始まります。その中に「鎌倉大明神」がまつられ、子どもたちは互いに鳥小屋を訪問し合い、鳥追い唄を歌って過ごします。鳥追い小屋と呼ばれる雪室は、雪を40センチくらいの厚さに四角に積み上げて、天井に茅を編んで作った筵(むしろ)を載せて作ります。最終日になると小正月の餅つきが始まります。柳まゆ玉を作って神棚を飾るのが見事です。まゆ玉は餅花、団子花ともいい柳の小枝にまゆ玉の餅を付けて作りますが、これは稲穂をかたどったもので、神棚や米俵の上に立てて豊作を祈願します。
4:竹うち
行事5日目の最終日、いよいよ「六郷のカマクラ」の最高潮『竹うち』の日です。
午後7時ころ「ボヘーボヘー」と木貝が鳴り続けて浅春の闇をゆすり丘に反響し、山を越えて闇の虚空に尾を引いて消えていきます。すると今まで眠ったように沈黙していた町の中が急にざわめきだし、各町内で必勝祈願出陣式を終えた若い衆が青竹を担ぎ駆け出していきます。若い娘たちも、子どもたちも皆かまくら畑に走り出します。そこで、竹うちが始まります。午後8時半ころ両軍の息詰まるような沈黙が破れると、場内は人と竹の修羅場となり、バラ、バラ、バリ、バリと竹の打ち合い、割れる音、相手を殴りつける掛け声、ライトの灯りが雪に青白く映じて奮戦する竹の勇士を闇の中に浮き出します。やがて9時ころ「ボヘー」とひときわ高く木貝が鳴り響けば、神官が松におをお払いし、これに点火して、3回目の決戦が行われます。終われば同じ町の人たちです。今まで打ち合いした勇士たちは握手しながら松におの周りに集まり「ことしも豊作であるように」と念じながら割れ竹でご神火を打ち合います。そして、この竹うちで北軍が勝てば豊作、南軍が勝てば米の値が上がると言い伝えられています。
[国指定重要無形民俗文化財]
提供: 六郷のカマクラ行事継承会 様
六郷のカマクラ行事は、2月中旬に5日間にわたって行われます。豊作、安全繁栄を祈る「年ごい」と凶作や不幸を除去する「悪魔払い」、そしてその年の吉凶を占う「年占い」の三者が一体となった行事です。観光化の進む東北地方のカマクラの中でも、最も小正月行事本来の姿を保ち、住民の伝承欲も高いことから国の重要無形民族文化財として指定されています。この行事は鎌倉時代から京都御所清涼殿の東庭で行われた天子の吉書焼きの「左義長」の遺風を六郷の地頭二階堂氏が当地に移したものといわれています。この吉書が「天筆」(てんぴつ)で、これを青竹につけ「左義長」に模して正月の松かざりを集めてつくった「ニオ」に点火して焼いたのが「カマクラ」です。それが豊作祈願の火祭りとして700年余りも続いています。
また、この行事は、行事最終日をピークとする行事で、最初の日の蔵開きと天筆書初め、翌日の小正月市と天筆掲揚、鳥追い小屋造り、15日の餅つき、小正月の年とり、「天筆焼き」、「竹うち」、そして、「鳥追い」この一連行事を六郷のカマクラといい、この形が町に定着したのは江戸初期のころといわれています。
1:蔵開き
行事の初日は、蔵開きの日で、地主では元旦からこの日まで蔵の米出しをやめますが、その蔵開きです。蔵の前に据え膳してお灯明をともし、取っ手のある大きな鍵を供えて拝みます。
2:天筆
子どもたちは行事初日に、天筆を書いて翌日に備えます。天筆のこしらえ方は、半紙を横に三つに断ち、それを長く継ぎ合わせ、長さは各自の好みにもよりますが、3メートルから5メートルです。白紙ばかりではなく、緑、黄色、赤、白、青の順に色紙を継ぎ合わせて作るのもあります。また、男の子が二人いれば2本、三人いれば3本と男の子の数だけ作り、女の子は立てない習わしでしたが、今は、女の子の分も作ります。そしてこの天筆に書く文句はいろいろ例があります。次にその例をあげます。「奉納鎌倉大明神 天筆和合楽 地福円満楽 々々 新玉の年の始めに筆とりて万の宝かくぞあつむる 何年正月吉日 氏名 年齢 敬白」初めには必ず天筆和合楽と書き最後には前記の和歌一首を書きます。長いものになると、五穀豊穣楽、天下太平楽、家内安全楽といったようなものもあります。昔の寺子屋時代には習字の手本に天筆手本というのがあって、それを習わせたものだとのことですが、今は、いろいろと変化し、最近では交通安全楽というものまであります。この天筆は、吉書、書初めであり、子どもたちが自分のものは自分で書き、自分で書けない幼年者のものは父兄が代筆し、最終日の夜カマクラに持っていきます。行事2日目は市が開かれ、最終日の小正月年越しの準備の日で、露天市では最終日に神仏に供えるメメンコを買う風景も見られます。また、この日から、天筆を長い青竹の先につけて戸外に立てますが、全町の数千本の天筆が寒風になびくさまはまことに壮観です。
3:鳥追い行事
「正月どごまできた クルクル山のかげまで 何おみやげもってきた 松とゆずり葉とデンデン串柿もってきた あしたの晩かまくらだ 大根と牛蒡ど煮ておけ」 行事3日目のあたりから、とり小屋と称する鳥追い小屋作りが始まります。その中に「鎌倉大明神」がまつられ、子どもたちは互いに鳥小屋を訪問し合い、鳥追い唄を歌って過ごします。鳥追い小屋と呼ばれる雪室は、雪を40センチくらいの厚さに四角に積み上げて、天井に茅を編んで作った筵(むしろ)を載せて作ります。最終日になると小正月の餅つきが始まります。柳まゆ玉を作って神棚を飾るのが見事です。まゆ玉は餅花、団子花ともいい柳の小枝にまゆ玉の餅を付けて作りますが、これは稲穂をかたどったもので、神棚や米俵の上に立てて豊作を祈願します。
4:竹うち
行事5日目の最終日、いよいよ「六郷のカマクラ」の最高潮『竹うち』の日です。
午後7時ころ「ボヘーボヘー」と木貝が鳴り続けて浅春の闇をゆすり丘に反響し、山を越えて闇の虚空に尾を引いて消えていきます。すると今まで眠ったように沈黙していた町の中が急にざわめきだし、各町内で必勝祈願出陣式を終えた若い衆が青竹を担ぎ駆け出していきます。若い娘たちも、子どもたちも皆かまくら畑に走り出します。そこで、竹うちが始まります。午後8時半ころ両軍の息詰まるような沈黙が破れると、場内は人と竹の修羅場となり、バラ、バラ、バリ、バリと竹の打ち合い、割れる音、相手を殴りつける掛け声、ライトの灯りが雪に青白く映じて奮戦する竹の勇士を闇の中に浮き出します。やがて9時ころ「ボヘー」とひときわ高く木貝が鳴り響けば、神官が松におをお払いし、これに点火して、3回目の決戦が行われます。終われば同じ町の人たちです。今まで打ち合いした勇士たちは握手しながら松におの周りに集まり「ことしも豊作であるように」と念じながら割れ竹でご神火を打ち合います。そして、この竹うちで北軍が勝てば豊作、南軍が勝てば米の値が上がると言い伝えられています。
[国指定重要無形民俗文化財]
提供: 六郷のカマクラ行事継承会 様
所在地 | 美郷町六郷 |
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展示場&開催場所 | <天筆まつり> 参加町内全戸の天筆掲揚・各町内毎カマクラ大明神雪宮まつり
<竹うち> 美郷町六郷カマクラ畑 |
問い合わせ先 | 美郷町観光情報センター
TEL:0182-37-3980 |
アクセス | 電車 … JR(秋田新幹線) 東京-仙台ー盛岡-大曲 *JR大曲駅より車で20分
車 … 横手I.C-国道13号-美郷町 ・大曲I.C-国道13号-美郷町 バス … 大曲バスターミナル-六郷上町 高速バス … 仙台-せんなん-六郷 ・東京-せんなん-六郷 |
観るポイント | お祭りの最高潮の盛り上がりを見せる「竹うち」。勝負は3回戦で、合間には「木貝吹きくらべ」や「子ども天筆焼き」という行事も行われます。 |
伝統文化の 体験・一般参加 |
六郷のカマクラ行事の「竹うち」を見学いただけます。
日時:2月中旬 午後8時~9時頃 ※詳細はお問い合わせください。 場所:美郷町六郷カマクラ畑 |