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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
大元神楽 | 神楽 カテゴリ

総数:127件

伝統文化

大元神楽
伝統文化の分類 神楽
文化名 大元神楽



大元神楽《特徴》
【特徴/昔からの神楽のかたちが色濃く残された】
大元神楽には他の神楽にはもう見られなくなったさまざまな特徴があります。
第一の特徴は、大元神楽には、カミさまが降りてこられ、神がかりになることもある点です。大元神楽では、現在多くの神楽で見られるような氏子の舞だけではなく、神社の神職さん達によって舞われる神事舞が受け継がれていますが、このなかでも「託舞」と呼ばれている神がかり託宣の場となるわら蛇の舞が、神職舞として中核を占めるものです。大元神楽のこの部分は、いま神がかりに至るまでの手順と方法を正確に残す数少ない神楽であるといえるでしょう。いつでも神がかりがあるというわけではありませんが、舞手の気持ちがひとつになるとき、神がかりすることも確かにあります。
第二の特徴は、桜江町の大元神楽が六年に一度の神楽年に行われることです。もともと大元様は、ご先祖様を祭る祖霊神だったと考えれており、非常に多くの場所で祀られています。同じ集落にいくつもの大元様が祀られていることもあるほどです。これらの小さな神々を古くからの集落単位でくるんで、合同の大元祭祀が行われているのです。
第三の特徴は、古い舞方を伝えている点でしょう。幕末から明治期にかけて石見地方の西部で起こった新しい神楽の様式は従来の神楽と比べてテンポが早く、大元神楽など古い型の神楽を六調子、比較的新しい石見西部の神楽を八調子と言っています。八調子神楽の場合、この早い調子に合わせて見せる要素が強調され、衣装や小道具もきらびやかなものになり、見せるための工夫がこらされましたが、大元神楽では伝統的な六調子が守られています。

【歴史/自然を敬う気持ちから生まれた】
桜江町には国の重要無形民俗文化財に指定されている大元神楽があります。この神楽は、古くから島根県の西部に広くあった大元信仰に由来します。この大元信仰とは、恵みを与えて下さるカミさまへ感謝の気持ちを表し、カミさまを奉ることから、自然に行われるようになったと考えられ、特に自然と深いつながりのある農山地では、大切な神様として信仰され広まりました。
大元神楽は、六年に一度の神楽年に田畑での収穫を終えた晩秋の頃、夜を徹して行われます。大元神楽は、カミさまをお招きし、楽しんでいただき、そしてカミさまのおつげをいただくまでが一貫して舞われます。カミさまから言葉をいただくという託宣の儀のあるのが、一般の神楽には見られない大きな特徴です。
大元神楽は徳川時代には、すでに現在の形で行われていたという記録があります。明治時代に入ると、神職の舞は禁じられ、神がかりも禁じられましたが、桜江町などの山間地域では、目も届きにくかったため、古くから伝えられた神楽の姿は密かに受け継がれてきました。「託宣の古儀」のある神楽は近年にはほとんど失われてしまい、昭和五十四年になると、今度は逆に国の重要無形民俗文化財として指定を受けることになったのです。

【演目紹介】
全部で約30種類の演目があります。

(神迎え)
神迎え(かみむかえ) 大元さまのご神体である古木のところまで行き、藁蛇にカミさまをお迎えして舞殿までお連れします。刈り取りの終わった田畑の中を神主や氏子の人たちが列を作って舞殿まで戻ってきて、いよいよ神楽が始まりです。

(四方堅)
第一段 四方堅(しほうかため)四方拝とも呼ばれ、それぞれ違う色の衣装をまとった四人の舞い手が、舞殿の四方を浄めていきます。これには、全ての舞いの基本が含まれています。

(清湯立)
清湯立(きよめゆたて)これは、神職が演ずる舞です。まず、神社の境内に湯釜を据えて、その周囲に青竹を立てしめ縄をめぐらせます。この釜の中には湯がたぎっています。はらい主の祝詞(のりと)の後で、神職は湯かきの幣に湯の華をいただき、神殿に献上して、周囲を清めます。神楽の場を浄める役割を担っているのでしょう。

[国指定重要無形民俗文化財]
提供:邑智郡大元神楽伝承保存会 様


所在地 【邑智郡地域一帯】
桜江町(江津市)、旭町(浜田市)、美郷町(邑智郡)、川本町(邑智郡)、邑南町(邑智郡)
展示場&開催場所 【大元神楽】
7年に1度の舞となる大元神楽が行われます。通常の神楽では見れない、神事が数多く実施されます。マニアの方必見です。
場所:江津市桜江町の川戸社中(大詔刀神社拠点)
日時:平成26年10月11日(土)
問合先:大詔刀神社
問い合わせ先 邑智郡大元神楽伝承保存会
Tel:0855-92-1508(大元神楽伝承館)
観るポイント 伝統のある神楽ですが、それぞれの土地のカミさまに捧げられる神楽という性格上、その地を離れて演ずることはできません。そのため、古くから伝わる神楽でありながら、他の地域の人にはそれほど知られていないのが残念。六年に一度といった神楽の行われる神楽年には、全国でも珍しいこの神楽にぜひ各地の方々をお招きしたいものです。
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