

総数:127件
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「八戸えんぶり」は、八戸地方を代表する民俗芸能で、青森冬の三大まつり、みちのく五大雪まつりに数えられています。
えんぶりは、その年の豊作を祈願するための舞で、太夫と呼ばれる舞手が馬の頭を象った華やかな烏帽子を被り、頭を大きく振る独特の舞が大きな特徴です。その舞は、稲作の一連の動作である、種まきや田植えなどの動作を表現したものです。
「えんぶり」の起源としましては、伝説も含め様々な説があるのですが、南部氏の太祖・南部光行公が奥州下向したころに始まったというのが通説となっています。
鎌倉時代の始め、後の八戸藩主南部光行は、頼朝から奥州糠部郡を拝領し、甲州(今の山梨県)から当国へ下ってきました。奥州で迎える初めての正月、光行は自分の家来達に武装させ、有力者たちの家を訪問させましたが、酒の勢いのためか家来達は抜刀乱舞したため、家人たちは恐れ慄いてしまいまし。このとき、その場に居合わせた農民藤九郎という機転の利く男が、賑やかに田植歌を歌い、農具を手に持って踊ったところ、家来達は刀を納めてその様子を見物しました。鳴子板をふり、田んぼの土をならす仕種を踊り終えた藤九郎が、南部家を祝福する口上を述べたところ、それが吉例となり、えんぶりが行われるようになったといいます。
「えんぶり」には、2種類あります。
1つ目が、「ながえんぶり」と呼ばれるものです。「ごいわいえんぶり」や「キロキロ」とも呼ばれ、うたや仕草がゆっくりしており、優雅な舞です。主役を務める太夫(藤九郎と呼ばれる)の烏帽子に真っ赤な牡丹の花をつけて、鍬台(カンダイ=田畑を耕す鋤の柄)を手にしているのが特徴です。
2つ目は、「どうさいえんぶり」と呼ばれるものです。ながえんぶりとは逆に「どうさいえんぶり」はうたも仕草もテンポが速く、勇壮活発なえんぶりです。うたの途中に「ドウサイ」という掛け声が入るのも特徴です。見た目の違いは、烏帽子にマエガミと呼ばれる五色の房が垂れており、手にはジャンギという棒の先に金具のついたものを持っています。
また、「えんぶり」は組単位で行われ、「太夫」と呼ばれる舞い手が3人あるいは5人と、笛、太鼓、手平鉦(てびらがね)、歌い手など総勢20~30人で構成されています。
【親方】組の代表格。組を統率する。 【太夫(たゆう)】えんぶりの主役、えんぶりの舞い手たちのことである。三人もしくは五人でなり、先頭にたつ太夫を「藤九郎」と呼ぶ。なぜ藤九郎と呼ぶのかは起源同様様々な説がある。最後の太夫をクロドメと呼び、それ以外の太夫は中の太夫と呼ばれる。 【お囃子】太鼓、笛、手平鉦、歌い手、太鼓持ちなどからなる。
えんぶりを舞うことを「えんぶり摺(す)り」「えんぶりを摺(す)る」と言うのですが、これは「えぶり」と呼ばれる農具を使って田んぼの土を平らにならすことを摺る(する)と言うことから、農具を持って舞うえんぶりのことも「摺る」と言うようになったのです。
太夫は馬の頭をかたどった烏帽子(えぼし)をかぶり、黒いはっぴのようなものを羽織り、農具を模した棒を手に、足にはワラでできたツマゴを履く。その足で大地をしっかりと踏みしめて、頭を振る。時には中腰になって地面すれすれまで頭を振り、一心不乱に舞う。「えんぶり」という言葉は動詞の「イブリ(揺り)」に通じ、大地を揺さぶる、揺さぶり起こす、かき混ぜる、等の意味がこめられていのでする。その時、太夫の烏帽子には神が降臨すると信じられていました。
えんぶり摺りの一連の流れは次のとおり、種まきから稲刈りまでの稲作を、一つのストーリーとして表現したものです。うち「摺りはじめ」「中の摺り」「摺り納め」の三演目が主な神事儀礼的な演技として行われます。最後に、大事な 畦(クロ)から水が漏れないようにと、呪文の言葉を唱える「畦留め(クロドメ)」で、えんぶりは終わるのです。
「摺り込み」先頭の太夫が口上を述べ、扇とジャンギを額に当てて入場してくる。 「摺りはじめ」最初の摺り。年の初めの祝い歌にはじまり、種まき、田んぼの代掻きを表している。 「中の摺り」苗取りのうたに、田植えの踊りを舞う。 「摺り納め」稲刈りが終わりクラに俵を積む場面を表す。
[国指定重要無形民俗文化財]
提供: 八戸市 観光課 様
所在地 | 青森県八戸市 |
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展示場&開催場所 | 八戸えんぶり行事
日時:毎年2月17日~2月20日 場所:八戸市内各会場 |
問い合わせ先 | 青森県八戸市 観光課 |
観るポイント | 摺りはじめ、中の摺り、摺り納めの合間に行われる「松の舞」、「えびす舞」、「えんこえんこ」、「大黒舞」といったさまざまな祝福芸もまた、見るものの目を楽しませてくれます。愛らしい子どもたちが主役となり、縁起の良いリズミカルなお囃子にのって披露される舞は、とてもかわいいです。 |
伝統文化の 体験・一般参加 |
「八戸えんぶり」の様子を見学いただけます。
場所:八戸市内各会場 日時:毎年2月17日~2月20日 |