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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
青海の竹のからかい | 郷土芸能・民俗芸能 カテゴリ

総数:128件

伝統文化

青海の竹のからかい
伝統文化の分類 郷土芸能・民俗芸能
文化名 青海の竹のからかい



青海の竹のからかい《特徴》
「青海の竹のからかい」とは、糸魚川市大字青海の東町と西町に江戸時代から続くとされる、全国的にもたいへん珍しい小正月行事です。

新しい年が明けると、青海地区は東町と西町に分かれ、1月15日の竹のからかいに向けて準備をすすめます。竹のからかい当日は、隈取りをした若い衆などが、2本の竹を力強く引き合います。その後は、浜で「さいの神焼き」をして、その年一年の無病息災と豊年・豊漁を祈願します。竹のからかいは、民間信仰から発生したもので、五穀豊穣や除災招福・家内安全を願ったものだといわれています。

以下、竹のからかいの準備から本番、終了までを詳しくみていきましょう。

1:お松とり
1月7日、東町と西町の小・中学生が早朝からそれぞれの町内を回り、門松・松飾り・しめ縄などを集めます。15日のさいの神の朝、集めたものを浜へ持っていき高く積み上げます。これを「お松さん」といい、量が多い方が良いとされています。

2:竹伐り
1月10日前後に、東西それぞれの若い衆が青竹を選んで切り出します。この竹は賽の神の依り代とされ、からかいの勝敗をつける申請なものとされています。飾り竹用、勇み竹用、合わせ竹用、細工竹用の計4本が用意されます。

3:飾り竹の準備
からかい数日前に飾り付けられる「飾り竹」は、15日の朝、竹の引き合いに先駆けて東と西の陣屋前に立てられます。この竹にはさいの神が舞い降りるとされ、神への捧げものとして吹き流しや扇、 八幡幣、しめ縄、お神酒樽などが美しく飾り付けられます。

4:竹のからかい
15日の昼過ぎ、いよいよ「竹のからかい」が始まります。若い衆はハッピ姿に鉢巻きをし、腰にはしめ縄を巻いて顔に隈取りをします。 東西の若い衆はそれぞれの陣屋からまず「勇み竹」を中央(旧青海神社参道入り口)まで持ち出し、立てた竹の周りを「左義の長(さぎのちょう)」を歌い輪舞し士気を高めます。 その後勇み竹の根元を前にして進み、出した竹の中程が交差したあたりで若い衆が竹に飛びつき、東西の竹を重ねたまま抱え込んで引き合います。勇み竹による引き合いが2回、「合わせ竹」による 引き合いが1回、計3回の引き合いが行われます。 最終回の合わせ竹による引き合いは若い衆の意気込みも変わり、会場は一種独特の雰囲気に包まれます。

5:飾り竹なおし
最後の引き合いを終えた若い衆が陣屋へ戻ると、陣屋前に立ててあった飾り竹を倒します。これを「なおす」といい、飾りものも取り外されます。飾りもののうち、八幡幣は神棚の柱に縛っておくと魔よけに なるといわれ、観衆が競って取ります。

6:さいの神焼き
竹のからかいが終わると、飾り竹・勇み竹・合わせ竹などが浜へ持ち出され、既に高く積まれたお松さんなどの山に加えられます。お神酒をすえ、火がつけられると、若い衆はこの大火の周りを手を叩いて 回りながら左義の長を繰り返し歌います。観衆はこの火で体を温め、餅などを焼いて食べ、年中の厄病を払います。

本来は、若い衆と呼ばれる青年あるいは壮年が主体となって行われますが、伝統あるこの年中行事を次の世代に引き継ぐため、青海地域の小中学生による竹のからかいも行われています。3回行われる若い衆のからかいの合間にそれぞれ1回ずつ、合計2回引き合われます。


[国指定重要無形民俗文化財]
提供: いといがわベース製作委員会 様

JR青海駅前

所在地 新潟県糸魚川市西町・東町地区
展示場&開催場所 新潟県糸魚川市西町・東町地区(JR青海駅前)
日時:毎年1月15日
問い合わせ先 糸魚川市教育委員会 文化振興課
Tel 025-552-1511
アクセス 車の場合 … 北陸自動車道「糸魚川IC」より約25分
電車の場合 … 北陸本線JR青海駅より徒歩約3分
観るポイント からかいの合間に行われる「福もちまき」も楽しみの一つではないでしょうか。紅白の丸いお餅を、ぜひとも拾いたいですね。また、当日は竹のからかいに参加する若い衆や小中学生だけでなく、会場の警備をしている警察官の方々も隈取りをしています。そんな、街全体で盛り上げている、心温まる伝統文化です。
伝統文化の
体験・一般参加
「青海の竹のからかい」の様子を見学いただけます。
場所:新潟県糸魚川市西町・東町地区
日時:毎年1月15日
URL http://www.itoigawa-base.com/viewspot/culture_02_01.html