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都々古別神社の御田植祭 | 祭り カテゴリ

総数:128件

伝統文化

都々古別神社の御田植祭
伝統文化の分類 祭り
文化名 都々古別神社の御田植祭



都々古別神社の御田植祭《特徴》
「おたがい、ごくろうさまにあります」親しみのある方言で挨拶を交わしながらニコニコ笑顔で行われるのが、棚倉町の民俗芸能「八槻都々古別神社の七座の神楽と御田植」です。
出雲龍神楽のひとつであるこの芸能は、剣舞のような舞いも取り入れられ、修験者が伝えたといわれます。「御田植祭」の伝来時期は明らかではありませんが、形態から室町時代以前にさかのぼると思われ、約400年続く伝統行事です。

社家の楽人(舞人、演奏人を含む10家10人継承制)によって、能狂言風にアレンジされ、実にユーモラスに演じられます。楽人はかつての神職である武氏が代々務め、だいたい60歳くらいで、子息と交代するのがならわしです。

「都々古別神社の御田植祭」は、「七座の神楽」と「御田植」の2つで1つの行事になっています。

舞は、以下の七座が受け持ちます。

◆神子
巫女舞で、巫女2名が扇子、鈴を持って舞います。神招幣舞ともいい、楽人2名が幣束と鈴を持って四つ(踏込み)をしてから舞います。また、白杖楽人2名が白杖と鈴を持って舞います。
◆弓舞
楽人2名が弓を持ち、4つを踏み、舞いながら矢を四方に放ちます。
◆剣舞
楽人3名。1名は幣束と鈴、他2名は剣と鈴で妙技を見せる。
◆神扇、さこ舞
楽人2名が奥義と鈴で舞い、さらに洗米を持って舞いながら米を蒔く。
◆獅子舞
史氏と幣束と鈴を持った獅子あやし1名による舞い。

一方の「御田植」は、能狂言風芝居で方言と擬音語でつづり、烏帽子、狩衣、白足袋姿で稲作の過程を模擬的に演じていく、というものです。
松舞、巫女舞、幣舞の神楽から、以下の16項目で演じられます。

堰検分→芽払い(面払い)→田耕(たうな)い触れ→田耕い→くろば落とし→水取り→代かき→畔ぬり(くろぬり)→あしおとめ→お種祈祷→種蒔き→烏追い→田植触れ→田植→水口祭り

以上の16項目が演じ終わると、最後は白狐の面をかぶった楽人が天狐の舞を演じて締めます。
その後、「中飯(ちゅうはん)」と呼ばれる、楽人全員で「中飯中飯」と言って、切り餅を参拝者と参列者へ投げ配るという行事を終え、御田植は終了となります。


[国選択無形民俗文化財]
提供: 棚倉町観光協会 様


所在地 福島県東白川郡棚倉町大字八槻字大宮66
展示場&開催場所 福島県東白川郡棚倉町 都々古別神社
問い合わせ先 棚倉町観光協会
Tel 0247(33)7886
観るポイント 「都々古別神社の御田植祭」は、「自分で食べるお米は自分で作る。大自然と戦って生活に責任を持つ」そんな、心意気と誇りを伝える伝承芸能です。また、独特のセリフと擬音で表現される舞は、かなり特徴的です。
伝統文化の
体験・一般参加
「都々古別神社の御田植祭」の様子を見学いただけます。また、行事終了後には御田植祭保存会の方が、御神酒・甘酒などのふるまいものを用意してくださっています。
場所:八槻都々古別神社
日時:毎年、旧暦の1月6日